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玲愛と勇介との出逢い⑪

玲愛と勇介との出逢い⑪

カフェを出る前にツーショット写真を撮ると...

『とても良い笑顔になってる』
『そ、そう?』
『すっかり遅くなってしまったな?家まで送るよ』
『ありがとう』

勇介は約束通り玲愛を家まで一緒に電車に乗る。電車は遅くてもかなり混んでいて、勇介は玲愛を守るように中へ...

『玲愛奥に行こう』
『うん』
奥の方が若干空いていたから奥に入って、玲愛を守るように...腕で支えながら玲愛に声かける

『ここなら少し大丈夫そうだ。この前の横浜の帰りもかなり混んでいたしな』
『ホームでお別れする時も混んでたもの』
『都内へ向かう者が多いかもしれないからな。途中で乗り換えるのか?』
『うん』

玲愛は勇介に伝える

『その駅なら俺帰りは帰りやすいな、〇〇駅だから。今度は俺の家へ来ればいい...飯ぐらいは作るから。今度は家でご飯食べるのも良くないか?』
『勇介さんの作るご飯食べたいわ』
『駅からは近いのか?』
『歩いて5分くらいかな?』
『それは安心だ、遅くまで仕事だと夜は危険だからな』

初めて行く玲愛の家...聞くと歩いてそんなにかからない事を聞いて俺は安心する

『勇介さん?次の駅で乗り換えます』
『わかった。次の駅だね』

電車を乗り換えて別の電車に乗り換えて...その電車では席が空いてて2人は座る事が出来た

『ここからだと横浜は近いな?』
『そうなのだから良く行くの。打ち合わせにもよく使うし...』
『俺が遅くなってしまって観覧車乗れなかったもんな?ごめんな。今度は一緒に乗ろう』
『ホント?玲愛乗りたい』

話に夢中になっていると最寄り駅に着いて2人は駅を降りる。玲愛の住むマンションまでは駅から歩いて5分程の距離にあり...

『勇介さんここです』
『ホント駅から近いな』
『ちょっと寄って行きますか?少し散らかってますけど...』
『お邪魔してもいいのか?』
『良かったらどうぞ。行きましょ(勇介さんの手を引いて)』

玲愛の部屋は10階と言う、それは景色も綺麗だろう...。玲愛と景色を見たい俺もいた

『勇介さんどうぞ』
『お邪魔します。結構広い部屋なんだな』
『姉と住んでたんですけど、結婚したので今は玲愛ひとりで住んでます。座ってて下さいお茶煎れますね』
『ありがとう。ベランダに出てもいい?』
『どうぞ』

玲愛は勇介と飲むお茶を煎れながら幸せな気持ちになっていた。こんなに長い時間過ごす勇介との時間をとても幸せな気持ちになって...これからも勇介との時間を大切に過ごそうと

『勇介さんお茶どうぞ』
『ありがとう!玲愛もおいで』
『うん』
『玲愛の部屋からの景色綺麗だね』
『勇介さんのところは何階?』
『俺ん家は15階』
『勇介さんのお家からも景色綺麗でしょう?』
『周りはマンションだらけだ、近くに東京タワーが見えるよ』
『わぁーいいな。景色素敵なんでしょうね』
『招待するね、玲愛?今日はありがとうなとても素敵な1日を過ごせて良かったよ』
『私からも勇介さん素敵な1日ありがとう』

互いの感謝の気持ちを伝えて再び話をする2人、玲愛は勇介に甘えてそれは自然と甘える玲愛の姿、甘える姿に勇介もまた玲愛を包み込んで...

何も言葉を交わさなくても、玲愛の気持ちは勇介に伝わって...玲愛の自然な姿が勇介を癒していた。

渡部さんからの連絡の言葉の中で、『あの時のお前達を見ててな、勇介が幸せを掴み初めてるのがわかったぞ?麗華からも勇介が玲愛さんを守ってくれると思うって聞いてる。玲愛さんは硝子のような心の持ち主と聞いてる、勇介の心で玲愛さんを守ってくれると思ってるぞ。これからのお前達に期待してる』

渡部さんもひと目見てわかったんだな...とあの人は読み取るのがホントわかる人だから

『玲愛...』
『どうしました?』
『名前呼びたくなってな』

『ドキッとしちゃいます。勇介さんから名前呼ばれると...』
『名前呼ぶって思い込めて呼ぶものだからね。玲愛も俺の名前を良く呼んでくれるだろ?』
『つい名前呼びたくなっちゃうから』

『離れたくないな』
『(抱きしめて)』
『玲愛も明日仕事だから、次のデートを楽しみにしよう』

『勇介さん...』
『逢いたくなったら言うんだぞ。俺も玲愛に逢いたくなったら逢いに行く』
『うん』
『抱きしめてもいいか?』
『うん』

俺は玲愛を抱擁した...それはいつまでも...玲愛の鼻を啜る音が聞こえて

『勇介さん?マンションの前まで送ります』

玲愛は俺をマンションの前まで送ってくれて

『玲愛ありがとう、おやすみ』
『勇介さん気をつけて帰ってね』

別れる前に玲愛にKissをして駅へ、玲愛はマンションの中へ

玲愛は家に戻り、スマホの写真を見ていた...それは勇介と一緒に撮った写真を眺めながら

(好き)

