4か月ぶりのナマ音楽
例の感染症絡みの自粛を経て、~ぶりっていうのが続いている。さて、私にとって待ちに待った「4か月ぶり」の、演奏会が開かれた。2月に、例の新型なんちゃらが国内でも感染者が増えてるって徐々に騒がれ始めていた頃だったっけ、それでもどうしても聴きたくてマスクと消毒液で自衛しつつ聴きに行ったのが遠い昔のよう。その後の3月の定期演奏会は無観客でオンライン中継されたので、私がホールに足を運んだのは実に4か月ぶりとなった。
会場はフェスティバルホール、地下鉄四ツ橋線というか地下鉄に乗るの自体が4か月ぶり。私は大阪フィルの定期会員なのだけど、客席でもソーシャルディスタンスを確保しなければならないとのことで、いつもの席には座れず。一席ずつ空けての新たな座席を割り振られることとなっていた。とはいえ、本来の席は2階席の1列目、割り振られたのは2列目、とさほどの不平感はなかったかな。
客席でソーシャルディスタンス、舞台上でもソーシャルディスタンス。広いステージにめいっぱい乗って、というような大掛かりな曲目はできず。変更された曲目はベートーヴェンの交響曲第四番、第五番。指揮者の大植さんはドイツにお住まい。2週間の自己隔離を経ての運命は音楽の喜びに溢れ、決意がみなぎっていた。奏者間の距離、指揮者との距離、いつもと勝手が違って戸惑うこともあったはず。聴衆の入場者数を制限しているせいか、響きがいつも以上によかったかもしれない。コンサートホールにオーケストラが戻ってきたことが、何より嬉しい。飲み物や軽食を販売しているカウンターは閉鎖され、ホワイエにあるテーブルも撤去されていて、社交の場としての性質もあったはずのコンサートホールで「おしゃべり」を止められているのはちょっと寂しい気もするけれど・・・。
なんて考えていたら、国内での業界最大手たるNHK交響楽団が定期演奏会をしばらく休止、既に販売された定期会員チケットは払い戻しという情報が流れてきた。同じ日程で、改めて演奏会を組みなおすらしい。予定されていた外国人の指揮者やソリストが入国制限により来日できず、曲目の変更も必要、いつもの席に座れない、となると一旦払い戻して新たに販売するというのは合理的なのかもね、とはいえこれは、業界最大手で予算も潤沢であろうあそこだからこその判断かもしれないな、とか思ったり。
またいつの日か、マーラーやリヒャルト・シュトラウスなど大編成を要する作品を、いつもの席で聴ける日が戻ってくることを祈りたい。
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