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【YCP】プロジェクト事例:P&Gのノウハウを活用したブランドコックピット指標について

こんにちは。絶賛新卒サマージョブ中のYCP人事の岩田です。
そして本日(8/22)でYCPは10周年を迎えました。YCPの今後に関してはまた別の記事で改めてご報告できたらいいなと思っております。


今回はサマージョブ(第二ターム)でコンサルティング講座を担当しました朝倉の記事を紹介します。
重ね重ね申し上げますが、あくまで社内向けの日報から引用しているためラフな言葉遣いと内容になっていることをご了承ください。

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(サマージョブでの授業風景:成長戦略とは)

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現在某企業のPJの一貫で、P&Gのノウハウを活用したブランド管理のダッシュボードであるブランドコックピット指標作成を推進しています。

ご参考までに背景にある考え方と具体的な指標について、私自身の理解の確認も含めてご紹介したいと思います。

指標は「1.Brand Health」「2.Product offer」「3.Distribution」「4.Price & Business Model」の4つに分かれ、1.Brand Healthは主に認知率を、2.Product offerは商品の品質やパッケージ、3.Distributionは配架率、4.Price & Business Modelは価格や収益性を見ています。

こちらの背景には売上=認知率×Preference×配架率×単価の考え方があり、
認知率は、商品購入時に対象ブランドが購入の選択肢にあがる確率、
Preferenceは、選択肢に上がったブランドの中から選ばれ購入が希望・選好される確率、配架率は、選好された際に商品が手に入る率、
とされています。

詳細は「確率論思考の戦略論」に詳しいので参照ください。
USJ躍進のマーケティング面での立役者とされるP&G出身の森岡さんという方の著書になります。
https://www.amazon.co.jp/%E7%A2%BA%E7%8E%87%E6%80%9D%E8%80%83%E3%81%AE%E6%88%A6%E7%95%A5%E8%AB%96-USJ%E3%81%A7%E3%82%82%E5%AE%9F%E8%A8%BC%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%9F%E6%95%B0%E5%AD%A6%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%B1%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%81%AE%E5%8A%9B-%E6%A3%AE%E5%B2%A1-%E6%AF%85/dp/4041041422/ref=sr_1_1?dchild=1&keywords=%E7%A2%BA%E7%8E%87%E6%80%9D%E8%80%83%E3%81%AE%E6%88%A6%E7%95%A5%E8%AB%96&qid=1627824176&s=books&sr=1-1

1.Brand Health


Aided Awareness に加えて、世帯浸透率や広告想起率、GRP pressure(出向期間中の合計GRP/出稿延べ週数)、SOV(Share of Voice=出稿金額/業界全体の出稿金額)等の指標が取り扱われ、
ブランドの認知率に加えて、特にテレビ広告の生産性指標が並びます。
元々の考え方がマスセグメントの日用品のブランド管理を中心としていたため、TVにフォーカスがあたっており、クライアント社のターゲットであるマスより少し上のセグメントのブランドに当てはまるか、中国をはじめとする認知率に対するテレビ広告の影響度が低下している場合にどのような指標を取得すべきかは要検討なのだと思います。

2.Product offer


Product Quality(ブラインドテストによるブランド効果を除いた商品品質の評価)に加えて、パッケージの評価としてパッケージによるブランド認知率、Navigation(棚で商品を発見するまでの時間)、Delivering positiononing(パッケージのブランドメッセージの伝達率)、さらには新商品開発サイクルの代理指標として、売上に占める2年以内に発売されたSKUの売上割合などが掲載されています。

3.Distribution


おそらく一番なじみがない領域かと思いますが、オフラインの小売店の棚をどれだけ抑えれられているか=消費者が商品を手に入れる機会をどの程度提供できているかを、オフラインの店舗と棚のカバレッジの観点から指標が設計されています。
具体的にはA.SOS(Share of Shelf、ブランドのSKU数/標準棚割りの全体のSKU数)、B.Weighted Disribution(小売店のカバレッジ、後述)、C.Share of Promotion(定番棚におけるブランドのSKU数/定番棚のSKU
SKU数、D.Share of Display(定番外棚のブランドのSKU数/定番外棚のSKU数)の4つの指標となっています。

Aで十分なSKU数を販売できているか、Bで小売店のカバレッジ、CとDで棚のカバレッジをみています。
こちらもオンラインへの対応は課題なのだと思っており、代理指標はリサーチ中です。

*Weighted Disributionは、あるエリアの小売店について、Distribution=当該ブランドの販売している店舗数/当該カテゴリを販売している店舗数に対して、店舗の売上金額で加重を掛けた数値になります。
具体的な計算方法は下記URLを参照ください。
https://www.ashokcharan.com/Marketing-Analytics/~rt-numeric-and-weighted-distribution.php

ドラッグストアの店舗見学に行くと、店によりブランドの棚割りは大きく異なることに気づきます。販促グッズや販売協力金、もしくは棚替えの人の提供などで、実際の店舗の棚割りが大きく変わるようです。

4.Price & Business Model


主に価格や原価率の指標を扱っていますが、
特に重要な指標として、magic price points(売れ筋3SKUの実売平均価格)やDisrtribution of hero skus(売れ筋商品のWeighted Distribution)が挙げられます。
日用品のブランド管理がベースとなっているため価格の比較の項目があり、
また棚割りのための商品を販売する前提から重点商品の配架を確認する指標が入っていると理解しています。


また調査手法について、YCPでは主に消費者調査といえばオンラインサーベイが主流ですが、インテージやニールセンが提供するパネル調査(=調査会社が保有するパネラーについて継続的に購買データを取得しデータベース化した調査)があり、消費者をモニターする消費者パネル調査と、小売店のPOSデータや実店舗調査をベースとする小売店パネル調査に分けられます。

実際の取得には詳細な調査設計や定義が必要となり、それなりの費用がかかること、さらには取得するだけでなく運用と活用が前提と思いますので、
マスティージ商品とオンラインへの対応を踏まえてどこまで実装するかが本PJの肝となります。

以上です。

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新卒生も中途生も入社後実施されるYCP Academyという研修や月に2回実施しているPJでの事例を用いた講習で継続的に学習できる機会がありますのでぜひ貪欲に学んで頂ければと思います。


最後に、第一タームでのサマージョブの風景を少しご紹介したいと思います。

両チームでの最終発表の様子です。
この時のお題は「ミルボン社の売上向上施策」でした。

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パートナー陣からの辛い突っ込みにもしっかり応えていて頼もしい。

サマージョブを通して少しでもコンサルティングワークのやりがい、楽しさを見出せて頂けたのであれば幸甚です。


打ち上げはケータリングしてオフィスにて。
いつもは六本木や麻布で会食していたのに今年はほんとごめんなさい。。
入社頂くときには改めてご招待したいなと思っています。

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完全に私の趣味嗜好が反映されたセレクト。
シャンパンの中でもG.H MUMMが個人的に好きで。
3日間私も頑張ったから許して。笑


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ご参加頂いた学生の皆さま本当にお疲れ様でした。
ありがとうございました・・・!



中途採用積極募集中

最後になりますが、現在中途入社につきまして猛烈に新しいメンバーを募集しています。

弊社の選考を希望頂く方はHPのお問合せ経由ですと確認まで少しタイムラグが発生するため下記アドレスまで職歴書を添付の上ご連絡下さいますと幸いです。なるべくすぐ確認し、レスポンス致します。
どうかどうか少しでも迷われてる方はご連絡ください!

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