勇介からのLINEには告白の言葉が綴られていた

『玲愛から大切な事を教えて貰って、余計にひとつの思いが更に強くなったよ。俺と玲愛の蕾が咲き始めたな?これを大切に育てて行こうな』

勇介さんからの言葉に思いを込めて言葉と感謝の気持ちを贈り、勇介さんが帰宅するまでいつものように続いた...デートからそれぞれの家路に着き、勇介と玲愛は心のリフレッシュを互いから貰ってとても濃い1日を過ごす。
デートからの翌日は月の末でもあり、勇介も玲愛も忙しい日々が続いていた。仕事の合間に互いが送るLINEの言葉には...『逢いたい』と言葉が綴られていた

季節は秋が過ぎて世の中は12月という師走の月...玲愛からの希望で『イルミネーションを見に行きたい』

連絡を重ねて...12月に入り、玲愛も勇介もゆっくりとした時間が合わない日々しかしマメに連絡を取り合う

互いに調整し仕事の調整をして2時間程の時間が取れる事になり...勇介はあまり玲愛に負担は掛けたくない気持ちがあり、玲愛が都内へ来る時にしようと決めていた。そして玲愛が翌日OFFの日と...

玲愛に聞くと...

『お勉強会が〇〇日にあって夜は時間取れます』

『場所は?』

玲愛から伝えられた場所...それは勇介にとっても懐かしい場所であった

『懐かしいね、その場所。渡部さんの勉強会にも使っていた場所だ』
『勇介んも思い出の場所?大きくないスペースで少人数で開催されるから質問もしやすくて』
『玲愛?確かに聞きやすいよな?大人数だと聞きたい事も聞けない事もあるだろう。玲愛?翌日は休み?』
『うんお休み勇介さんはお休みです?』
『俺も休みだ、じゃあゆっくり出来るね!ちなみに遅くなっても構わない?』
『うん』
『遅くなったら俺のマンションに泊まればいい。』
『え?でも...』
『玲愛?準備はしといてくれるか?あの場所の1階のカフェで待ってる』
『勇介さん...』

『ゆっくり玲愛との時間を作りたくてね』
『玲愛もゆっくりお話したい...』
『決まりだね』

勇介は玲愛と話しながら、玲愛におもてなしをしようと考えていた。それは玲愛から『いつか勇介さんのお料理食べてみたい』を言っていたのを思い出して玲愛に聞いた

『玲愛は卵焼き好きって言ってたよな?』
『京都でお話していた時に和食の話題になりましたね』
『玲愛と一緒に食べようと思っておもてなししたい』
『楽しみにしてていいの?』
『美味く作るさ』

勇介さんの声はとても心地よく聞こえて...

『勇介さん?玲愛のお勉強会の日までに逢いたくなったらお願いしてもいい?』
『その時は少しでも時間作るから言ってな?』
『うんありがとう』

互いは会話を終えると...ひとつの楽しみが増え、勇介と玲愛のふたりは仕事にも張り合いが出ていたのは確かであった。

多忙の日々が、ふたりの心の中にはそれぞれ逢いたい気持ちが溢れて...勇介は玲愛にある事を伝えていた。それは2泊3日の出張がある事を、戻る日に『時間取れるか?』を確認して...

『玲愛、その日は午前中だけ打ち合わせなので午後は大丈夫です』
『戻る日は特にアポもないから昼頃の飛行機で戻る予定だから時間取れるな』
『勇介さん空港までお迎え行きたい』
『来てくれるのか?』
『うん!行くお迎え行きたいの』
『待ち合わせは14時で大丈夫か?』
『大丈夫』

スマホから聞こえる玲愛の声は嬉しそうに聞こえるが、少し震えてるようにも聞こえそれは嬉しさのあまり涙声になってる声だった。

『泣き虫玲愛になってる?』
『だって逢えるんだもん...触れる事が出来るんだもん...』
『それは俺も同じだ』

あの時の玲愛の顔を思い浮かべていた...それは俺が遅れてしまったあの日の事。泣きそうな玲愛が、駅で俺を待っていたあの日...玲愛の事があれから愛しく、

玲愛の存在が俺にとっては癒しでもあり、癒しの存在を守る事を最優先に考えていた。出張の前日、準備に追われていた俺は玲愛の声が突然聞きたくなって連絡をすると...

『勇介さん?』
『まだ起きていたか?』
『お勉強していたの、勇介さんどうしたの?声がいつもと違うから...』
『少し玲愛の時間を俺にくれないか?』
『大丈夫よ。どうしました?』
『突然声が聞きたくなってな』
『今回の出張で何か気になる事でもありましたか?』

恥ずかしい事だが、玲愛に話すと聞く耳を貸してくれて情けない事だが...

