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玲愛と勇介との出逢い⑬

玲愛と勇介との出逢い⑬

玲愛は勇介の顔をちらちら見ては笑顔で応えている。

(俺は玲愛の反応を見ては軽く笑う)

『勇介さんどうしたの?』

『玲愛の反応が可愛くてな?(口に手をあてるしぐさ)眺めているだけでもいいよな...エスカレーターを上がった所にあるよ』

『だってこんなに近くに居るんですもん!ときめきはいっぱい。玲愛見つけました』

『発見?俺の?』

『うん!勇介さんのしぐさ』

『どんなしぐさ?』

『色々なしぐさです』

『後で聞かせてくれるかな?』

エスカレーターを上がるとそのカフェはあって、上がると素敵な光景が玲愛の目の中に飛び込んで...

『どうかな?』

『綺麗...とても素敵な景色』

『(椅子を引いて)座って』

『ありがとう』

飲み物を頼み、鞄からひとつの箱を玲愛に渡す

『玲愛に似合いそうなものを見つけた』

『いいの?...』

『喜んでくれるといいが、開けてごらん』

『うん(包みを開けると...綺麗なブレスレット)ありがとう』

『つけてみる?』

『(勇介さんを見つめて笑顔)うん』

『手を貸してつけてあげる』

玲愛の嬉しそうな笑顔に心が騒ぐ俺、玲愛にはその変化は読み取られてるかもしれない...心惹かれる玲愛の可愛さにまたトキメキを感じながら...魅力的な振る舞いには玲愛の輝きがまた増していた

『ありがとう!似合う?』

『凄く似合ってる!嬉しい話と言うのは』

『うん』

勇介はスマホを開き玲愛に見せる

『湯川から連絡が来てオーダーのデザインの写真が送ってくれた。とても素敵なデザイン』

『(勇介さんから見せて貰い)凄く凝ってるデザイン』

『目の前で早く見たくなるな』

『ほんとに、楽しみです。お忙しいはずなのに...』

『あの時も伝えたのにな、アイツの優しさなんだろう』

玲愛は贈ったブレスレットを見ながら、幸せな気持ちと宝物がまたひとつ増えた事を、喜び溢れた笑顔で勇介に話して。

『勇介さんこれ(手提げ袋を渡す)』

『朝言ってたマフィン?』

『プレゼントです』

『(中を眺めると...)メッセージ付きだね。ありがとう』

『お家で食べてね』

玲愛には昨日の出来事から気持ちが切り替えているように見えた。あの言葉が玲愛の中で悩みは消えているように...

俺は玲愛に話した

『(暫く玲愛を見つめてから)玲愛?...したい事って何かな?』

『(勇介さんを見つめながら)前にお仕事で行った時に東京タワーが綺麗に見えて、ひとり歩いた事があって』

『それってあの街かな?(玲愛に街の名前を伝えた)』

『そう!その通りで、いつか大好きな人が出来た時に一緒に歩いてみたいと思って』

『...今の季節は木の背景と景色とのグラデーションが良いから』

『初めて行った時もちょうど今の季節で...』

『玲愛?その通りから俺の家までは遠くはないと話した事あるだろ?』

『聞きました』

『歩いてみようか?』

『いいの?』

『玲愛の願い叶えよう』

『ありがとう嬉しい』

玲愛の笑顔がとても喜びに溢れて...叶えてあげたくなり予定を組む。組んだ予定を玲愛に話すと『お願いします』と返事が返って来た

翌日は、玲愛も俺も休日だからゆっくり過ごせそうだ。頭の中で予定を組み直すと玲愛に話して、行動する事にした。

『ゆっくりしたら移動しような』

『ありがとう』

ふと玲愛のヘアースタイルが気になり...

『玲愛?今日の纏め髪似合ってるね』

『これ?スカーフを髪と絡めて纏めたの』

玲愛の可愛さが増すヘアースタイルにくすっとなり、玲愛は『可笑しいかしら?』と...

(心の中で可愛さが増してる)

『可愛いよ』

『勇介さんありがとう』

玲愛の姿を見るまでは心配ではあったが、こうして会って姿を見て安心してる姿に...

