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noteを選んだわけ

最近、ツイッターの休眠アカウントが削除されるかもしれないというニュースが駆け巡った。故人のアカウントやイベントアカウントなど、稼働はしていないけどメモリアルにフォローしている人にとっては「冗談じゃない」ところ。幸い、適用されるのは欧州圏ということで、現時点で日本は対象外のようだ。

インターネットが一般に浸透し始めて20年あまりがたつ。20年前、大学を出たばかりの私は奨学金500万円の返済を抱え、とにかくまずは働かなければならなかった。と言ってもまともに就職活動をしたわけでもなかったため、アルバイトと並行して知人の立ち上げた「インターネットの会社(怪しい)」に勤め始めた。けれども私は「インターネットって何なに〜?」で、具体的に何をするのかまったくわからなかったし、立ち上げた知人も「とりあえず金になりそうだぞ!(怪しい)」というノープラン社長だったのだ。

大したビジョンもなく始まった(ように見えた)のだからまともな仕事なんかなくて、社長がつてで小さな仕事を取ってくる程度。美術系大学出のデザイン要員としてアドビ製品をあてがわれ、「よきにはからえ」と放牧状態の私。当然運転資金はあっと言う間に底をつき、社長は私物をヤフオクで売り始める。これがまた割と良い収入になったようで、営業そっちのけでヤフオクに没頭する社長。「わ!すごい入札数!」とキャッキャしている彼を横目に、PhotoshopやIllustrator、GoLiveやDreamweaverの操作方法を覚えていった。今考えると夢のような仕事だった。いや牧歌的悪夢か。

そんなこんなで1年たたずに別の会社から誘いを受けて転職したものの、この会社もかなりやべえ・・と思っていたら3か月でリストラされる。途方に暮れて1か月ニートを満喫、ファイナルファンタジーXに昼夜没頭しラスボス(確か主人公の父ちゃん)にたどり着いたと同時にPS2のメモリーがクラッシュした。FFXの思い出は、費やした時間とともにすべて消えた。復活の呪文のメモ間違いレベルではないこの虚脱感。ああ、なんて無駄な時間を過ごしたのだ。。私は何をやっていたのだ。。と、その翌日からコツコツとフリーランスでDTP&WEBデザインの仕事を始めたのだった。

前置きが長くなったが、つまり私は大学を出てから社会の隅っこでフリーランス生活を、奨学金返済の目処がたつまでの10年ほどつづけた。おかしなものでこの経験が現在、作家活動の大きな手助けになっている。いまでもDTPや自分のwebサイト制作程度であれば比較的容易にできる。

小規模webサイト制作の世界は、Dreamweaverがアドビ製品となり、SEO全盛期とブログ全盛期を経てCMSが主流となった。さらにSNSの登場で、自前のwebサイトを持たない中小企業も多くなっている。

私の乏しい知識と経験から、独自ドメインサイトというものも今後は無くなっていくんだろうなぁ、と想像している。個人レベルのドメインサイト所有者が高齢になったとき、引き継ぎができなくなるからだ。レンタルサーバーとドメインは契約が切れると原則消滅する。ツイッターの休眠アカウント同様に救済措置が取られる可能性もあるけど、近年利用者の減ったブログサービスは容赦なく閉鎖される傾向にある。宇宙だって終わるんだから、ずっと残ると思われていた電子情報にも終わりは来るのだろう。

前置きが長くなった(2度目)が、自分のWEBサイトもいつか無くなる。引継ぎをしないかぎり、自分が死んだら契約は更新されずサイトは文字通り音もなく消えるはずだ。そこで私は自分の言葉や情報をどこに記録するか考えた。
とにかく「今後も残る」ことを重点においてしまえば、それほど選択肢は多くなかった。信頼のおけるWEBサービスで、直感的に操作でき無駄な広告が無いところ。

「note」。

たまにしか文章を書けないが、適度に放置されている感じも気に入っている。なにせ私は牧草地育ちなのだ。

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”HORIZON” 2019 W1,455×H1,120mm

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