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スペイン旅・中国の男の子が教えてくれたこと

 十数年前にスペインをバスで回る旅をしました。マドリッドから、コルドバ、グラナダ、バレンシア、バルセロナへ。芸術と文化、食べものをめぐる旅です。
 見出しのお写真は、確かバレンシアのマーケットです。果物の陳列が美しい。日本に比べて値段が安いものもたくさんあります。日本の果物は糖度が高いものが多い印象です、いちごとかりんごとかみかんとか。すっぱい果物もあってもいいのになぁと思ったりします。例えば、焼きりんごはすっぱめのりんごを使った方がおいしいんですもの。

 スペインの南の方にあるグラナダにはアラブの文化が根付いていて、モロッコからジブラルタル海峡経由でたくさんのスパイスやハーブが流通されていると聞いています。街角でスパイス屋さんを開いていて、上の写真↑のような風景を見ることができます。
 グラナダを訪ねた時は料理に興味が出てきて間もない頃だったので写真を撮っただけですが、今行ったらきっとあれこれと買いまくっちゃう。スパイスは、絵の具のように美しいから見ていて全然飽きないし、味の調合も絵の具を混ぜていろんな色にするように愉しめるんです。

 長距離バスで移動していると、各所で、どこまでも続くオリーブの丘の牧歌的な景色が広がっていました。マドリッドで食べたピンチョスについてたオリーブの味が青青しくオイリーですごく美味しかった、あのオリーブもこういうところで育ったんだろうなぁと思いました。

 コルドバからグラナダに移動するバスで、中国人の男の子と隣り合わせました。「こんにちは、どこまでいくの?」「グラナダだよ。旅行ではないよ、僕はグラナダに住んでるんだ」自分や他のアジアの子たちみたいなバッグパッカーではなさそう、大きな荷物も持っていない。「そうなのね、中国に帰らないの?」彼は話してくれました。今でもすごく心に残っているお話です。
「僕たち家族は中国を出てきたんだ、中国は広い、僕の故郷にいても仕事(ビジネス)がないからね。外に出ていけるお金やコネクションがあれば僕たちは外に出て、行き着いた国で生きるよ、そのほうがずっといい」

 世界中にチャイナタウンがあることの意味を、彼の話から初めて理解しました。チャイナタウンに住む人たち、母国を捨てて新天地で生きる彼らの力強さは、豊かに生きていこうとする強い意志だと、私は思います。押しが強い人が多い気がするのも、わかった気がしました。
「そうだったんだ、知らなかった。教えてくれてありがとう」あの時の私、彼にそう伝えていたらいいなぁ。異国で出会う人たちとのコミュニケーションは、異国への理解を高めてくれます。だから、旅が好きです。

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 今ではすっかりスパイスの使い方も慣れてきました。「我が家のミックススパイス」のレシピを紹介します。いわゆるカレー粉みたいな感じですが、料理によってプラススパイスできるように種類は6種類のみ。エキゾチックな香りが私好みのクミンが多め、辛いのが苦手な旦那さんのためにカイエンペッパーは少なめです。作りやすいよう、全てパウダータイプを使います。
 これを参考に、あなたもぜひお好きな調合で試してみてくださいね。

【材料】クミン24g、コリアンダー24g、ターメリック10g、ガラムマサラ10g、カイエンペッパー6g、クローブ6g

【作り方】①フライパンに材料を全部入れて、焦がさないように香りが立つまで炒る。終わり。
※スパイスの調達は上野アメ横にある「大津屋」さんでするのが好きです。

 今日も、最後まで読んでいただきありがとうございます。世界は広いです、ほんとうに。インターネットや本でもじゅうぶんに旅はできますが、リアリティの感動の味を知ってしまっているからねぇ。自由に空の旅ができる世の中になりますように。

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