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【小説】クお白チ 004【第一期】

仕事は一生懸命やったから、ノルマはこなした。俺はやっと見える位の明るさ、7時頃まで仕事してたけど、彼女達は5時頃に帰った。マドレーヌ持って正門前で親方を待ってたんだけどなかなか来ない
明日には2階が終わるな。あぁ、そう言えば点灯試験やってないなぁ…ブレーカーどこにあるんだろ?彼女達を忘れて仕事頭に戻ってる。マドレーヌ見て、彼女達を思い出す。あっ!ある事をひらめいた時に親方が来た。8時を過ぎてた
「ごめんな、むこうで手こずった」
「親方、点灯試験は?ブレーカーは?」
「あれ?教えなかったっけ?」
「教わってないから聞いてるの!」
「あはははっ」
この人いつも笑ってごまかす!
「明日2階が終わるから、2階、3階の点灯試験やった方がいいでしょ?」
「そうだな、明日の朝教えるよ」

家に着いてマドレーヌ食った。なんか滅茶苦茶美味かった。メモに『美味しかったよ。ありがとう』って書いて作業着のズボンのポケットに入れといた

次の日の朝、現場に着いてブレーカーの場所を教わった
「間に合うか?」
「間に合わせる」
「じゃ、まかせたぞ」
「了解!」
早速2階の最後の教室で作業を始めた。かなり慣れたから順調、順調♪10時になって裏庭でいつもの様にだらけてたんだけど、彼女達が来ない。まずいぞ俺の計画パーじゃん!
10時が終わって作業開始。彼女達が来ますようにって祈ってる。昼ちょっと前でその教室終わらせて、飯食って裏庭で来ないのかなぁ…って思ってた

さて、教室飽きたから渡り廊下やっちゃうかなって思ってたら、走る音が…
キターーーーーーーーーーー!八人全員揃ってる!
「ごめーん、いろいろあってぇー遅くなっちゃったぁー」
「いやいやそれはいいんだけど、みんな御飯食べたの?」
「今日はみんなで御飯食べてたんだよ♪」
「じゃさ、ちょっと協力してほしいんだけど」
「なにやるのさ?」
「点灯試験」
「なんですかそれ?」
って一番いい香りのする子
「分かんないよねぇーあははっ。とりあえず2階へ行こう」
「はーい」×8

点灯試験は、ブレーカーを上げてからスイッチ入れないとダメ。全部のスイッチ入れてからブレーカー上げて、何ヶ所かでショートするとブレーカーが死んじゃう
黒板にチョーク使って、3階に四人、2階に四人、一人3教室。トイレに一番近い教室の子はトイレも担当と説明。一番声の通る小鳥みたいな子を3階の階段に一番近いところにして
「俺が階段から指笛吹いたら、3階の北側から順番にスイッチ入れて。全部の蛍光灯が点いた部屋は消していって」
「最後の人は両腕で丸を作って、小鳥に教えてやって」
「3階が全部点いたら、小鳥が点いたって、ダメならダメって叫んで」
「2回目に指笛吹いたら今度は2階の北側から…分かった?」
「分かったー」×8
みんなうなずいてる
「じゃ、5分後に始めるから位置について」
みんな走って自分の担当場所に行った。俺は1階に下りて2~3階の教室とトイレの灯具のブレーカーを上げ、2階に上がって時計を見て5分後に
指笛 ピーーーーー!
2分位で小鳥が「点きましたぁーーー」
もう一回指笛 ピーーーーー!
3階の連中が下りてきた
「ここダメーー」
って白い子
「隣の教室始めてーーー!」
って俺が叫ぶ。順調に進んでいく。最後の教室のチビ、腕で大きな丸を作って終了
点灯試験は一人でやったら24教室で30分位。今回の作戦では打ち合わせ入れて10分。超短時間で終わった
白い子の教室に脚立持って行く。全員その教室に集まる。スイッチ入れたら1灯点いてない。スイッチ切って、1階まで下りてブレーカーを切って戻る
点かない灯具の真下の机をどかして脚立を立てて、灯具の配線カバーを外し配線を見たら配線が一本外れかかってる。つなぎ直して灯具を取り付け
白い子に
「指笛吹いたらスイッチ入れて」
小鳥みたいな子に
「階段の所にいて叫ぶ係」
クッキーに
「点いたら小鳥に手で丸を作って教える係」
「いくよー」
1階に下りてブレーカーを上げ、指笛 ピーーーーー!
小鳥が階段から「点きましたぁーー!」
ほっ…ブレーカー落として、2階に上がってその教室に入ったら、拍手された
「すごーい、すごいすごい」×8
みんなですごいすごい言ってた。ちょっと照れた
「ご協力ありがとうございました。いつもの1/3の時間で終わりました」
って頭下げた。おしゃべりが
「カッコいぃーーー」
今度はみんなでカッコいいカッコいいの嵐。照れまくり…
「あっ!そうだ!誰にも手伝った事は話しちゃダメだよ」
「分かりましたー」×8
気が抜けて、ちょっと離れた椅子に座ったらクッキーが来て
「大丈夫ですか?」
「ちょっと疲れちゃっただけ。平気だよ」
ポケットからメモを出してみんなに見えないように机に置いた。クッキーはちらっとメモを見て、急いでポケットに入れた
「ありがとう♪」
って言われた
なんか緊張感で疲れちゃって、10分位座ってた

彼女達はみんなで笑いながらワイワイさわいでた…

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