見出し画像

完走記:阿蘇ボルケーノトレイル2024 (前)

112km走ってきました!

今年は完走できました。ホッとしました。
素晴らしい週末をいつでも思い出せるよう書きだしてみます。嬉しかった気持ちや苦しんだこと、大会を通じて受けた恩へのお礼や、その時の出来事を一つずつ大事にしたい。
リザルトを見て振り返るとか次のレースへの目標設定につなげるとか、そういうのはまた別の記事でやります。
やらないかもしれませんw

スタートまで

まずエントリーすることを早々に決めて、同じ宿・同じ部屋にまとまれるメンバーをそそくさと囲い込むことからはじめる。福岡の漆上夫妻、だいちゃん、さとみと部屋割を事前商談し、それに北九州のひろしニキにゾノくんえりなちゃんも同宿。完璧な布陣。

それに加えて米子のけんちゃんと愛媛のまーちゃんを巻き込んだ。遠方の友人が九州に来るっていうのに足だの宿だのの部分で面倒な思いをしてほしくない。裏を返すとツアー&アクセスの部分が容易になら遠方のレースにもぐっと参加しやすくなるということ。

今回はタッタチャレンジのエイド当番でいつも一緒になるのりちゃんに補給食サポートをお願いした。前年11月のKAMI100で失敗した補給面を改善したくて、だったら彼女が作るおいしいフードに胃を預けたかった。

試走の時に試作品を持たせてくれた。
ドライフルーツがおいしいやつ。

また彩の国へのエントリーが決まったくーぴー君にレースサポートをにお願いした。少し荷物を減らすことが出来るし、天候にも対応しやすくなるし、レース中に馬鹿になってもたもたしているときに正しい判断をしてほしかった。彼にだったらわたしのみっともないところ全部見られてもいい。そういう人だからサポートを頼めた。もちろん、ゴールするところを目の前で見ててもらいたいw

真ん中が我らがくーぴー君。両端は後述w

いつもなら自分で間に合わせるものを大事な人たちに預けてしまって、とにかく完走することに集中。

練習とか準備とか

3月のさが桜マラソンが終わってボルケーノまでは7週間。
はじめの2週間は多良の森の準備もあり、その翌週から本格的にボルケーノ練としてのボリューム期に切り替えた。とくに週あたりの累積標高に拘って練習量を増やす計画を立てる。レースコースの累積標高を4500m程度だと値踏みして8掛けした3600mを1週間の目標に設定。

4週間のうち2週はこれを達成できて、レース前週までの4週間平均で累積標高3200mを稼いだ。レースを走り終えたいま、記録を見ると手元の時計では5400m登ったことになっているし、大会HPには5200mとある。
8掛けして週3600mとは何だったのかw

ボリューム期を通じてボルケーノの後半コースを2回試走した。制限時刻に練習時間を合わせて本番環境を意識した。面白みが減るから試走はしないという意見には深く頷ける。だけど面白みより完走の喜びを勝ち取ることを選んだ。

装備品は大会直前に慌てることなく、一年間の遊びの延長線上で整えた。買い物するときはいつも「ボルケーノで使えるかどうか」を考えた。使えないものも随分買ったw

「練習で使ったことのないウェア・ギアをレースで使いこなせるわけがない」といつも自戒しているけど、今回唯一ぶっつけ本番で使ってみたアグレッシブデザインの日焼け止めクリームはよかった。後日の日焼けダメージがほとんどない。

日差しとは逆に雨と風による冷えにだけは注意して、レインウェア、防水グローブ、保温着などは万全の2セット体制を準備。だけど物だけいたずらに増えても荷物が重くなるだけだし、いざその場に適したものをちゃんと使えないと意味が無いなと一年掛かりで理解した。

「準備のスポーツ」だなんてよく言われるけど「判断のスポーツ」でもあると思うようになった。言葉遊びには意味はないけど。

前日受付とか宿泊とか

金曜日に休暇を取り、朝から熊本にクルマで移動。九州外から来る友人にお土産を持たせたくて合志のナミさんのお店に寄った。そして熊本駅で3人をピックアップ。けんちゃんまーちゃんに加えて香川くんとも旅を同じくすることになった。愛媛から来た香川くんw

と、海賊王。

お昼ごはんと軽い観光を熊本市内で楽しんで阿蘇に移動。大津を抜けたあたりから見え始める山々にデリカの後部座席がざわめいた。そうだよねー特別な眺めだよねー。わたしは3週連続でこの辺に来ているので不感症気味w

ゴール会場に車を停め、カイくんやさとみとタイミングよく合流。良いことばかりじゃないけど群れるとやっぱり安心感ある。

大会手配のバスで受付・スタート会場へ移動。阿蘇山を時計の中心に見立てると、さしずめゴール会場は7時。スタート会場は12時。レースは12時の位置から(いったん11時の方に逆走しw)時計回りに7時の位置を目指す112km。

