煙草と私。

私の口から煙草の話が出るのは飽きられていると思うが、私の生活の一部としてここは晒しておきたい。

喫煙歴は約10年。最初は知人から貰い煙草をしていたが、その内いちいち頂くのが申し訳なくなり自分で買うようになった。記憶が正しければ、確か初めて買った煙草はキャスターの3ミリだ。甘かった。当時は甘くないと吸えなかったが、今では無理だ。ちなみにメンソールも吸えないので女性向けの煙草は全滅だ。今はパーラメントライトの6ミリを吸っている。

何度か京央惨事のコラムでも触れてきたが、私は煙草がないと生きていけない。かなりのチェーンスモーカーだ。一度禁煙を試みたこともある。当時付き合っていた彼との間に結婚の話が持ち上がり、嫌煙家の彼からの要望で禁煙外来に通った。しかし長続きせず、私は「彼の為に」は煙草を辞められず、そのままお別れした。禁煙失敗が全ての原因ではないが一因ではあると思う。そのくらい私は煙草に頼ってきた。腹立たしいとき、辛いとき、寂しいとき、暇なとき、暇を認めなくないとき、つまらないとき、嬉しかったときもそうだ。肺に煙を入れることで満たされていた。そもそも喫煙は私にとって何の罪悪感もなく、なぜ成人したのに喫煙を咎められるのか違和感しかなかった。他人に迷惑をかけるような吸い方はもちろんしない。「体に悪い」と言われたって自分の体を自分で扱って何が悪いのかと思っていたし、何ならそんなことに口出しして欲しくなかった。

今私は禁煙に向けて減煙中である。きっかけは婚約者が減煙を始めたことだ。「もし将来的に二人の間に子供ができたとき、胸を張ってなほし(彼からの私の呼称)に「禁煙して」って言いたいから」だそうだ。この言葉はかなり響いた。今まで煙草がないと生活できなかった私ですら、彼の言葉は感慨深い。「誰かの為に」禁煙なんて出来ないと思っていた。でも今は、「いつか来るその時の為に」禁煙したいと思える。

人を動かすのは行動だと思う。口や言葉ではいくらでも言える。しかしそれを実践することが難しい。彼は行動で示してくれた。自分から禁煙に向けて減煙すること。それが私を動かした。

いきなり喫煙を辞めることはやはり無理なので、今はベイプと併用している。二本目の煙草を吸いたくなったときやなんとなく暇つぶしに吸いたくなったときにはなるべくベイプに切り替えている。リキッドはもちろん日本産のものを使うようにしている。今まで1日に二箱吸っていた煙草は、今現在1日一箱まで減った。半分だ。大きな進歩だ。このまま本当に禁煙出来たら良いのだが、実際私には自信がない。ちょっとしたきっかけですぐ煙草を吸いたくなってしまう。でも隣で一緒に頑張ってくれている人がいるのは心強い。

煙草を吸わなくなる自分が少し寂しい。何となくいつでも助けられて来たからだと思う。煙草があるから大丈夫、という気持ちがあった。これからはなるべく煙草に頼らず、煙草を吸う自分にも頼らず、生きていけるようになりたいと思う。


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