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玲愛と勇介との出逢い⑫

玲愛と勇介との出逢い⑫

マンションに到着すると...着替えた玲愛はテイクアウトした夕食を食べながら...セッションの書類を改めて見直す

(お勉強会も近づいてるから復習を重ねないと...)

こことここ...マーカーの部分をペンで書き出してポイントの部分がひと目でわかるように

麗華さんは玲愛らしくないわと指摘されてしまった事に反省をしなきゃ...

一方、勇介の所に渡部からLINEが届く...

『勇介?玲愛さんの事でお前に伝えたい案件があり、麗華から伝言を預かってる。玲愛さんが麗華のセッションの日で、玲愛さんが落ち込んでるらしくてな麗華から、玲愛さん元気づけて欲しいとの伝言を預かってる』

(余程、麗華さん玲愛を心配しているんだろう。)

渡部さんとのやり取りで、何となく把握は出来て渡部さんと麗華さんに礼を伝えた

『渡部さんありがとうございます。麗華さんにお礼をお伝え下さい、渡部さんもお忙しい中ありがとうございます』

『麗華から玲愛さんは人一倍努力家らしいと聞いている、だから余計自分を見失うところを心配してる、勇介悪いがお前も仕事があると思うが気遣ってやれ』

玲愛からは麗華さんは厳しい方ではないと聞いてる、しかし言葉の中に時折厳しい所もあったのかもしれないな...

ホテルに戻った俺は玲愛に連絡し電話をすると...声は沈んでいた

『玲愛大丈夫?声が元気ないように聞こえるよ』

『今日のセッションの復習してました』

『食事は?食べたかい?』

『...うん少しだけ』

『少しか...
ちゃんと栄養も考える玲愛だから、少しでも栄養取れてるってことかな?』

『栄養摂らなきゃだもん』

『良い心がけだ、玲愛?今から話す事を聞いて欲しい』

『勇介さん?...』

俺は過去に受けたセッションの出来事を玲愛に話し始めた、それは少しでも玲愛に元気づける為でもあり、その話をして前向きになってもらえる自信があったからだ。

人の話で気づいてくれる事に確信はあった、誰でも一度立ち止まる事はある...壁にぶち当たる事は悪い事ではない。

『...こんな事があった』

『ありがとう勇介さん、玲愛を勇気づけてくれたんですね...ありがとう。ところで今日のお仕事上手く行きましたか?』

『玲愛は自分の事より俺の心配をして...結果は成功した』

『だって気になっていたから...勇介さんからも麗華さんからも魔法の言葉頂きました』

『俺も玲愛から魔法の言葉貰ってるぞ』

玲愛の声は、リラックスしているような声を耳に感じ取った...玲愛は心の休息はしているのだろうか?と気になった。勉強会も迫ってるから時間は作ってるんだろうが、詰めすぎても良くない事を玲愛に伝える

『詰め込み過ぎてるのかもしれない』

『余裕無くなってるのは自分でも分かるか?...無理は良くないぞ』

『勇介さんありがとう』

『約束してくれるか?無理はしないと...何でも適度が一番だからな』

『約束します』

玲愛に癒しをといつも心がけている...彼女は頑張りすぎるところがある。バランスを崩しては何も生まれない、思った通りの事を熟す事が出来ないからだ。

『玲愛?頼る事も必要だ、分かるか?』

『分かるの...(涙声になる)』

『横浜の夜のデートみたいになってもいい。約束しただろ?我慢はしない事』

『うん....わかりました』

『復習する事も分かる、勉強会の予習もする事も分かるが適度が心と身体には一番の薬、それ以上するとバランスを崩してしまうからな』

『そうですね、詰めすぎては良くないですものね』

『言葉通りだ!最初に俺に言ったな、玲愛は明日午前中は仕事だったな?』

『うん!打ち合わせがあります』

『風呂にゆっくり入って明日に備える事!午後には逢える。玲愛がしたい事考えておいてな』

『ほんと?お願いしていいの?』

『考える事って事は楽しみもある、その反面考えてる時の玲愛は笑顔になってるはずだぞ。余裕が無くなってると感じた時には、楽しい事を考えてリラックスする事。玲愛は俺に教えてくれただろ?』

