(タイトル未定)告白水平線から

今年で17になる大畑花火には、そろそろ「大学」という言葉が現実味を帯びてくるころだ。そうなると自分の先を見据えなければいけなくなっても来る。
海の香りが吹き込む教室で、花火は『進路希望調査』と書かれたA4紙と向き合っていた。

「高校2年の夏休みまで、あと1週間もない。この夏からかなり大学入試の対策も本格化してくるからな~」

教壇でのんきそうに担任の平野が言う。
この海辺の高校の大学進学率は高くない。毎年1学年60人程度から、この特進クラスのうちの約半分、10名だけだから、教師も大学入試に関して都市部よりも緊張感は薄いというわけだ。残り50名の生徒は皆、この海辺の町か、すこし北東に行った町で就職してしまう。

シャーペンの頭を唇に持ってくる。唇に一瞬だけひやっとした感覚。

「提出は終業式後のHRだからな~」
チャイムが鳴るのと同時に平野がそう言って、高2の夏休みまでのあと一週間が始まった。
窓から吹き込む潮風の香りと、少しだけ制汗剤の香りが混じった、みんなの気配と体温を感じるこの安全な部屋から、いつかそう遠くない未来で花火も追い出されてしまうらしい。



一体どのくらいの分量になるのか自分でも分からないです😂
noteは継続したいので、細々あげます✋

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