レースではカルデラ地形の内地から阿蘇外輪山に登り上げ、外輪山の草原を横移動し、また内地へ下りる。単純化するとこの繰り返しだけど、牧野を吹き抜ける風や阿蘇特有の滑る黒土など、この土地ならではの難しさもある。

受付ではシューズとレインウェアのチェックを受ける。阿蘇はこのシューズの裏の泥を他所から持ち込ませない拘りが強い。ゼッケンを受け取ったところでゆうこさんから写真を撮っていただいたけど、ゼッケンのつもりで持ってたのはデポバッグに貼るシールだったw

で、「信越のやつやろう」って、大会バナーを背にマグショット撮影。「マグショット」ってこういうとき合ってるんやろうか。収監されるときの写真よな、んー。なんて考えていたら「撮りましょうか?」と優しい声、やっぱり小関さんだった~会えてうれしい!せっかくなので周りにいた友人みんなで記念撮影してもらった。おっきな大会に来たなーって気分が出てくる。

渋谷(428)から来ましたユーゾーです嘘です

出展ブースではTNF長崎店長の、というより弟のように思っている石原くんと会えて気持ちが高まる。つづいてYAMAPの吉川さん中島さんからお声掛けいただいた。多良の森でのトラッキングサービス活用に拘ったことを喜んでいただけたようで嬉しかった。

そしてMILESTONEの西岡さんにもここでばったり。阿蘇での撮影以来だから2年ぶり!西岡さんは100マイルレースも走るようになってますます精悍になられた。前世から入れ替わりたいw

どうしてハンサムは揃いもそろって小頭なのか

受付を終えた後は阿部牧場のASO MILK FACTORYでソフトクリームを頂いたりおみやげを買ったり。ビスケットを買ってミルクーヘンを我慢したまーちゃんだったけど、後日なんと入賞し、ミルクーヘンは副賞に貰って帰っていった。かわいいのに走力もある。前世から入れ替わりたいw

宿に戻ってレースの準備をしている頃、仕事を終えたくーぴー君が合流。メンバーがそろった。翌日は9時スタートなので変に早寝早起きしなくても大丈夫なのは選手にとってもスタッフ関係者にとっても有難い。そう思いながら寝た、と言いたいところだけど思うか思わないかくらいのスピードで寝落ちしたらしい。サブのび太。

スタートからA1(ASO MILK FACTORY21km)

柄のわるさ...

天候に恵まれて会場の雰囲気は明るかった。どの方向を見ても知ってる人ばかりでさながら立食パーティーの挨拶回りをしているよう。

招待選手?ゲストランナー?には無理に声を掛けないように気を遣っていたら「ゆーぞーさんやん!」と土井さんの方から声をかけていただいた。長崎にいらしたときにイベントや食事をご一緒しただけなのに覚えて下さってて感動。「一緒のレース走れるの嬉しいすね!」ってこっちのセリフよ。

一緒に記念撮影させていただいてたら「ああサングラス着けたままやった」って素顔でもう1枚。はあああ?好き。もう土井ちゃんだいしゅち。判田くんには悪いけどわたし土井さん派になるわw信号の押しボタン全部おれが押しておいてあげたいww

どうしてハンサムは以下略

そして9時。沢山の方に見送られスタート。応援に来て下さる方も多いように見えた。お天気も良かったしね。

序盤の誘導で上原さんに声をかけていただいた。SNSでは交流があるけどF2Fではまだ浅いので、レース中らしからぬしっかりめの挨拶をしたw林道に入ると若干の渋滞。振り向いたら50人ほど後ろにスイーパーが見えて焦った。でも去年のひどい渋滞に比べればもうすこしマシだったかな。

外輪山に上がると絶景が待ってた!雨で10m先さえ見えなかった去年の参加費の分まで元を取ったような気になる。大会公式の応援ランナーである別府さん鬼塚さん若岡さんがここに。選手より絶景よりまばゆいw

渋滞の雰囲気を払拭するためにA1までは頑張るつもりでいた。前半の展望は、A1~2間の大観峰の急登は無理をしない、A2~3まではサボらず淡々と走って8.5~9時間でまとめるイメージ。

展望台のあたりでひろみさんりえさんから、外輪山から下り始めたところではマーシャルの坂口さんにエールをいただく。かるいやつじゃなくてガツンと骨にくるハイタッチが坂口さんらしく、気合を注入していただいた!さらに下るとおがっちが居た。もう居たって感じだった。わたしを熱くさせてくれる熊本の盟友の早々の登場にテンションが振り切れそうになる。とても危ない。

