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【小説】クお白チ 009【第一期】

次の日の朝、親方がむかえに来た。車に乗ると
「交渉中だからあまり心配するなよ」
「あぁ、心配してない」
「結果は今日の夕方に出る」
親方は自営業だけど、経理を一人雇ってる。そこに昼と夕方電話して、発注の確認とかをしてた。車の運転席の前に置かれた電材のカタログが気になった…
「増発注の場所は?」
「廊下と階段だ」
「でも、ほぼ冬休みに決まりそうだから心配するな」
「分かった」

正門で別れて、現場に向かう。増発注の事が気になってたんで一応ペースは速める事にした。ちょっと考えて机の移動方法を変えてみようと思いついた。机を引きずってみたら床に傷は付かない。奥から一気に6個の机を押して廊下側に寄せる。ものすごい重いんだけど背に腹は代えられない。約40個の机を動かすのに5分とかからない本当はやっちゃいけない方法。机を並べる手間を考えたらこうするしかなかった
4灯付け終わって、ゴミを廊下に出し、机を引きずって元に戻す。約5分早い。塵も積もれば山となるの状態。床にも傷は付かない。ラッキー。最初からこの方法でやれば良かったと思った

8時半頃、クッキーと白が現れた。丁度2列目の3灯が終り、机を並べ替えている時だった
俺「あれ?また二人?」
ク「もう自由に学校へ来ていい事になったんです」
白「だから私たちは早く来る事にしました」
俺「おぉ、そうか。二人がいると嬉しいよ」
二人で照れてる。机を並べていると手伝おうとするので
俺「あぁ、この教室は手伝わないでくれるかな?」
白「どうしてですか?」
俺「タイムを計ってるんだよ。実験」
ク&白「はぁ…」
俺「教室移ったら手伝ってもらうからさ」
ク&白「分かりました」
ク「今日はお仕事の順番違うんですね」
俺「よく見てるね。今日から方法を変えてみた」
白「なぜ順番を変えたんですか?」
俺「スピード」
白「早く終わらせたいんですか?」
俺「工事の期間が延びるかもしれないんだよ。まだ五分五分だけどね。延びなかったら、冬休みにまた来るよ」
二人で複雑な顔をしてる
俺「どした?」
ク「早くいなくなっちゃうの寂しいです…」
俺「早く終わっても、冬休みに会えるよ?」
白「冬休みは大会があるから練習で会えないです…」
俺「そか。でも御飯くらいは一緒に食べられるでしょ?」
ク「夏は来ないんですけど、冬は顧問がいるから無理だと思います…」
ガーーーーーン!早く終わらせれば彼女達に会える時間が短くなる。しかし増発注が来た時には早く終わらせておかないと間に合わない。彼女達と仕事で板挟み…でも俺は電気屋、仕事優先なのはあたりまえ。自分に言い聞かせるしかない
俺「今日の帰りに結果がでるの。だから今日一日はペースを上げる。工事の期間が延びなければあとはゆっくりやるよ」
ク&白「はい…」
不安そうにしてる二人

10時になったので休憩。裏庭に行ったら、白が袋をだした
俺「なに?」
白「食べて下さい」
袋をのぞくとサンドイッチとジョー○ア。出したらタマゴサンド♪
俺「じゃ遠慮なくいただきます」
白「はい♪」
キラキラ輝く笑顔をしてる
俺「また二人で作ったの?」
白「いえ、今日は私の係です♪」
ク「あの…毎日作ってきたら迷惑ですか?」
俺「いや、美味しいから嬉しいよ」
ク「じゃ、毎日二人でかわりばんこに作ってきます」
俺「お金かかるじゃない?」
ク&白「そうだけど…」
俺「じゃいいや、俺がたのんだ事にするね」
財布からお金を出してわたす
白「でも悪いから…」
俺「いや、これなら俺も遠慮なく食えるでしょ?」
ク「あっ、そうですね」
俺「10時と3時の両方あると助かるかも」
ク&白「分かりました♪」
二人でニコニコしてる。ラーメンライスにチャーハン大盛り、餃子二人前みたいな食生活だったからいくらでも食えた。米一升食った時にはお袋に怒られた
俺「お金足りなくなったら言って?って言っても言わないだろうな」
俺「定期的にお金わたすから、あまってたら言って?」
ク&白「はい」
俺「お願いしていい?」
白「なんですか?」
俺「もうちょっと塩をきかせてくれると嬉しい。汗で塩分が出ちゃうんだよ」
白「あぁ、分かりました」
俺「俺の腕なめてみる?」
ク&白「あはははっ」
ク「もしかしたらお昼のお弁当は1年生が作ってくるかもしれません」
俺「へっ?」
白「昨日の夜、みんなでお弁当を作る話をしてたみたいで、香ちゃんから電話がありました」
10時が終わるころ1年生四人が現れた。一番良い香りのする子が
「おにぎり作ってきました。昼に食べて下さい♪」
この子が1年生のリーダーなんだろうな…袋の中を覗いたら、小さいけど10個のおにぎりが入ってた。水筒も持ってきてたから、飲み物も入っているんだろう。なんでも良いけどこの子の香りは酔ってしまう。四人にお金わたそうとしたら、一番無口な子が
「私作ってない…ごめん」
あぁ、この子が俺に気が無いんだって思った。お金をわたした理由はクッキーと白が説明してた

実はこれで、食事代が浮くのであった…

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