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【小説】クお白チ 007【第一期】

ダラダラダラダラ仕事してた。教室の時計を見たら10時をちょっと過ぎてる。もらったジョージ○持って裏庭にいく。8時から9時まで働いてないのに、10時からしっかり休憩だけは取る、体たらくな俺。彼女達の事を考えてた。俺が高校生の頃の女子ってこんなものだったかなぁ…仕事をしてる時の男って彼女達の目にはどう映るんだろう
見上げたら真っ青な空と木漏れ日がキラキラ輝いてた…

仕事に戻る。蛍光灯は4列で並んでる。机は6列で並んでる。灯具を付けるのはそんなに手間に感じないが、机の移動が一番面倒。教室の奥から仕事していくわけだが、蛍光灯一列分の机をどかして、灯具を付けて、終わったら机を奥にどかしてってやってると、机が全部奥にたまっちゃう。それを戻さなければいけないんだけど、約40個はある。机の中に教科書とか入ってるから重いし、中の物をぶちまけたらそれでまた時間がかかる。最後は真っ直ぐに並べないといけない…机をどかして古い灯具を取り外し、脚立を下りて新しい灯具を持って脚立に上ろうとした瞬間
「こんにちは」×2
目線を移動させるとクッキーと白
俺「あれ?また二人?」
ク「おしゃべりちゃんから電話があって、先に行くように言われました」
俺「初めてだね。全員いっぺんに来ないのって」
白「おしゃべりちゃんとチビちゃんが何か用事があるらしいです」
そうだよなぁ…せっかくの夏休みなのに俺に付合ってるのも馬鹿らしくなるよなぁ…高校2年の夏休み。来年は受験か就職活動だもんなぁ…なんだか彼女達が可哀想になってきた
俺「二人も俺に付合ってないで、夏休みを楽しんだ方がいいよ」
白「おにいさんといる事が楽しい夏休みなんです」
かなり嬉しい…
俺「そかそか、ありがとね。でも無理して来ないでいいからね」
ク「無理してでも来たいんです!短い時間だから一緒にいたいんです!」
白がうなずいてる。なんかクッキーが妙に強気
俺「ありがとう。じゃ好きなだけ付合って下さい」
ク&白「嬉しいです」
俺「宿題とかどうしてるの?」
ク「もう終わりました」
俺「早いね」
白「私の家で、二人で夜中に5日位で終わらせました」
俺「なんでそんな事したの?」
白「おにいさんに会いたいから…」
だんだん、こっちが責められてる気がする位二人の発言が強気になってきてる。大胆なアプローチ
俺「そんなにまでして会いたいものかね?」
ク「恥ずかしいんですけど、本当にカッコよく見えるんです」
白「仕事してる男の人って本当にカッコいいんだなって思いました」
俺「おいおい、二人でそんなに褒めるなよ。照れるだろ」
二人でクスクス笑ってる。脚立を下りて机をどかす。彼女達も手伝う。内心、手伝ったら俺は早くいなくなるのにそれを知っててやってるのか?って思う。けなげさと大胆さのコントロールが上手く出来ない微妙な年頃…
ク「思い切って聞きます!おにいさん、彼女はいるんですか?」
俺「それ聞いてどうするのさ?」
白「聞いたら諦められるから…」
俺「なになに?俺は恋愛対象にされてるわけ?」
白「好きなんです…」
ク「私もです」
突然の告白!それも二人から!悪い気はしない…だが微妙…ここで男ってのは妙な事を考える。今、俺には彼女がいない。彼女達のためには、いる、いない、どっちを言うべきか葛藤していたが…0.5秒ほどの間に答は出た!
俺「彼女いないよ」
ク&白「わーい♪」
彼女達が女子高生らしい喜び方をした。そして顔が期待に満ちあふれていくのが分かった。別にいやらしい意味で彼女がいないと言ったわけではない。俺はもうすぐいなくなる。失恋は辛い想い出にもなるが、片思いは良い想い出に変わる事が多い
俺「でも、二人のどちらかを選べないじゃない?親友なんでしょ?」
白「それも話し合って、恨みっこ無しって事に決めてます」
ク「それに二人じゃありません。五人です」
五人?って事はあとの三人は、俺に眼中無いって事なのね。付き会いで来てるのかな?疑問は浮かんだけど、それ以上質問はしなかった

昼ちょっと前に仕事を終わらせて、三人で弁当を買うためにコンビニへ行った。弁当とアクエリアスとコーヒーを買ったら、彼女達は飲み物だけを買ってた。裏庭に着くと、二人は
ク&白「部室に行きます」
俺「なんでここで食べないの?」
ク「それはおにいさんと最初に会った頃にみんなで決めたんです」
俺「どういう事?」
ク「仕事の事とか考える時間が必要だと思ったからです」
俺「クッキーがみんなに言ったの?」
ク「いえ、おしゃべりちゃんが考えて決めたんです」
恐るべし語尾長音女おしゃべり!…バカだと思ってたらあなどれない…
俺「おしゃべりがリーダー?」
白「部長です」
恐るべし語尾長音女おしゃべり!
ク「チビちゃんが副部長です」
俺「ヘッ?じゃ部活の中ではおしゃべりとチビに決定権があるわけ?」
白「そうです」
俺「今日はここで食べなよ。仕事にも余裕が出来たからさ」
ク「でも、またぬけがけじゃないですか」
俺「みんなが来たら、俺が事情を説明するよ」
ク&白「はい♪」
こんな話しをして弁当を食い終わったら、おしゃべりとチビが現れた
お「ごめーん。遅くなっちゃったぁー」
白「大丈夫。おにいさんと話してたから平気だよ」
チ「なんでサッちゃんとご飯食べてるの?」
俺「仕事のペースを遅くしたから、俺が二人を誘ったんだよ」
チ「ふーん…」
お「サッちゃーん、これあげるぅー。二人で買ってきたのぉー」
包みを開けると水色とピンクのフェイスタオルが入ってた。大胆な二人のぬけがけ…
俺「ありがとう…」

白とクッキーの顔色が変わる…不穏な空気が漂いはじめる…

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