エイド手前では誘導のすーさん、応援のしおりちゃんから元気付けてもらえた。すーさんがあんなおっきい声出すなんて思わんかったw
レースが始まって最初のエイドだからか、選手より取り巻きの方が変にテンション高い。なおちの声高すぎて43歳の耳じゃ聞き取られへん。

A1ではクーピー君から氷を受け取ってハットに詰めた。汗の出方が21km・3時間20分の感じじゃなく、こまめな電解質補給を心がけようと思った。
持ってきていたのは経口補水パウダー、梅干し純、テングソルト。ところで、梅干し純は噛むと歯に詰まるから丸呑みしてる。噛まないと塩味を感じられないのはテングソルトも同じで、それだと脳が「電解質を補給した」と認知してくれなくて、しっくりこない感じ。だけどしょっぱさを感じないほうが水をがぶ飲みせずにすむから優れた補給だという考え方もあるみたい。探求の日々は続くね。

エイドの団子汁が美味しかった!MCのミキティがたくあんを手に写真に入ってきてくれたけどお漬物は好きじゃないのでふわっとフェイドアウトしてA1を出発w

井上さんもこの日いやというほど(失礼w)見た

A1からA2(国造神社36km)

ちょっとした林道を抜け(とはいえ去年は“ちょっと”どころじゃないぬかるみだったw)大観峰への登りに取りついた。追いついてきた若岡さんに「まだ顔が死んでないですね」とつまらなさそうに言われる。どうやらわたしがボロボロになっていく様を観察したいようだった。人たらしで人が悪い。最高か。

クリック拡大推奨
ずっと上まで連なる選手

阿蘇ラウンドトレイルの大会写真でここをよじ登っている光景を知ったのが2020年。家族旅行で何度も連れてきてもらった場所に自分の脚で登ってくることが出来るのかと。その時に受けた衝撃は今も鮮やかで、トレイルランニングを好きでいられる一番の動機であり続けた。
だけど斜度の衝撃のも負けず劣らず強烈だったw

急登を登り詰めたところに阿部さんがいらっしゃった。
「大会はあと、地域が先」「仕組みはあと、理念が先」と繰り返し、1年かけて準備してこられた阿蘇のひとそのもの。振り替えると阿蘇を一望できる絶景。阿部さんが守りたいと、その維持にはトレイルランナーに関わってほしいと主張する草原がひときわ大きく見える。今はここを走って自己表現することだと気持ちが奮い立つ。応援してくれる仲間に、誰よりも自分自身に魂のこもったランニングをと誓う。

景観的なハイライトだからか大観峰には応援に来てくれている人が多かった。つるなおくんが家族で来てくれていて、「阿蘇はどうですかー?」って。「コース『は』最高よ」って答えたのは届いただろうか。

北川さん其田さんからはつめたいジンジャーエールと、事前にこっそりお願いしていた氷をいただいた。A1でハット仕込んだ氷は溶けてしまっていて、太陽を背に登り詰めてきたから最高に有難い!

ボルケーノのために買ったAnswer4のサマーハットは日除けを出し入れできるうえに氷を詰めるポケットつき。水を吸って重くもなるけどつば広の作りのお陰で眩しさも軽減される。土曜の午前中は最高に調子が良かったし、夏場のマラニックなどにも最適だろうなって感じ。

A1から回ってきてくれたクーピー君せいかちゃんジョニー君の応援隊がここにも。頭悪そうなハチマキが最高だった。くーぴー君はそういうのしないwみんながめちゃ元気付けてくれるし体調を気遣ってくれるしで、安心して前に進めた。で、ああいう賑やかなのを受け入れられる日はだいたい調子がいい。

何のつもりなのか。
遊びに来てんじゃ…遊びに来てるんだった。

いちど外輪山に上がると草原の遠くまで選手が見え、あれを追っていこうというマインドになれた。練習を共にしたいつものメンバーとはスタート早々に離れてしまっていたし、何より今回はサポートをお願いしてる。近場の友人知人、なんだったら知らん人も巻き込んでゴールを目指すいつものスタイルと違って、目標を追う、前を追うようなランニングをしたいという思いがここではっきりした。

足元がきれいに刈り込まれた牧野を走っていると整備に尽力してくれた熊本の仲間たちへの感謝の気持ちで早くも涙腺が緩む。そんなタイミング最悪のときにモリケンさんがマーシャルしているところに出くわした。顔見ただけで泣くところやった、まじで危なかった。

A2に到着する手前、たしか手を洗えるような水場が去年はこの辺りにあったはず……と思って探したけど無かった。もしかしたら排水溝から逆噴していた雨水で顔を洗っていたのかもしれない。

A2国造神社には日田の長さん、新宮のそーたさんふくもんさんが。
ザックの中の補給食をポケットに移して、エイド食を軽くいただいた。イチゴソーダのイチゴ抜き、つまり三ツ矢サイダー美味しかったw

