見出し画像

【小説】クお白チ 010【第一期】

仕事に戻って、手伝ってもらわないで頑張ってみた。とうてい昼までに1教室は無理。俺の予想通り7~8日ってのは合ってた。彼女達に手伝ってもらったとしても、2教室が限界だろう。増発注が来たら間に合わないなって漠然と考えてた。あと15日しか夏休みは残ってない…とにかく今日だけはフルパワーでやろう。昼からは彼女達に手伝ってもらおう。昨日の8~9時の1時間が貴重に思えた…

昼飯の時間にちょうどおしゃべりとチビが現れた。初めて裏庭でみんなで飯を食う
俺「おにぎりごちそうさまね」
香「いえいえ、サッちゃんのお口に合うかどうか」
うん、塩加減が丁度いい、中身は鮭とたらこ
香が水筒からなにかをそそいでる。一口飲んだら麦茶だった
俺「美味しいよ。麦茶もありがとね」
香「褒められて嬉しいです。ありがとうございますっ♪」
香は俺と同じおにぎりを食べてた
俺「クッキーと白には話したんだけど、汗で塩が出ちゃうんだよ。だから、ちょっと塩っぱい位でちょうどいいんだ」
って言って、袖をめくる
俺「塩の結晶が見えるだろ?きったないけどな」
「すごーい…」×8
俺の腕は夏の木漏れ日の中で水晶をまぶしたようにキラキラしてた
俺「すねなんてもっとすごいよ。汚いから見せないけど」
「あはははっ」×8
俺「あれ?おしゃべりだけコンビニ弁当?」
お「作ってる時間がぁー無かったのぉー」
チ「おしゃべりちゃんはすぐに寝坊するんだよ♪」
お「ばらさないでよぉー…」
「あははははっ」×7+俺
白「何か食べたいものってありますか?」
俺「10時と3時は30分だから箸を使わないものがいいな。昼は重めのご飯がいい」
手提げ袋にでっかくLOVEって書いてある一番背の高い子が
「何か嫌いなものってありますか?」
俺「カボチャとカンピョウ、あと甘く煮たシイタケとチーズね」
香「すごい食べますよね」
俺「あぁ、今は三人前は食うかな?」
お「なんでぇーそんなにぃー痩せてるのぉー?」
俺「分からん。摂取カロリーと利用カロリーのバランスなんじゃない?」
チ「うらやましいんだよ」
俺「チビは痩せてるじゃないか。ってかみんな太っては見えないよ」
チ「そんな事ないよーだ!」
俺「痩せて見えるぞ?」
チ「二の腕とか太もも太いの!ブーー」
「あははははっ」×7+俺
俺「俺は脂肪が付いてないけど、女の子はぽっちゃりしてた方がいいよ」
白「なんでですか?」
俺「抱き心地がいいから♪」
「キャーーーー」×8
お「この中でぇー誰が一番好みぃー?」
ぐるっとみんなの顔を見る。考えたら、よくこれだけ可愛いのがそろってるよな…無口な子にも彼氏がいるとして、五人にいないなんて考えられない…あぁ、女子校なんだ!俺の好みは白だが、そんな事言えるはずがない…
俺「みんな妹みたいに可愛いよ」
ク「なんかずるいですね」
お「サッちゃんの事をぉー誰が好きか知ってるのにぃーずるいぃー」
白「ずるい…」
チ「サッちゃん、ずるいよ!」
2年生全員に責められる俺。ちょっとたじたじ…
俺「俺は今まで誰もひいきしたとは思ってないよ?」
チ「クッキーちゃんと白ちゃんがぬけがけしたの黙ってたじゃんさ!」
俺「もめごとが苦手だから黙ってただけだよ。それにその話は部活内で解決したんだろ?ここで俺が誰が一番好みか言ったらまたもめるだろ?」
白「でもぉ…」
俺「俺はみんながいて助かってる。一人には決められない」
お「ねぇーもうーサッちゃんを責めるのやめよぉーよぉー」
さすがリーダー。ってか俺に気が無いし。っててめーが始めた話しだろ!
俺「じゃ言うよ。八人全員好きだよ」
「えーーーーーっ!」×8
俺「これで平等だろ?」
ク「ごまかすの上手ですね…」
俺「クッキーそんなこわい顔しないでくれよ…」
チ「たとえば芸能人だと誰が好きなのさ?」
俺「テレビ見られないんだよ。時間が無いの」
白「そんなに忙しいんですか?」
俺「月に三回休めればいい方。先月は一回も休みはなかったよ。ここの工事の期間が延びたら8月最後の土日も仕事だよ」
ク「辛くないんですか?」
俺「クッキーが見てどう思う?」
ク「辛そうに見えます」
俺「じゃさ、この前みんなに点灯試験手伝ってもらっただろ?」
白「はい」
俺「あの時に自分たちの役割を終えて達成感がなかった?」
お「あぁー考えてみたらあったかもぉー」
俺「すごい辛いから終わったあとに大きな達成感があるの」
ク「やっぱりカッコいいです」
クッキーがやっと笑った
俺「みんなはここに来るのは義務じゃないけど、終りまで見てれば俺の達成感を少しは分けてあげられるよ」
チ「最後まで付合うよ。いいよね?おしゃべりちゃん」
お「なんかーその場にいないとぉー損する気がするぅー」
白「なんでもお手伝いします」
ク「お手伝いさせて下さい」
俺「危なくない事をね」

1時を知らせるチャイムが校内に響きわたった…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?