見出し画像

浴衣の現在地 -ROBE JAPONICA の予約会にて-

着物をほとんど着たことがない人でも、旅館などで袖を通す機会があるのが浴衣。着物の中でも、最もハードルが低いのが浴衣と言っても過言ではありません。

ところが、コロナの影響で2020年から祭りや花火大会が軒並み中止となり、着物販売店や呉服屋さんは大きな打撃を受けているのだそう(たしかに稼ぎどきですものね…)。

そんな不景気な話を吹き飛ばすように、2021年に続き大量の新作を発表するという着物ブランド「ROBE JAPONICA(ローブジャポニカ)」の先行予約会(会?なのか?)に行って参りました。


ROBE JAPONICAとは

ローブジャポニカ、略してロージャポは、2015年に設立された着物ブランド。「『きもの』より『おしゃれ』が好きだ」をテーマに、メンズの着物を中心に展開しています。

まず着物という絶滅危惧種的なジャンルで、そのうえメンズメインという珍しい立ち位置に驚きますが、最大の特徴は大胆なテキスタイル。なぜ、あのような「ナニがどうしてこうなった?(←褒めてる)」みたいな柄が描けるのでしょうか。

デザイナーのウエオカタローさんは、元・新聞記者。デスクまで務めたものの一念発起し、美大に入って絵を学んだとのこと。

さらにその合間にAdobeのスクールにも通いながら、さらに着物を生産してくれる業者を探し(タウンページを駆使したとか)、40代でブランドを立ち上げたのだそう。

えっと、様々なタスクを同時にこなしながら会社をローンチするのは、社会人としての経験があってのなせる技ですし、そして何かを始めるにあたり、年齢は関係ないというのも、心打たれませんか?(ワタシはめっちゃ打たれます)。

さらに脳内に広がる世界を文章だけでなく、絵でアウトプットできるというのは、絵が描けないワタシからすると「マジすげえ」でしかありません。

そんなロージャポ浴衣にすっかり虜になったワタシは、一昨年から「いちまいぃ〜にまいぃ〜」と少しずつ買い集めては、夏を楽しんできました。

さらに自分が着るだけでは飽き足らず、昨年夏はロージャポ浴衣で作品撮りまで決行。

photo_Yuri Yasuda hair&make_KAORI(ANTI) model_asaco styling&direction_KIRACO

皆さま、未だかつて食虫植物とワオキツネザルの浴衣を見たことがありますでしょうか!(朝顔でも金魚でもないんですよ!)

ああ…つい興奮してしまいました。今回はそんなロージャポさまの2022浴衣を見に行った話をするのでした……。


さぁ、店内へ!

原宿とんちゃん通りにある店舗に到着。今季もヤバそうです!

まずチェックしたのは、発表会以前にSNSで見ていた「緑の野菜柄」。

写実的な野菜、しかもグリーンの珍しい野菜が描かれています。ベースの色は蛍光みのある黄緑で、それも珍しい感じ。

2枚目は、ザ・原宿なグラフィティ柄。

よく見ると1回スプレーで消した上に、さらにタギングしているという柄だそうです(そのこだわりが好き)。

さらに、もはやナニがどうなってこの柄か分からない謎柄のこちら。

みかんと葉っぱと…なんだろう。色柄がこんなにゴチャゴチャしているのに、なぜかまとまりを感じる…。

その他にもたくさん試着したのですが現場では決めきれず、今もまだ脳内選挙が繰り広げられています。SNSで聞いてみたところ、今のところ謎柄の人気が高いです。


ワタシのオーダーが何になったかは後日ご報告するとして、浴衣の固定概念を覆す、個性的(という言い方は好まないけど)なデザインの浴衣がある、ということを今回はお伝えできれば幸いです。

そうそう最近、ロージャポはベアブリックともコラボしたんですって!

フィギュアのほかにキモノガウンやポーチなどもあるそう。


「着物=呉服or行事」ではなく、毎日のおしゃれのひとつに、こういうアイテムがある、そんな「きもの現在地」。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?