信念/観念の「一般化」

アルフレッド・コージブスキーの引用、「人間がある経験から超越、または分離することができるかのごとく振る舞っている」ということに、さらに付けくわえてみたい。

わたしたちが地図(マップ)をつくっているときはまさしくそれをしているわけだが、コージブスキーは、信念/観念の性質について、大変興味深い考え方を示している。

その答えは、信念/観念とは、「一般化」である、ということだ。

本来はあいまいな一次的体験(プライマリー・レベル)のできごとを、ある信念/観念のなかで特定して固定していくことは、その時点でほかの選択を排除し、一般的な概念のひとつへと選択を固定化する「一般化」がなされている、ということである。

わたしたちは、何が現実なのかがわからないのに、信念/観念をつくりあげているのである。

そもそも、それよりも前に、わたしたちが何が現実かを知っている、と思っている、という前提に立っているのである。

そして、わたしたちは何が現実かを知っているかのように振る舞っている。

私たちは何が善で何が悪であるとか、何がプラスで何がマイナスかと言っているときに、何かに関して「本質を知っているかのように振る舞っている」のである。

言い換えると、「人は意味を知りたくてしかたがない」。どうしても意味を追求したがる傾向がある

わたしたちが理解できないことに出会ったとき、その意味を分かろうとするために、そこになんらかの「秩序」が存在するかのようにするために「一般化」を行う。

わたしたちはいくつかの一般的な考えの中から一つを選んで「一般化」を行う。

そういう意味で信念/観念の「一般化」とは人工的・恣意的なものである。

信念/観念の一般化は、ひとつの「可能性」を示す宣言に過ぎない、もしくはまだ作業中の「仮説」である、と思っている。

ある出来事に関連したいくつかの体験に基づいて、人はその事柄に関する一般化を行う。

「一般化」とは、その文脈/状況における「振る舞い」を生み出すためのマップ、もしくは「テンプレート(鋳型)」をつくる、ということにほかなら ない。

つまり、わたしたちは信念/観念をつくらなければ経験の世界の中を動いていくことができないのである。

◆参考文献:クリスティーナ・ホール博士の言葉を変えると、人生が変わる NLPの言葉の使い方 2009 ~信念/観念と現実 より
クリスティーナ・ホール博士(Christina Hall Ph.D)
1978年、NLP開発者であるリチャード・バンドラー氏らによって設立された世界で最も歴史の長いNLP協会、The Society of NLPの現理事長。心理学・神経意味論言語学の博士号保持。
「究極の言葉の魔術師であり、NLPの発展に終わりがないことを証明し続ける人。NLPについて彼女に教えたことより、彼女から教わったことの方が多いと言えるだろう」By リチャード・バンドラー(NLP開発者)


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