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発達障がい児の子育て #28 次男、人生はじめての採血にビビる姿が特性ありありで可愛かったお話

先日、高専1年になった次男と一緒に主治医の先生の診察に行きました。小学1年生の時から診てもらっている先生で、かれこれもう9年のお付き合い。高専に行きはじめてから(地方の高専で普段は私の実家から通っています)、大きく変わった環境変化に馴染めずに苦労している様子などについてもずっと相談をしてきました。

今回の通院では定期的なお薬の処方のほか、勉強中にペンを握る手が震えだす症状(振戦)があったことからそのときの動画を見ていただいたり、むずむず脚(レストレスレッグス症候群)がひどくなることがあり、授業中に貧乏ゆすりが止められなくて先生に態度が悪いと誤解されてしまうことなどについての相談もさせていただきました。

むずむず脚はもう3年以上前からあり、鉄分補給など考えられる対処をしてきたのですが、これまでに精密検査などは受けたことがありませんでした。そのため、話の流れは現状をしっかり把握するために血液検査をしようという方向になっていったのですが…

次男が猛烈に拒否するのです!

「採血なんてしたくないんだけど」
「今日は絶対やりたくない」
「やらなくても大丈夫」
「やるなら今度来たときやる」
来週よりも今日の方が時間的にすぐできるから今日やろうと私が言うと、
「それでもいいから、今度やる」

といって聞きません。しかも先生とは目を合わせないのに、私の目を必死に見て訴えかけてきます。
しかしその日採血をして、次回の診察で結果を聞いた方が効率が良いのは明らかなので、私は「今日やります!」と次男に言い切り、先生に採血をお願いしました。

そのときの次男の「予定にないこと、しかも自分にとってやりたくないことを急にやれと言われたときの対応」が、最近の中ではビックリするくらい抵抗が強くて、あらためて次男の特性を実感。心の中では「急に嫌なことやらせることにしてごめんね…」と思いながらも、そんな姿もちょっと可愛いと思ってしまう私。

主治医の先生も、「こういう子は急な予定は苦手だもんね~」と言いながらしっかり採血のオーダーを入れてくださいました(笑)

小児科の診療室から採血室はすぐの距離で、ちょうど午前の診察が終わろうとしていた時間帯だったため、待っている患者さんは他にはいらっしゃらず、次男は心の準備も整う前からすぐに看護師さんに呼ばれてしまいました。

思えば、予防接種を受けたことは今までに何度もありますが、採血をするのは生まれて初めてです。普段、知らない人とは全くと言っていいほど目も合わせないし口もきかない次男ですが、その日はめちゃくちゃしゃべりました。

看護師さんに対して、採血は痛いのか、何で採血をするのか、検査項目は何なのかを次々に質問攻めにしていきます。一方、看護師さんは落ち着いた女性の方で、「射すときはちょっとチクッとするよ」「採血は初めて?」「鉄の項目がたくさん含まれているけど貧血なの?」など丁寧に対応してくださいました。

外では寡黙な次男がこんなにしゃべり続けるなんて、実はとーっても緊張していたんだろうなぁと思います。その後、次男は無事に人生初の採血を終え、看護師さんから絆創膏を貼ってもらい「まだ血が出ているから、しばらく上から押さえていてね」と言われてから私のもとへ帰ってきました。

思ったほどの痛みではなかったのか、ややホッとした様子の次男。しかし、採血をして絆創膏を貼ってもらったところは、逆に血が止まるんじゃないの?と思うほどの強さでギュッと押さえ込んでいます。そして私にひとこと、

「しばらく押さえててって言われたから、パーカーも着れないしリュックもしょえない!」

と、半分怒りながら訴えかけてきました。言葉を字義通りに解釈する次男ですから、自分が一瞬でも絆創膏から手を離すと、血が噴き出ると思ったのでしょう。それを想像するとちょっと面白くなってしまい、私は必死に笑いをこらえながら「パーカー着るのに手を離すくらいなら大丈夫だよ」と伝えました。すると次男は「そうなの?」と言い、安心した様子で帰り支度をしていました。

今回は予定にはなかった採血(しかも生まれて初めて)を急遽入れてしまった私のせいで、次男には負担をかけてしまったのですが、予定外の嫌なことに見舞われたときの次男が、それに対処する姿を久しぶりに見ることができました。

まだまだ対応力としては幼いところもありますし、初めてのことはイメージがしづらくて、きっと採血ももっと大変なことを想像して不安だったと思いますが、今回のように初めてのことや嫌なことでも少しずつ色々と経験して大人になってほしいなと願っています。

通院のあとは、ご褒美に辛いラーメンを食べて帰りました(笑)。