『情けないな...』
『そんな事ありませんよ、聞いて貰うだけで心が軽くなるって事ってあるから。今度のクライアントさまは勇介さんにとって勝負になるとかかな?って思って』

『それはあるな?簡単なことではないからな』
『上手く行ったらお祝いしましょう』
『してくれるのか?』
『成功したお祝いね』
『成功させなきゃな』
『勇介さん?明日麗華さんのセッションがあるの』
『そうか、麗華さんに宜しく伝えてな』
『うん!』

翌日勇介は出張へ玲愛は仕事の後、麗華とのセッションの為都内へ

待ち合わせのホテルのラウンジの前で麗華が待っていた

『麗華さんお待たせしました』
『玲愛ちゃんお久しぶりね、新横浜以来ね』
『ラウンジ行きましょう』

麗華はラウンジで予約してる事を伝えて、席に案内され玲愛と向かう

『玲愛ちゃんは飲み物はいつもの?』
『最初はお気に入りのハーブティーのビューティーでお願いします』
『玲愛ちゃん凄く気に入ってるものね』
『麗華さんに初めて勧められてから気に入ってます』

麗華さんのセッションがスタートした、それは雑談を交えながらのいつものセッション。課題からの答え合わせから始まって、何故そうなるか?玲愛の答えに麗華さんはゆっくり時間を掛けて答えを導いて下さる

『玲愛ちゃんの答えは間違えではないわ、ただ慌てない事ね。玲愛ちゃんは上達してるから心配しないでね』
『ありがとうございます』
『玲愛ちゃん?ここねこれはちょっと違うかしら?、これだと玲愛ちゃんの思いが先に伝わってしまうわ、ここはね?もうひとつお言葉を付け加えるといいわ。例えばね...』

(麗華さんは柔らかい口調で続けて下さった...)

『私...焦ってしまってますね』
『玲愛ちゃんの思いは必ず伝わってると思うの、でもねお客様目線で考えると、少しお言葉を足すのが良いわ。』

『気をつけます』
『玲愛ちゃんは出来る子だから大丈夫よ』
『ありがとうございます』

(そして時間は過ぎて)

『玲愛ちゃん?勇介さんって言ったかしら?かしら?新横浜で出逢った男性』
『はい』
『彼とは順調?パーティーも来て下さるって聞いて渡部さんも楽しみにしてるって言ってたわ』

玲愛は麗華に話した。デートした事やお勉強会の後にデートする約束も

『あらデートを重ねているのね。玲愛ちゃんはしっかりしてそうだけど、寂しがり屋なところはあるものね、それと我慢しちゃうところもあるじゃない?』
『前に麗華さんに相談してました』
『恋愛相談もあったものね』
『そうでしたね、あの時は悩んでいた時期でしたから』
『あれからもう2年経つわね。これからは輝いてる玲愛ちゃんを見れるわね』
『麗華さん...』
『玲愛ちゃんにとっても勇介さんにとっても、良い出逢いなのだから応援してるわ。あと渡部さんの講演会にも来て下さるそうね』
『勇介さんからお話頂いて一緒に参加してみようと思いました』
『良い経験になるわよ』
『麗華さんからのお勧めなら聞かない訳には行きませんから』
『講演会の後、懇親会があると思うからそれにも是非参加してね』

麗華とのセッションと雑談を交えての話の時間は予定の2時間を超えて3時間近くなっていた。

『麗華さんありがとうございました』
『次回は後日打ち合わせしましょうね。入口まで送るわ』

麗華さんと入口で別れて、駅へ向かうと外は暗くなっていた。人通りの多いこの駅ここからは地下鉄を使って帰る事にした...

地下鉄のホームで待ってると、時計の針は20時半を過ぎていて、玲愛は夜どうするか考えていて(待ち合わせが17時半だったから)、途中乗り換え駅で買って帰ろうか悩んでいると...スマホの通知に気づきスマホをバッグから取り出す。

『玲愛?セッション終わった?今日のセッションは上手く言ったかな?』

(勇介さんからのLINE)

『少し指摘があって、セッション終わって帰宅中です』
『それは成功する為の一度立ち止まってご覧の合図じゃないかな?違ったかい?玲愛?落ち込んでないか?』

(勇介さんの言った通り...)

『少し...でも前向かないといけないから』
『そうだね!指摘される事は悪い風に考えてはいけないから、成功する為のステップだからね』
『勇介さん...ありがとう』
『玲愛の声を聞いてあげたいけど、俺も移動中でね後でなら話せるが...玲愛は?』
『話したい』

(勇介さんから時間の指定に応えて)

『わかった』

帰宅中の車内の中で、麗華からの回答の説明文の書類を見返していた。何度も読み返して...

(やっぱり焦っていたのかな?...麗華さんは玲愛の事出来る子って言って下さったからその言葉を信じよう)

途中乗り換え駅でテイクアウトして、マンションへと帰宅した