『初めて出逢った時に玲愛言いました』

『声がけしてくれたな、気遣い嬉しかったぞ。玲愛は自分自身を見えない所もあるだろ?』

『...そうかもしれない』

『風呂に入って楽しい事を考えて、俺に教えてくれればいい。楽しい事を考えていると余裕ない玲愛の姿は消えているはずだからな』

玲愛に楽しい事を考えるよう薦めると素直に応じて、それは気持ちの切り替えを薦める為の言葉のスイッチでもあった。

会話を続けてると玲愛の声も明るくなって

『いつも元気づけて下さってありがとう。明日がより楽しみになりました』

『それは嬉しいな。明日楽しみにしてるから』

『うん!おやすみなさい』

『玲愛おやすみ』

玲愛は勇介との電話を終えてひとつの通知に気づいた

麗華からのLINE

『玲愛ちゃん今日はお疲れ様、元気なかったからちょっと言い過ぎちゃったかしら?って』

『麗華さん心配かけてすみません...』

『彼から連絡あった?渡部さんに話したら勇介に連絡するって言ってたの。でも何を話したのかは知らないの』

(だから勇介さんは経験談を話してくれたんだ)

玲愛は麗華とLINEを続けた

麗華は今まで玲愛に連絡する事はなかった、それは支えてくれる存在がいなかったせいもあり、玲愛がより悩んでしまうかもしれないと思ったからだ。

今は玲愛はひとりではない、支えてくれる存在がいるからいつもよりキツめにセッションをした。

『麗華さん?いつもサポートして下さってるので大丈夫です』

『玲愛ちゃん?今日はいつもより若干キツめだったでしょ?』

『少しそれは思いました』

『それは玲愛ちゃんが出来る生徒だから。これだけは言えるわ。根詰めない事よ、次のセッションまでは時間あるからゆっくり前に進みましょう』

『彼にも言われました』

『そうね!ゆっくり時間を決めてする事が大切だから。何か不安な事があったらいつものように、いつでも連絡して構わないから』

『麗華さんありがとうございます』

麗華は玲愛に時間をかけて言葉を添えて...麗華の言葉は不思議なくらい魔法の言葉に身体の中にスっと入って行く。

(何気ない言葉を、麗華さんは玲愛に伝えて下さるその中にも、しっかり大切な事を伝えて下さる事にいつも感謝して...)

玲愛はnoteを閉じて、今日はおしまいと言ってお風呂に入る準備をした。

翌日になり、玲愛は早めに目を覚ます何故か目覚めはスッキリしていた。勇介と麗華の気遣いのおかげと心の中でお礼を言うと、思い立って朝からマフィンを焼く事にして準備をする

勇介に喜んで欲しい思いのと出来上がったマフィンにメッセージを付け足そうと思って...

焼きあがったマフィンにメッセージをチョコで描くと...

(勇介さんの笑顔が浮かんで、玲愛ドキドキしてきちゃった)

いつものようにフルーツスムージーを作って野菜サラダで朝食を済ませた

今日のお客様は横浜での打ち合わせで、再度確認をしながらスムージーを飲む玲愛。朝食中に勇介からのLINE

『玲愛おはよう、目覚めはどう?睡眠取れたか?』

『勇介さんおはようございます。ぐっすり出来ました。朝にマフィン焼いたので今日持って行きますね』

『マフィンを?それは楽しみだ。したい事決まったかい?』

『思いついたものはあります』

『後で聞かせてくれる?』

『聞いて下さいね』

勇介は、早めにホテルをチェックアウトし、玲愛へのお土産を買う為街を歩いていた。前日に移動中に見つけた店に立ち寄り、玲愛へのお土産を探していた。店員に話をして幾つか選んで貰ったものから、ひとつ選んで購入しプレゼント用にお願いする

(玲愛喜んでくれるといいが)

時計を見ると...

