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【閲覧注意!イラスト添削で思うこと】イラスト上達の道しるべ【裏その1】

今回はイラスト界の闇の部分に焦点を当てますので「裏」となります。少々見るのがお辛い方もいらっしゃるかもしれませんのでご注意下さいませ。



イラストを本当に早く上達させるには


イラスト上達の道しるべ(裏)バージョンでございます。この裏の方では普段あまり公で申し上げるのが憚られることや、読者が傷付いてしまう可能性のあるような少し厳しめの内容をお伝え致します。

お心に余裕がない方やイラストをご趣味で楽しまれている方は御覧にならにようにお願い申し上げます。読まれる際は自己責任でお願い致します。

逆に言えば、やる気に満ちたイラストレーター(予備軍含む)にはとても有益な内容でございますので、ぜひお覚悟の上お読み下さいませ。

皆さまはさいとうなおき先生や焼まゆる先生などのユーチューブ添削動画は御覧になったことはございますか?無料でこんな著名な先生方にご添削頂けるなんて、良い時代になったものでございます。

他にもClass101やパルミーなど家に居ながらにして専門学校と同等レベルの勉強ができる教材サイト様などもございます。よりどりみどりでございますね!

かく言うわたくしも色々なものを拝見しては学びを得ております。とても分かりやすくて先生方の深い観察力や高い技術には尊敬の念を禁じえません。

今回の記事はそういった添削動画やパルミーなどの教材を否定するものではございません。大変役立つ良いものだと認識しております。

問題なのはわたくし達、受ける側の思考や行動にございます。

添削や教材は生温い?

YouTubeなどの配信ではコンプライアンスの厳守から卑猥な表現や一般的に宜しくないお言葉は配信できなくなっております。ですので、どうしても言葉選びや表現に制限が出て参ります。

また、そういった配信をされている方ご本人もイメージ戦略というものがございます。ご自身のイメージダウンになるようなことは公では致しません。なので必然的に視聴者ファーストの配信となって参ります。

教材もそうでございます。ネット教材の良いところは多くの方に一度に宣伝でき、且つ購入のハードルが低くて売りやすいところです。ネットビジネスを齧っておりますと、やはりこのようなネットでの販売は実販より簡単で売りやすいと思います。

ですが、多くの人に見て頂くということは批判的な意見やアンチも生まれやすく、不特定多数にアプローチするので目を引かないとスルーされてしまう可能性が高いです。皆さまもネット広告がニュッと出て参りましたらすぐスワイプ致しませんか?そこで興味を持って頂くにはかなりインパクトがあり良いものだ!と思わせる技術が必要です。

そこで耳障りの良い内容を広告塔と致します。実際内容もそれに伴っていませんと詐欺だなんだと言われますので、そうなるよう作成されます。そうしますと「簡単に」「誰でも」「才能を伸ばせる」というような夢見がちな内容になり、希望を持たせるのは良いのですが広げた風呂敷の仕舞い方が疎かになるのでございます。

このように、配信されている又は売っている教材は学ぶ側が「クライアント」でございますれば、ある程度媚びなければならない構図になり、「厳しいことも言います!」とおっしゃっていても非常にオブラートに包んでさらに糖衣でコーティングしてからチョコの中に入れた感じのスイーツな内容になってしまうのでございます。

添削するにもまず「ここはとても良い!これもできてる!努力されているのがわかる!」とお弁建てして、何故か悪い部分を指摘する時には低姿勢に謝ったりしつつ「これでも良いけれどこうした方が宜しいかと存じますがいかが?」といったフルコーティングの言い回しでお伝えした後「でも今の時点でも魅力的だしすごい!神絵師まであとちょっとだね☆」みたいに締め括られます。

本気で上手くなりたい!厳しくても良いからダメなところや出来ない部分を教えてほしい!そう思っていらっしゃる方には悲報となりますが、その願いは「クライアント」である以上は叶わぬ夢となります。

では、どうすれば良いか、ご一緒に考えて参りましょう。

厳しい意見を聞きたいなら仕事をする

「クライアント」ではスイーツな教えしか享受できないのでしたら、もっと直接的におっしゃって下さる先生なりを探すしかございません。

ですが、伝手で見つけてもお知り合いですとやはり遠慮が生まれますし、コンサル的なものもお金を払っているので結局はこちらをヨイショしてやっている感を出すようなものが多いと思われます。(勿論ちゃんとしたところもございますが見付けるのは困難を極めます。)

