藤枝 瀬里子
話し手/山田 絵美 さん<後半>
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話し手/山田 絵美 さん<後半>

藤枝 瀬里子

前半では山田さんのお店『苺いち絵』のこと、ハンドメイドのこと、着物のことを中心にまとめました。
後半は、ハンドメイドから少し離れて、山田さんの富山での暮らしや農業のお話、山田さんの好きな本のこと、これからのことなどを中心に掲載します。

(聞き手/藤枝瀬里子)

ーハンドメイドからいったん離れて、山田さんの暮らしについてお伺いしてみたいです。
ー農業もされているんですよね?

(山田)
私の住んでいる地域は、お米・大豆・大麦・梨・桃などを作っていて、農業中心の地域なんです。農作業があるときは、手が空いている人はお手伝いに行くんです。私自身が農業をやっているわけではないのですが、土日祝日が図書館がお休みなので、農期にはお手伝いをしています。

(山田)
農業って可愛いんです。
種をまいて目が出て育っていく過程を見ていると、作物って可愛いなと思います。
トラクターやドローンの免許も取りました。
これまでヘリコプターで農薬散布をしていたのですが、ヘリコプター一台飛ばすのは大変で!予約が詰まっているから雨でも風が強くてもキャンセルができないので、雨の日とか、効果がどれくらいあるかわからないのに散布しないといけないんです。
ドローンを使用するようになって、自分たちの目で作物の成長具合やお天気を見ながら最適なタイミングで散布できるようになり、収穫量が増えたんです。
手をかけただけそうやって着実に育ってくれて、やりがいがあるし農業って楽しいなと思います。

田園風景

ー富山にはいつからいらっしゃるんですか?

(山田)
私はもともと宮崎出身で、九州なんです。大学からこちらに来ました。
富山には約30年ほど住んでいます。農業の盛んな現在の地域には17年ほど。

(藤枝)
山田さんのお住まいの地域はどんなところですか?
Instagramなどで風景を投稿されていて、素敵だなと思っていました。

(山田)
田園に囲まれていて、少し行ったら丘のような山があって、海も近くにある地域です。自然が身近にあります。
富山の人は、外から来た人を「旅の人」っていうんです。
だから私は旅の人。
地元の人に可愛がってもらうことを「水をもらう」というんです。
リスペクトしあって助け合ったら、地元の人も旅の人も良い関係が気付けます。今はそんな風に周りの方たちに助けてもらったり、お手伝いをしたりしながら過ごしています。

山田さんが暮らす富山の風景

ーこだわった生活をされているイメージがあります。

(山田)
そんなこともないんですけど、自分で作れるなら作りたいなと思っています。私の住んでいる富山の環境がそうかもしれませんね。
ご近所の方に山菜をもらって、山菜料理の作り方を教えてもらって作ったら本当に感動するほど美味しいとか。
今日釣った魚を今日食べる贅沢とか。
家庭菜園も、不揃いだしそんなにきれいなものができるわけじゃないけど、とってすぐ食べられるおいしさとか。
手間はかかるけど、手間がかかった分だけおいしいし、
旬のものを採れたてでいただくおいしさ。
そういう環境なんです。

苺いち絵のサイトには山田さんの丁寧な暮らしが綴られています
https://ichi5ichie.net/blog/

ー山田さんが活動を通して伝えていきたいことを教えてください。

(山田)
物があふれている中で、昔から残っているもののよさを感じてもらえたらいいなと思います。
どんどん新しいものが出てきて、新しいものに触れることも楽しい。
昔から続いているもの、残っているものは触れることで心が豊かになると思っています。作り手の気持ちが込められた、その熱量を感じられることはとても幸せなこと。
本にしても電子図書も便利だけど、紙をめくるときの感覚だとか、紙の質感だとか。色々な人の手が入って出来上がったものの重みみたいなものを感じてもらえたら嬉しいです。
安くて手に入りやすい服をクローゼットにずらっとたくさん持つことも楽しいけれど、私は自分の体に本当にフィットするものをひとつ持っていたらいいかなと思います。その幸せな気持ちを伝えたいです。

山田さんのこれからの目標を教えてください。

(山田)
作ることが本当に好きなんです。前はそんなに欲がなかったんですが、今は欲を言えばずーっと作っていたい。
農業も図書館の仕事も楽しいですが、やっぱり作ることが好きで手を動かすことが好きです。
一つの作品を作り終えたとき寂しい気持ちになるんです。終わっちゃったな―と思って。出来上がってお渡しして喜んでもらえると本当に嬉しく思いますが、ちょっとロスになります。写真くらいとっておけばよかったなとか(笑)。
作っている時間、プロセスが本当に楽しいんです。
途中悩んだり、裁断には毎回緊張するんですけどね。

プライベートな夢もお聞きしていいでしょうか?

(山田)
自分の知らない、誰も私のことを知らない、言葉も通じないところで刺激を受けてみたいです。ドキドキしたい。
スペインとかイタリアの田舎町に行ってみたいです。
前に本で読んだのですが、ヨーロッパの田舎町って自給自足率が高いんです。おじいちゃんが作ったワインを飲んで、3年前に仕込んだチーズを食べてみたいな。
そんな生活、憧れます。

(藤枝)
山田さんがヨーロッパの田舎町で地元の方に可愛がられているところが想像できます!

本は昔からお好きでしたか?

(山田)
幼少期に過ごしたところは田舎だったから近くに本屋さんがなくて、本は貴重でした。だからとても大切にしていて、こどもの頃から好きでしたね。

ー山田さんのおすすめの本を教えてください。

(山田)
ミヒャエル・エンデ『モモ』
樫木祐人『ハクメイとミコチ』

どちらの物語も主人公がとても丁寧な生き方をしています。
モモは時間をとても大事にしているし、瞬間瞬間を丁寧に丁寧に伝えているところが好きです。
ハクメイとミコチは、今私が大事にしている手作りの世界と通ずるものがあります。

(藤枝)
私も『モモ』は小学生の頃にはじめて買って、何度か引っ越しをしましたがまだ持っています。最初に読んだときには全然わからなくて、それからも何度か読んだのですがわからなかったから、わからないなと思いながらずっと手放せなくて、大人になって読んだら「うわー、こんな物語だったの!」と思って。久しぶりにまた読みたいです。『ハクメイとミコチ』は知らなかったですが、読んでみたいです!

最後にキモノヤーンへの要望がありましたらぜひ!

(山田)
この生地で、この幅で、というオーダーでキモノヤーンを作って頂きたいです。

(藤枝)
ぜひオーダーお待ちしています!
今日は本当にありがとうございました。山田さんとの会話が楽しくて、もっと山田さんのことを知りたくなりハンドメイドと全く関係のないことまでたくさん聞いてしまいました。

インタビュー中、「楽しい!」という言葉が山田さんから何度も何度も出てきて、日々に楽しいことをたくさん見つけて丁寧に生活されているんだなと感じました。自分の手の中にあるものを大事に慈しみながら、日々の暮らしを楽しまれている姿に憧れます。一朝一夕でできることではありませんが、私も少しずつ日々を見直していきたいなと思った山田さんとのおしゃべりでした。本当にありがとうございました。


山田恵美
Instagram
アカウント:emi_y0410
ショップ名:苺いち絵
WEB
サイト:苺いち絵

山田恵美さん
(富山県)
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藤枝 瀬里子
kimonoyarnのプランナーとして活動しています。kimonoyarnは、着物をアップサイクルして作った糸。 着物のことや、編み物のこと、kimonoyarnを通してあった日々の出来ごとなど書き留めたり、 使てくださっている皆さんへのインタビュー等を掲載していきます。