元気な姿を見せてくれる事が、大切な時間の積み重ねをする事で、楽しいと思える事もひとつひとつ増えて行くのだろう。玲愛の顔を見つめていると...

『玲愛?大切な事より大事な事って何だと思う?』

『大切な事より大事な事?』

『そう...言っちゃいけないとか思う事ではない、伝える勇気がどれだけあるか』

『それって勇介さんが玲愛に言ってました』

『思ってる事を言葉にしてって俺は玲愛に伝えているね』

『言ってます。初めて聞いた時は驚いて』

玲愛はどうしても気にしてしまうだろうと思ってその言葉の意味を話し、それはこの先玲愛との関係を築いて行く為には話す必要があった。

『信頼の心が大切であるからね』

『ありがとう』

『話し込んでしまいそうだね』

『移動しますか?』

『行こう』

『手提げ持ちます』

『ありがとう』

カフェで玲愛は、勇介からある言葉の意味を教えて貰う...

『伝える言葉の勇気』

以前に玲愛に伝えられた勇介からの言葉を思い出す...

『我慢しないで言葉にする事』

駅へ向かう勇介と玲愛、勿論歩きながらも会話は止まることなく...

『勇介さん?』

『何かな?』

『(目に涙を溜めて)ありがとう!』

『俺は玲愛を大切に思ってるからこその思いだ』

『勇介さん...』

勇介は玲愛を見つめながら玲愛にある提案を持ちかける

『玲愛?あの街に行く前に家に荷物置いてからでもいいかい?』

『お荷物置いてからの方がゆっくり出来ます』

『予定変更悪いね』

『ううん!余計楽しみが増えて来ました』

『玲愛ありがとう』

玲愛は勇介の案内で勇介のマンションへ向かう事に、最寄りの駅を降りて10分程歩くと...

『この通りからも東京タワーが見えます』

『もっと綺麗な場所もある』

『もっと?』

『...玲愛?このマンションがそう!おいで』

『大きなマンション...ですね』

勇介に誘われて...勇介の部屋へ導かれて

『玲愛どうぞ中に入って』

『お邪魔します...』

勇介さんのお部屋は景色が綺麗に見える階にあり部屋から見える外の景色に見惚れてしまっていた...

『玲愛お茶ぐらいしかないけど...座って待ってて』

(夜はもっと綺麗なんだろうな...)

『っ!...(勇介さんにハグされて)ドキッとしちゃう』

『...して...見せたかった』

『...もしかしてこの景色?』

『俺のお気に入りの景色で、この部屋に決めたのもこの景色で決めた理由』

『お部屋の決めるポイントってありますね』

『そうなんだよね...後でゆっくり話す事にしよう!玲愛の願い叶えないとね』

『玲愛もこのミニバックで行きます』

『身軽が一番楽だからね』

勇介さんは教えて下さった...

『夜景から見える東京タワーも部屋から綺麗なんだ』

『玲愛も見れるかしら?』

勇介は玲愛の耳に、そっと口を近づけてゆっくりと言葉を重ねると...『一緒にね』

(勇介さん...)

マンションを出て玲愛の目的の街へ歩く前に、勇介は『危ないから玲愛はこっちな』と言った後に玲愛の手を繋いで歩いた

歩きながら玲愛は勇介に『ありがとう』と伝え笑顔を見せ、嬉しそうに歩いてその笑顔にはいっぱいの喜びが溢れて...

『玲愛は頑張ったんだから、その分甘えてもいいんだぞ』

『うん』

(目的の街に着いた)

『この通りって凄く解放的って俺は思うんだ』

『勇介さん?玲愛もそれ凄くわかります。初めて来た時に暫く立ち止まって見ていました』

『落ち込んだ時や、リフレッシュしたい時に見たい景色なんだ...
1日の仕事が終わった時に通ると、とても落ち込んでいた俺が癒される。そんな時は夜が多いが、凄く人の通りが多くて特に休日は多くてな...

人のすれ違いを見てるだけでも立ち止まって見てしまう、それだけに時間が過ぎていく』

玲愛を見るととても眩しい笑顔で応えてくれて、その笑顔を一枚に収めたくなり玲愛に言うと頷いてくれたのでカメラに収めた

時には2人で撮ったりしてその時も玲愛の表情は眩しいくらいで...