「どうしたらちゃんとした忖度のない意見が聞けるんだ・・・!」

それを渇望しているあなた様、手っ取り早くて確実なうえにお金がかからないどころか儲かりもする素晴らしい方法がございます。それは「仕事をする」でございます。

「クライアント」というお客様の立場では忖度なしのご意見は伺えませんが、仕事は相手がクライアント様でございますれば、立場が逆転して参ります。

イラストレーター又はそれを目指しているのであれば、まずは商業のお仕事を探しましょう。そうすればイラストのクオリティについてこれでもかと言うくらい激辛コメントを頂けることも期待できます。

お仕事を探してポートフォリオを送ったり、ランサーズ的なところの募集に応募したりして、1件もお仕事を取れなかった場合は残念ですがあなた様の絵は現状お金を払って描いてもらいたいものではない、ということでございます。

その場合は添削や教材云々以前の問題で、ただ絵のクオリティが低いか、マーケティング能力が著しく無いかです。また、一日何十時間も描いているのに上手くならないのでしたら才能が無かったか練習方法が悪いので見直すべきでしょう。絵が上手くなくとも漫画家ならストーリーで戦えますし、別の方向から攻めた方が有益かと存じます。

アニメの現場は人手が常に不足しておりますので、どこのスタジオでも良いので飛び込んでみるのもよいかもしれません。すぐに辞める人が非常に多い過酷なお仕事ですが、1年も踏ん張れば画力はかなり上がります。

このように何としても絵の仕事を見つけて実際にお仕事をしてみて下さい。自分の考えが如何に甘いものだったか、今までどれほど皆さまが優しく好意的にイラストを見て下さっていたのかを痛感することでしょう。

コミッションですとクライアント様が素人の方なので画力アップの期待はできません。それに皆さまお優しいのであまり厳しいことはおっしゃいませんし、トラブルになるので双方遠慮してしまいます。

今回の記事はイラスト上達の道しるべシリーズですので、そこに重点を置いてお話しております。コミッション文化も大変素晴らしいですし、わたくしは大好きなので誤解なきようお願い致します。

実録!激辛添削~きみおりの場合~

ここからは絵の仕事をして通算10年のわたくし、きみおりが実際に言われて凹んだけれど役に立ったお言葉をご披露致します。少々恥ずかしくもございますがお役に立てば幸いです。

「お前の描くメカみんなプラスチックみたい」

こちらはアニメーター時代に言われた一言でございます。メカに興味の無かったわたくしは中々格好良いメカニックの絵が描けませんでした。当時の先輩があまりに描けないわたくしの絵を評しておっしゃったのがこちらでした。今思うと「上手い!山田くん、座布団・・・」と言ったところですが、当時は凹みましてございます。

こちらは原因がその後分かりまして、メカの構造把握が上手くできなかったわたくしは同僚のプラモデルや会社にあるフィギュアを見ながら描いており、結果プラスチックを参考に描いているからプラスチックになっている、というお粗末な事実が判明致しました。

その後は実際の重機や戦闘機の本、マニアックな工場風景の本等をお金がないので図書館で借りて、実際に船を見に行ったり町中の車も失礼なくらいジロジロ拝見して、公園の遊具で鉄やステンレス製のものを触り比べたり致しました。一見して不審者でございますね。

ですがおかげ様で経年劣化した金属の風合いはこのように素敵なのだな、ですとか、重さがあるものはこうやって描くとそれっぽいな、などと考え方が根本から変わり、絵も少なくとも普通に使えるレベルにはなりました。

「描けてるけど可愛くはないよね?(意味:描き直して)」

こちらは作画監督から言われた一言でございます。原画担当になっておりましたので比較的デッサンやパースは把握できており、一応絵自体のクオリティは使えるレベルになっておりました。

動かす絵はとても楽しくエフェクトなどが得意だったこともありそういったものを多く含むカットを頂いておりましたが、まれに人物の止め絵(動かないで口パクだけするみたいなカット)も頂戴しました。

このお言葉はそんな時にヒロインを描いて自信満々に提出した際に全直しのリテイクを食らった時のものでございますね。動いてないし簡単だ、と慢心していたのかと思われます。穴があったら入りたいという心境でございます。

