きむそう

大学院修士2年 家でみかんの品種改良してます 品種改良とか数学とか物理とか言語学とか…面白いなと思ったことをちょこちょこ

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最近の記事

多様体論・メモ (接ベクトル空間など)

どうも苦手意識が抜けきらない多様体論の覚書です。 個人的なメモですが同じような疑問を持っている方の助けになれば幸いと思い公開することにしました。 多様体論は微分幾何とはちょっと違う多様体を勉強するまでは、多様体論を勉強するとグニャグニャに曲がった空間上での微積分ができるようになる、というイメージを持っていましたが、多様体では積分はできるようになっても微分はできるようにならない、というのが私の理解です。多様体上での微分を定義するには"接続"という概念が必要になりますが、それは

    • フィッシャー情報量、どんなイメージ?

      はじめに私の所属している研究室ではprml(パターン認識と機械学習)の輪読を行っています。ちょうど6章が私の担当会で準備をしていたのですがフィッシャー情報量が登場しました。フィッシャー情報量自体は情報幾何を勉強した時に何度か目にしたことがありますがよくわからず頓挫。特になぜそれが"情報量"と呼ばれるのかイメージがうまくできず苦労しました。今回、輪読の担当ということをあり本腰を入れて勉強したところ今までとだいぶ異なる視点で見ることができるようになったのでここにまとめようと思い

      • 位相空間とは結局なんだったのか?

        位相空間ってやっぱり難しい突然ですがやっぱり位相空間論って難しいですよね。線形代数や解析学はイプシロンデルタ論法等ちょこっと躓きポイントがあるものの概念的なものではないのでちゃんと勉強していればどうにかなりますが位相空間論はそうもいかない。数学科に行かない限り位相空間論をちゃんとわかっていないせいで先に進めないということはまず起こりらないとは思いますが、機械学習でいは関数解析やる時に出てきますし、多様体論の頭では必ずと言っていいほど出現する。わかっていなくてもいいけれどや

        • 情報幾何学の基礎 -前半をざっと-

          情報幾何、最近少し知名度が上がってきている気がします。本もかなり出版されてきましたし、勉強会のお知らせをXで見かけたりもします。情報系として知っていなければならないかというと全くそういうわけではないと思いますし、たぶん優先順位としてはかなり後ろの方に来るべきだと思っていたのですが、幾何と情報のマリアージュだなんて夢がありすぎてついつい手を出してしまいました笑 色々読んだ中で藤原彰夫さんの「情報幾何学の基礎」が動機づけが分かりやすかったのでこちらを中心に勉強を進めています。どう

          量子力学 学びなおしメモ

          大学院で農学をやる前は物理(素粒子あたり)をやっていたんですが、物理の学士を持っていると胸を張って言えるほどちゃんと物理を理解できていないのがずっと心残りでした。今振り返れば結局理解できたつもりになっていただけで全くできていなかったのが原因なんだと容易に想像がつくのですが、このままほっておくのは少しもったいない。私の今のラボでも量子コンピュータ云々という話がでつつあり、やるならいましかないと再学習を決意しました笑 やはり誰かに伝えることが理解を深めるうえで重要であると思うので

          量子力学 学びなおしメモ

          確率微分方程式論で何が学べるか

          はじめに確率微分方程式という数学の分野があります。これは簡単に言えば微分方程式に確率的に変動する項を加えた方程式です。よく引き合いに出されるのがアインシュタインがその定式化に大きく関与したと言われているブラウン運動です。煙といった分子と比べて相対的に大きい粒子が水や空気分子から衝突されることによって不規則に動く現象で顕微鏡などでも観察可能だと言われています(私は動画以外で見たことはありませんが…)。 私は学部時代素粒子の研究室に所属していましたが、そこでもわずかな揺らぎの影

          確率微分方程式論で何が学べるか

          構造主義とソシュール

          はじめにイタリア留学をきっかけに語学に興味を持ち、今までに色々な言語をかじってきました。とはいっても、日常会話をできるようになりたかったわけではなく、言語に特有な音や文法に興味があっただけなので、あくまでもかじって味見をしてきただけなのです。 そんななかでIPA(International Phonetic Alphabet)という概念に出会いました。これは世界に存在する音を"物理的"に体系づけまとめたものです。日本人にとって発音しにくい外国語の音というのは数多くあるわけで

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