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彼女が着物を「着ない」理由

今回は、フリーランスでPR&マネージメント業務を行う宇田川佳子さん。
さまざまな職種の女性ランナーが集まり、ランニングを通して、毎日を豊かにするアイデアを発信している一般社団法人ランガール(RunGirl)の代表も務めています。
かれこれ20年近くの付き合いですが、バイタリティ溢れる魅力的な女性だと、会うたびに感じる友人のひとりです。

実は彼女、まったく着物を着ません。

でもそれも「着物のリアルクローズ」ではと感じ、彼女に「着ない」理由を教えてもらいました。

着物を「着ない」理由

「着物を着たのは人生で、自分の七五三と成人式、長女3歳・長男5歳の七五三と友人の結婚式だけ。最近、着物は素敵だなと思い始めてはいるのですが、今はまだ子供が小さいので物理的に着られません。トマトソースで口のまわりが真っ赤でもおかまいなしに「抱っこ〜」と言ってきますから」(佳子さん)

彼女は未就学児も抱える3児のお母さんなのです。

「とにかく育児と日々の生活で忙しくて。着物を着る、片付ける、きちんと保管する、という一連の作業をやり遂げる自信がまだありません」(佳子さん)

それでも最近、着たいという気持ちが湧き上がっていた佳子さん。昨年の七五三で着物をレンタルすることにしました。しかも家族総出!

着物を着ない彼女が、着物を「着た」日

「長女と次男の七五三だったので、これは着物を着られるチャンス!と。私と子ども二人が着るのだから、せっかくなので家族全員で着物を着ることにしました」(佳子さん)

そして迎えた当日。子どもの機嫌は山の天気よりも変わりやすく、ニコニコとしていたと思っていたら、飽きた、疲れたと不機嫌にも。しまいには兄弟喧嘩も始まって……。当日は朝から準備で大騒ぎだったそうです。

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我が娘の着物を着てくれました。くっきりとした目鼻立ちの彼女の娘さんに、コントラストのはっきりとしたヴィンテージの着物がとてもよく似合っていました。

準備を終えて神社へ。無事に家族全員が着物でお祝いをすることができました。

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夫の正樹さんもこの日は和装姿で。「彼には絶対に袴が似合うと思っていたので念願が叶いました(笑)」

着物を着ない彼女が、着物の力を感じた日

彼女は着物を選んでよかったと話してくれました。

「長男は七五三とは関係のない年齢でしたが、家族全員で着物が着られて、本当にいい記念になりました。私くらいの年齢が、こういったオケージョンでワンピースやスーツを着るとなると、素材、デザインなど、かなり気を配ります。でも着物は着るだけで、私を引き上げてくれました。美しい色や柄、刺繍、そして絹の温もり……。
今回は着物が持っているフォーマルの力に助けられたと感じました」(佳子さん)

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「KIMONOBLE RENTAL」で、数ある中から彼女が選んだ装いは、淡いグリーンの地に四季の草花が描かれた訪問着に、華やかなゴールドの丸紋の袋帯。「子供達の七五三のお祝いなので、主役を邪魔せず、地味になりすぎない着物にしました。帯は大好きなゴールドにしました」

この日、着物を着たことで、流行に左右されないオーセンティックな美しさを実感したといいます。

けれど自分で着物を着られないこと、お手入れが大変なこと、幼い子供がいること……。今すぐには、日常に着物を取り入れることができそうにないと話してくれました。

「私にいつか物理的にも精神的にも余裕が生まれたら、着物のおしゃれを楽しみたいです。人生の少し先の楽しみに取っておきます」(佳子さん)

大騒ぎだった準備、その後の晴れやかな笑顔、成長を祈るための親としての想い、着物をまとった幸せ……。家族みんなで着物を着た七五三の思い出が、彼女が着物を着る“いつか”につながっているかもしれません。

着物姿の彼女もこんなにも美しいのですから。

写真/大島りんご

着付け/工藤満美(@mamikudo

着物レンタル/KIMONOBLE RENTAL

Personal data:06
宇田川佳子さん(46歳/フリーランスPR&マネージメント
一般社団法人ランガール 代表)
RunGirl
ハーストトレーナープロジェクト
Instagram:@uda445gogo









「着物リアルクローズ」取材時の交通費などに充てさせていただきたいと思います。もしご興味を持っていただき、サポートしていただけたらうれしいです。どうぞ宜しくお願い申し上げます。