絵としては合っていて、デッサンも崩れてない、絵寄せも頑張っている、けど一番重要なところ「可愛らしさ」が消えていたのです。なぜでしょうか?それは正しい絵描くのに必死でビジュアル的な魅力にまで思考が届いていなかったからでございます。

イラストは敢えて崩したり、感覚で魅力的な方向へ寄せたりする必要がございます。特に絵寄せが必要なものは正しく似せて描こうとして魅力を損なうことが多々ございます。正しさも大切ですが絵の魅力を減らしてしまう正しさなら間違っていても魅力的な方が良いこともございます。

「描けないことより描けてないのに気付いてないのが問題」

こちらは新人の頃に教育担当について下さった先輩からの金言でございます。これは未だに思うのですが、描けないのは致し方ない部分もございますが、描けていないことに気付いていないというのが一番怖いのです。

絵は答えが明確にはございません。数字でいくらと出るわけでも、評価もこの成績以上などの基準はございません。ですので、間違いがなんであるかが難しいのです。自分にすらそれが分からない場面が多々ございます。

この時は確か首の骨が折れたような動画を描いてしまい、その部分に気付いていなかったわたくしはそのまま提出してリテイクが面倒くさいことになった、という記憶がございます。首の位置がズレますと、他も必然的にズレるので結局描き直した方が早いとなり迷惑がかかってしまいます。

早い段階で違和感に気付いて仕上げる前に相談すれば良かったのですが、当時のわたくしにはそれに気が付くスキルが無かったのです。先輩が見れば一目でおかしいのですが、わたくしの目には描けているように見えていたのです。

このように気付かせてもらう機会がないと絵のスキルは中々上がりません。ある程度描けるようになったら直のこと厳しいご意見を頂いて自分の不足している部分をしっかりと把握したいものでございます。

添削動画や学習教材の罠その1

さて、お仕事で劇的スキルアップ大作戦をお勧めしているのにはもう一つの理由がございます。

それは、添削してもらって、または授業を視聴して満足してしまう問題でございます。

その時はやる気に満ち溢れて、いったんは実際にやるかも知れません。添削個所を復習して描いてみたり、授業の振り返りをして描いてみたり。ですが大多数の人が続かないのでございます。

世の中才能あふれる方々がたくさんいらっしゃいますのに、わたくしのような平凡なおばさんがお仕事に困らないのは、継続してやっているからに他なりません。

添削してもらったり、授業を受けたりなどの受動的な方法では人間は堕落してしまう弱い生き物でござますれば、そういったことをきちんと続けられる方は非常に少ないのです。最初こそ学習用ノートを作ったり、クロッキー帳を買ったり致しますが、それが全ページ埋まるまで続けている方はどれほどいらっしゃるでしょう。

お仕事になりますと、それが続けられる・・・というよりやらないと衣食住に困ってしまいますので必然的にやります。今日の食事に困ったご経験はございますか?電気ガス水道が止められる順番が分かりますか?そういった状況になれば人間誰しもやるのです。やる気がどうではなく生きるためにするのでございます。

「やる気が出ない時にイラストを描く方法!」ですとか「絵の練習を継続するにはSNSに投稿しよう!」ですとか、確かにそれも役に立たない訳ではございませんが、仕事にしようとしているにしては本気度が足りないのではと思ってしまいます。

趣味で楽しむ分には何ら問題なく、そういった形で十分。むしろ趣味にそれだけ情熱をかけられるのは素晴らしい事と思います。ですが仕事にするのでしたらやる気や継続は当然あるべきで、プラスアルファの部分で勝負しなくてはなりません。

わたくしはよく「きみおりさんって寝てる?」と尋ねられます。正直あまり寝ておりません。やることが山ほどあるので寝ている暇がございません。

家事育児仕事副業さらに最近はnoteまで書いております。また資産運用もしているので株価の値動きや経済ニュースも見なくてはなりませんし、副業はイラストだけではございませんのでサブとは言え外注できない部分はわたくし自ら作業致します。

家族に多分に助けてもらっていますが、それでも一般的な人より少々忙しいかと存じます。そんな中一体どうやって絵の勉強を・・・?とお思いかもしれませんが、コミッションを受注して商業でもお仕事を頂き月に10件~15件くらいのイラストを描かせて頂いていれば勉強せずともスキルは上がります。