(そろそろ行くか)

早めに空港へ向かってゆっくりカフェで出張の確認と手帳のスケジュール確認。

週末は出来るだけ、玲愛との時間を使う為と決めている、俺も玲愛も平日は仕事中心の生活になってるからだ。

玲愛を家まで送った日に話し合って、出張以外は週末は互いの為に時間を作ろうと決めた。

玲愛は『普段ハードにならない?』と聞かれたが、それだけやりがいはあると玲愛に伝えた。

...スマホが鳴り相手は湯川だった

『もしもし』

『勇介今大丈夫か?』

『湯川もしかして、デザインの事か?』

『遅くなって悪いデザイン決まって、とりあえずサンプル作ったから写真を後で送るがいいか?』

『今出張の帰りでな、これから羽田に向かって帰る。湯川?彼女にも見せたいから昼過ぎまでに送ってもらえるか?』

『大丈夫だ。しかしお前は独身で通すと思ってたから意外だよ。運命の出逢いだったんだな』

『...人生は分からないものだな。彼女と出逢って大切なものを気づくきっかけを貰ってるよ』

『それだけ勇介にとって彼女との出逢いは大切だったのだろうな。それじゃ後で送る』

『頼むな』

湯川との電話を終えると、時間が近づいてる事に気づいて移動し搭乗手続きへと向かう。

玲愛以上に俺の方が、玲愛に逢いたくて堪らなかったのは正直な気持ちである。

飛行機に乗る前に玲愛から...

『逢いたい早く逢いたい』

その言葉からは、玲愛の思いが溢れてるのが俺にも伝わり...

飛行機に乗り、窓を見つめてると玲愛の表情が目に浮かぶ...

どんな顔で俺を迎えてくれるのだろう...と考えるだけで、胸が高鳴り羽田まで到着する間の時間を楽しみに待っている俺であった。

一方...玲愛は打ち合わせが終わりに近づき、顧客に手作りのマフィンを渡す

『玲愛さん?頂いていいんですか?とっても美味しそう』

『多めに焼いたのでお嫌いでなければお茶のお供に食べて下さい』

『ありがとうございます。次回打ち合わせの時に私もお気に入りのものを持ってきます』

『楽しみにしてますね、それまで頑張りましょう』

出口まで送り時計を見ると時間に間に合いそうな時間...纏めをして空港へ急ぐ玲愛

(とても心が弾んでる、早く逢いたい勇介さんに)

空港に向かう電車の中で、本を読んでいても集中出来なくて頭の中は、勇介さんの事を考えて...

空港へ向かう電車は、通る度に様々な景色を玲愛に見せている。段々と勇介と同じ空気に触れていく空間に近づくと...

(勇介さんと同じ空気に触れられる)

電車はターミナル駅に到着し到着ロビーへ急がなきゃ

週末の土曜日の午後のせいか、人はかなりいて通り過ぎる人はそれぞれの思いを乗せて行く人

そして思いを乗せて帰国した人がいる、それぞれの思いがあるのかもしれないと玲愛は思った

到着ロビーに着いて勇介の姿を見届けてる

到着ロビーに到着するひとりひとりを見ながら勇介の到着を待つ

...すると

愛しい姿が目の中に飛び込みいきなり急いで走り出した

『っ!...(玲愛)』

『(抱きつき)勇介さんお帰りなさい』

『(笑顔で)玲愛ただいま。迷わなかったかな?』

『来れましたよ』

『偉いね!玲愛頑張ったね。セッションお疲れ様』

『勇介さんありがとう』

『移動しようか?』

『展望カフェに行こう(手を出して)』

『はいっ』

(歩きながら)

『玲愛に良い知らせがある』

『良いお知らせ?何かしら?楽しみです』

玲愛は笑顔で勇介を見て、その笑顔にドキっとさせられている

(玲愛の笑顔はほんとに愛溢れているな)

勇介の手は玲愛の手をゆっくり繋いで目的のカフェへ向かっていた...