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上昇志向と安定志向

 就職課の業務として学生に会社を紹介する際、その学生のプロフィール、取得資格、希望条件、などを聞きます。それとともに、その学生の人柄や気質を読み取り、それらを考慮した上で適した会社を紹介するようにしています。

 この気質として、研究者向きや営業向きといった側面がありますが、上昇志向か安定志向かという側面もあります。

 今回はこの、上昇志向と安定志向について取り上げます。


上昇志向と安定志向とは

 上昇志向の学生は、簡単にいえば野心のある人です。

 頑張って仕事をしていっぱい稼ぎたい、会社で役職者になって組織を動かしたい、会社で新規事業を開拓したい、場合によっては起業したい、という気持ちが強いです。

 これに対して安定志向の学生は、安定して暮らせることを第一に望んでいる人です。

 一つの会社に長く勤めたい、結婚や家庭について人生設計をたてて設計通りに暮らしていきたい、といったように生活の安定を求めます。


上昇志向の人

 上昇志向の人は、その志向の程度によって行動パターンが分かれます。ここでは、上昇志向が中の人、上昇志向が高の人、と分類します。

 なお安定志向の人は、誰もがその程度が同じくらいで、それ以上は分けられないです。

上昇志向が中の人

 生活の安定と、挑戦のバランスを考えている人です。

 起業するだけのリスクはとりたくないが、今いる会社で長く勤めながらも会社を大きくしたり新規事業を引っ張っていきたい、といった気持ちがあります。

 そのような学生には、戦略を明確に打ち出している会社を紹介することが多いです。

 戦略を明確に打ち出している会社は、経営計画で新規事業や成長戦略を示しています。そのような会社の多くは、従来からの業務をメインとしながらも、何に進出して規模を拡大するか、あるいは新規事業を打ち出すか、を示しています。またそういう会社は、自社を世の中にどう見せるかのプロデュースを工夫している傾向があります。

上昇志向が高の人

 これに該当する学生は、就職課を頼らずに自分で会社を探して決める傾向があります。なんでも自分で決める、という気性だからです。

 就職課に入社する会社を相談してきた場合、入社して多方面のことが学べる会社を紹介するようにしています。将来の起業に備えて、いろいろと経験できる会社ということです。

 多方面のことが学べる会社とは、仕事のほかに許認可など各種の手続きの方法や、経営が学べる会社です。それは規模として小さな会社、あるいはベンチャー気質の会社になる場合があります。


安定志向の人

 安定志向の人には、当然ですが安定していると思われる会社を紹介します。

 そのような会社の条件は、
 ・創業して何十年も続いている会社
 ・毎年黒字が続いている会社
 ・特定の業種や地域でトップクラスのシェアを占めている会社
になります。

 これに加えて安定志向の人は、世の中を支える仕事をしたいという気持ちが比較的強いです。

 ですから、インフラ(インフラストラクチャー、社会基盤)を支えている業種、インフラを支える職種、であることも考慮するようにしています。

 就職活動をしている皆さんには、自分が上昇志向か安定志向か、また上昇志向なら程度はどれくらいか、も自己分析して会社選びに役立てることをお勧めします。

 なお自分は安定志向だと思っていても、就職して経験を積み、世の中が見えてくると、上昇志向に「目覚める」場合もあります。

 人は変わっていくものですので、自分はこうだと思い込まずに、今後を考えていくと良いでしょう。

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