『とても玲愛は一緒にいると素敵な表情を俺に見せてくれる』

『そ、そう?』

『だから何時でも会いたくなる、玲愛との時間を共有したい』

『勇介さん玲愛もです。散歩デート』

『何も考えず玲愛と歩くのもいいな』

『うん』

『ところで玲愛は麗華さんのパーティーに着ていく服は決まった?』

『悩んでるの...新しく洋服買おうかな?って勇介さん一緒に選んでくれますか?』

『一緒に見に行こうか?』

『お願いしてもいい?』

『その代わり俺のも選んでくれるかい?』

『うん!。パーティーはまだ先ですよ』

『早めに選んでおいても悪くないからね。玲愛?夕焼けだよ』

『綺麗なオレンジ色』

勇介は玲愛と一緒に見た、夕焼けを見ながらこの時間も俺と玲愛にとっては大切な時間。

俺も忙しい時間の中の癒しの時間、玲愛の笑顔に癒される時間は心がリフレッシュ出来てる、一歩一歩ゆっくりではあるが玲愛と一緒に歩いてる時間はとても濃い時間。

玲愛自身も仕事と勉強で、忙しいからその隙間に癒しの時間を増やし、気分転換をさせてあげたい

『玲愛が凄く眩しいよ』

『え?』

『空港で見た笑顔より今の笑顔はとても眩しいのと、行きたかったこの場所に来ている事も関係してるんだろうね』

『思い出が増えてるから』

『それと...』

『それと?』

『恋してる俺達が過ごしてる時間を共有してる事もあるかな?』

通りにはイチョウの葉が埋め尽くされている、その光景はひとつの絵の形になって...

『...勇介さん、玲愛この季節が好き。秋の季節』

『秋って季節の切り替わりで景色が変わるからね。それと玲愛の誕生月でもあるだろ?』

『うん』

『玲愛と行きたいところがある』

『行きたいところ?』

『今日はちょっと時間的に無理だが、近いうちに予定立てるよ』

『何処かしら?とてもわくわくするわ』

『ところで玲愛?しぐさの話を聞いていいかい?』

『空港で話した事?勇介さんのしぐさで発見がありました』

『気にした事ないから言われて余計気になってね』

『それは...(勇介の耳へ)』

勇介に玲愛は言う、しぐさの発見をした事。それがとても自然で、玲愛にとってはトキメキを深く感じさせられるしぐさ。

『気にした事なかったな』

『好きな人のしぐさって、気づくだけでも胸がときめいたりするの』

『もっと好きになる?』

『うんなっちゃう』

勇介はその瞬間...玲愛が可愛くて抱きしめた

『玲愛は気づいてないだろうね』

『...玲愛が気づいてない?』

『時々に言う言葉が、抱きしめたくなる瞬間になる』

『勇介さんの心臓の鼓動が凄く聞こえます』

『感じて覚えてほしい』

人は多くなり、通り過ぎている事は2人には関係なくその瞬間を感じ初めて...
夕方になった事もあるが、少し冷たい風が吹いていたがふたりには暖かい気持ちが増していた。再び歩いて周りの景色を堪能してその通りの終わりに近づいて...

『勇介さんの住む街には素敵な景色がいっぱいあって羨ましい』

『それは玲愛の住んでる街も同じ、こうして行き来するのも良いからたまにはしような』

『発見もありそう』

『ゆっくり戻ろうか?』

『戻りましょ』

この通りはいつも通る道でいつもひとり、こうして玲愛と歩くとこれからは玲愛と歩く事が多くなる...そう思うと心が躍る俺がいた。

何気なく通ってる道が、何気なく通ってる道から暖かい気持ちを、感じながら通る事が多くなるのだと...

(勇介さん?)

『ん?』

『何か考えてたのかな?って』

『玲愛と通る事が多くなるんだなって色んな思いを感じながら通る事が多くなるな』

『(笑顔で応える)』

『玲愛?(耳元で)』

『でも...疲れてない?』

『玲愛と語り合いたいな。週末は仕事はOFFって言ってたよな?』

『特にはないです』

『俺のお願い聞いて』

『(笑顔で)わかりました』

『じゃ決まり!夜の景色も見せたいしね』

繋いでる手の温もりは更に強くなって...