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旅はドラマである1

My Sabbatical Journal 15 渡航1

2024/4/18 05:55

 旅はドラマである。「旅する暮らし」というテーマを掲げ、いざ出陣という出先からドラマは起きる。いや〜ぁ、だから旅は楽しい。人生と同じく先が読めない。

 深夜12時を過ぎた時間に飛行機は出発する。私にとっては1年半ぶりのエミレーツ航空での旅である。行先はアムステルダムだが、1月に他の航空チケットよりも破格の値段の1年オープン券を購入でき、かなり満足している。チケットを検索している数日間に円安が進み6500円程度が値上がりし、二人で13000円を余計に(?)払う羽目になったことは痛手だが、それでもこの御時世ではかなり破格の16万円ちょいで一人あたりの往復券を落手できた。

 海外暮らしは荷物がかさばる。何度も何度も熟考し、詰め直し、ギリギリの重さで空港に。

 中東情勢も気になるが、スマホにドバイに雨が降ったという記事がポップアップした。

 砂漠のドバイに?と思いつつも忙しくて記事をクリックすることはなかった。トランジットの人間に雨は無縁だ。

 チェックインもオンラインで済ませ、荷物さえ超過料金が求められなければすべてが完璧。空港へのアクセスもDD初利用で割引まできいた。運転手さんとの会話も弾む。空港に到着するや否やエミレーツ航空のカウンターへ。時刻は夜10時手前。

 キオスクがout of serviceと書かれている。乗客たちがみんなスマホで何かを検索している。

 間もなく驚きの声が耳に入った。

Flight is cancelled.

  #$&?!5_-/;"*&5@ !?!?!?!?

 脳内でスローモーションが起きた。

 ヤバい! 

 すぐさまスタッフに問いかける。

  フライトがキャンセルになったと。何故だ?という問い詰めに大雨でそもそも飛行機が飛んでいないのだと。

 メール上ではチェックインがスムーズに済み、フライトまでの残り時間を教えてきたではないか。そんなんだったら自宅で対応もできたはずだ! と思ってしまい、つい私の声は多少語気を強める。自然災害を盾にこのスタッフは申し訳そうなフリもしない。完全他人事。腹立たしい!

 どうするべきか。

 しばらくあの人この人に聞きまわり、同時に現地でのホテルをキャンセルし、明日のアポイントメントを延期するお詫びメールを入れる。

 その時になってドバイの大雨ニュースを思い出す。それにしてもエミレーツからは未だなんの連絡も届かない。別のグラウンドクルーと話してみたら、プール状態の、いや完全に街も空港も浸水している映像をみせてくれた。これはー。数日はかかる。別便で行こう!

 二人で検索が始まった。明日のアポイントメントは仕方ないにせよ、いつまでこの状態が続くかわからぬままの仕切り直しは痛手だ。

 長いプロセスは割愛するが、結局、欧州の航空会社を利用し、翌朝10時台に出発するチケットを買い直した。エミレーツのあるスタッフによれば全額かどうかは即答できないがパッセンジャーに最大の便宜を図る努力は惜しまないだろうと。オイルマネーの懐を信じてみよう。

 時間はすでに深夜1時を回っている。羽田で一夜を雑魚寝状態で過ごし、これからいざ出発。不幸中の幸いはもとの到着時間より100分程度しか遅れが生じず、なんとか住処の鍵を金曜日の午後に受け取れそうだ。

 ホテルをキャンセルできたことが今度は仇となる。同じ条件の宿がない。どれもが円安にひびく価格である。

 次の仕事はエミレーツの払い戻し交渉。うまくいくことを願うばかりだ。
 
 ドンマイドンマイ。旅する暮らしは羽田で一夜を過ごすドラマから始まった。

 そしてヨーロッパ系のチケットで出国ゲートまでなんとかたどり着く。

 つづく。

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