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眩しい君と一人のパフェ

3月、場所も仕事の内容も変わって毎日家についたら泥のように寝ていた生活。LINEを返す気力もない。noteを書くのもやっと。
仕事終わりに見るスマホ。手元に置いていつも眺めたかった推し(便宜上)の生写真の入荷通知。慌てて駆け出す。やっとついたら売り切れ。やりきれない。

「パフェ食べたいな」

かわいいに浸りながら、かわいいを食べよう。
ミルキーウェイ。何回か行ったことがある。

「おひとり様ですか?」

ひとりは初めて。窓際の席。
『ワハハ!人がゴミのようだ!』なんて言ってたね。キラキラと輝くメニュー。かわいい。飲み物だって光っている。何で選ぼう。味か、見た目か、食べたことないか。はたまた君か。答えは出ていた。

「水瓶座お願いします」

行き来する人をぼんやり眺めながら待つ。
永遠みたいに長い気さえした。そんなことなくて一瞬かもしれない。

待ちわびたパフェ。水瓶座は君だ。トンッと置かれた瞬間、目の前に星がこぼれたみたい。眩しい。キラキラ。君みたい。一口。一口とすすめる度に味が変わる。色々な面がある。パフェも人みたい。大人になったと思った。働いて、嫌になって、パフェを食べる行為。大人になってしまった。パフェはおいしい。ぼんやりしながら食べるパフェはそんなに甘くない気がした。どうしたらもっと甘いパフェが食べられるんだろう。それでもひとりで食べるパフェは最高だ。

お会計で「ポイントカード作りますか?」と初めて聞かれた。少しだけ認められた気がした。
帰り道。キラキラのパフェを思い出しながら『私の人生はもうキラキラしないだろうな。だからどうかあなたの人生だけは眩しくあってほしい』と想った。眩しくあれ。

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