ですが、まだまだ未熟な部分も多いのでネット教材で勉強致しましたり、先に記載しました先生方の添削動画を拝見したり、お仕事でご指摘頂いた部分に対応できるよう勉強をしております。料理を作っていても煮込んでいる間は動画が見られますし、通勤中も音声でしたら聞けます。

こちらをお読みになって「大変だなあ」と同情下さった方、ありがとうございます。ですが、あなた様がもしイラストレーターでしたらわたくしのような人がライバルとなるのです。しかもわたくし副業でございます。本業の方はもっとイラストに特化して努力されていることでしょう。

果たしてあなた様はわたくしやプロのイラストレーターに勝てるだけ努力されていますか?ご自身がどこまでできるか、是非一度しっかりと考えてみて下さい。まだまだやれるのではないでしょうか?

添削動画や学習教材の罠その2

最後に一番の問題点を。それは、お金がかかると言うことでございます。

無料の添削動画やpixivなどの資料は本当にありがたいですね。ですが、それは大勢の人に向けて発信されているものであり、あなた様の学びたい部分ではないこともございます。添削動画も応募しても絶対に選ばれるとは限らず、また添削はいつになるか不明でございます。

そこでやはりお金を払ってでも個人的に添削、学習したいと考えます。こちらは本気であるが故にそのような思考になるのでございますが、実際に検索してみていかがでしょう?

お絵かき講座として有名な学習教材を販売されていますパルミー様の公式サイトでございます。関係ございませんがこのパルミーの公式キャラクター様めちゃくちゃ可愛らしいですよね!

料金を拝見致しますと、実際の学校に入るよりはすごくお値打ちでございますが、月におおよそ1万円もかかります。

いかがでしょう?「え、安いじゃん!やろう!」と思ったのでしたらそれでも構いません。ですがわたくしでしたら高いと思ってしまいます。まだ学生さん等で絵の勉強をされたことがない方には良いかと感じますが、多少心得がある場合はどの程度役立つ講座があるか分かりませんし、基礎から順番にやるのは非効率でございます。

だったらとskebなどで個人の方に添削を有料でお願いしますと、絵を描くのはお上手かもしれませんがその方が教えるのに長けているとは限りません。学者が皆教授として優秀かというと全然そうではないのと同じで、教えることについては素人の場合が大半でございます。

教えてもらうというのは実はとても高度なことなのです。

ならば習うより慣れろです。
実践で学ぶのが一番手っ取り早く、適格に学べます。さらに実践ということはお仕事をするということですので、何とお金が頂けてしまいます。お金がかかるどころか儲かるのです。

実力もないのに仕事するなんて、迷惑だしずるい気がする・・・と思っていらっしゃいませんか?実はイラストレーターの世界ではこの実践型の方のほうが多いのです。

学歴や年齢が関係なく、また職歴もそこまで関係ないという職業ですので、どのタイミングでも始められます。在学中にお仕事を頂いてそのままフリーランスへ、同人誌で人気になり商業作家へ、そんな方が大変多くみえます。

そもそも実力がなければ先にも書きましたようにお仕事を頂けませんので、そうなったら初めてパルミー様なり添削なりに赴けば良いのです。

辛い事実ではございますが、無料だったらたくさんリクエストが来るのにskebに登録したら1件もリクエスト来なかった・・・というのは「お金を払ってまで欲しい絵ではない」というクライアント様のご判断です。

逆に言えばお仕事がもらえるのでしたら、あなた様にはそれだけの実力があるとクライアント様が認めて下さったのです。どうか自信を持って誠実に臨んで下さいませ。

最後におまとめ

今回は辛い現実もしっかり記載させて頂きました。最初に注意喚起致しましたのも閲覧注意と致しましたのも、そういった明け透けな文面で不快になられる方もみえると考えたからでございます。

ここまで読まれた方はしっかりと現実を受け止めていらっしゃる方だと思われます。わたくしも若い時分は夢見がちでございましたので辛いお気持ちは痛いほどよく分かります。だからこそ、負けずに手立てを考えて乗り越えて参りましょう。

今回の記事が少しでもお役に立ちましたなら嬉しく思います。


noteのご感想やきみおりにイラストを描いてほしい!という方はTwitterからどうぞ。お気軽にメッセージ下さいませ。

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