長さんは去年もここにいらっしゃって、元気だねーと声をかけてくださって嬉しかった。お忙しくされている方なのでお会いできる機会はすくないけど、ここぞというビッグイベントなどに長さんがいてエールをいただくと腹の底から元気が湧いてくるんだよね。

A2からA3(坂梨公民館51km)

大会を通じてこの区間がいちばん地味やと思う。外輪山の絶景はもう見慣れたし、レース距離の30%を消化して身体も慣れてくる。

じゅんさん星野さんとエイドを出発するも、じゅんさんの歩きの速さにはついていくことを早々に断念wへその高い位置から脚を振り出すような歩き、あれって登山経験豊富なひと特有だなと思う。シェルパでじゅんさんのウォーキングセッションやってくれるなら参加したいので検討お願いします。

そう思いながら九十九折りの林道を登っているとめまいのような不調を感じた。たちくらみ?貧血?インシュリンショック?帽子がきつい気がして被りなおしても変わらない。頭痛かー。てことは脱水かー?意外とまだ冷静。

外輪山まで登りあがっても身体がだるくてペースが出なかった。星野さんに声をかけてもらいながら歩き多めで進んでいるとひときわ声の大きな誘導のおじさんがいる。水谷さんや!

お茶あるよ、カルピスソーダあるよ、ゼリーあるよ、エロ本あるよと。誘導なのか何なのかwここで腰を落ち着けて飲んだ経口補水液(手持ちのパウダーをコップで濃いめに溶かした)が効果てきめんだったようで不調は次第に回復。

ただの脱水症状だったけど水谷さんのエロ本のお陰だったということにしといてあげる。話を聞いたら、大雨で誰も読んでくれなかった昨年大会と同じエロ本だったらしい。3回4回と同じエロ本を使いまわして兄弟を量産してほしいww

脳に効く水谷エイド

一の宮の牧野辺りは淡々とジョグで進めたのがよかった。シオゴンさんひさもんさんまさきさんが誘導に立っていらして声をかけてくださる。マーシャルは高森の秀樹さんだったかな。地味な区間って言ってしまってごめんなんだけどちゃんと理由がある。

雨に降られて嫌気がさして走れるところも歩き倒したのが去年の反省点のひとつで、ここをしっかり走らないといけないと思っていたからだった。それを思い出してはスイッチが切れていないことを再確認。何のために3月末までマラソン練に取り組んだんやと自分に問いかけた。

北九州のゆーこさんから応援をいただいて(あんな渋いところにおるのがゆーこさんらしいw)走ってるうちに同じく北九州のえりなちゃんと並走開始。明るいうちに体力があるうちに貯金が欲しいと言う彼女。セオリーは「貯金は借金」かもしれんけど実は同じ心境だった。

去年走った前半と、今年試走した後半。組み合わせて練った完走プランではA3を9時間で出発するイメージを描いていた。A3坂梨公民館までジョグをきらさず、夜間走の準備をしてエイドを出発したのは18時4分、レース開始から9時間。ここまでは去年より1時間20分早い。えりなちゃんはゴール後に「引っ張って貰えてよかった」と言ってくれたけど、むしろこちらこそありがとうだった!

ヘッデンに加えて夜間の悪天候に備えてウエストライトをザックに追加。気温が下がる予報ではなかったけど雨に備えてOMMコアベストに着替えた。レインウェアを羽織ったときにインナーに着ているプリマロフトアクティブが冷えから身体を守ってくれるはず。

体調に合わせてウェアの提案をしてくれたクーピー君、完璧。買ったウェアや使ってみたインプレッションをいちいち報告している間柄がなせる連携w

ここのエイドも賑やかで、何と言っても飯田親子が......じゃないや、母がうるさいw愛ちゃんも元気をくれてありがとう。来年は挑戦したいんじゃない?

きみかちゃんは初めてのボラだったそう。
ありがとうね。

さっきの応援ポイントからエイドに移動してきたゆーこさんからパケに小分けにしたラムネをいただく。見た目がいかがわしいので細かく刻んで鼻で吸うジェスチャーをして見せる。ジョニー君が馬鹿笑いしてくれた。彼とは初対面だったけど仲良くなれそうだw

夜の入り口に備えてガシンサンと成城石井の10倍ジンジャーをキメて出立。LG野村かなえちゃんと拳を突き合わせて、序盤の牧野にも居たはずの牧島さんとよっしーがいて。このお二人は土日の間5~6人いたと思う。最後にシンゴ兄とがっしりハグし、シンゴ兄のようにいかつい根子岳に向かう。

のぼせたおじさんはこの後潰れます。

順調だった前半戦を終え、レースは中盤、そして終盤へ。いよいよロングレースらしく潰れながらもゴールに向かう様子は後編の記事に続きます。よろしくお願いします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?