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泣く演技ができるようになる方法

【動画版はこちら】


どうも、木全俊太です。

今回は

『泣く演技ができるようになる方法』

というテーマでお送りしたいと思います。

僕は以前芸能事務所でマネージャーをしていたことがあって

今回の記事でも、その頃の経験から

皆さんにお伝えしたいことをシェアさせて頂けたらと思います。

はい、というわけで今回は

『泣く演技ができるようになる方法』

というテーマでお送りしたいと思います。

泣く演技、難しいですよね…。

演技において一番難しいのが

この泣く演技だと個人的に思ってるんですけど

最初にお伝えしておかないといけないんですが

今からお伝えする方法は

決してこれをやれば必ず泣けますよ

という方法ではありません。

ガッカリさせてしまっていたとしたら申し訳ないんですけど

実際そんな魔法のような方法は存在しないんですよね。

プロの俳優さんであっても泣けない時があるのが

この泣きの演技なので

逆にこれをやれば必ず泣けるっていう方法があれば

誰も苦労しないですよね。

でも泣きの演技が出来るようになる近道と言える方法はあります。

なのでこれからその方法についてお伝えできたらと思います。

まず泣きの演技でうまくいかない人が陥りやすいこととして

泣こう!泣こう!

泣かなきゃ!泣かなきゃ!と

そう思ってしまっているというのがあります。

そういう風に頭で考えてしまっていると残念ながら涙って出てこないんです。

涙って例えば何か悲しみの感情に浸っている時に出てくるものだと思うんですけど

泣こう泣こうと考えてしまっている時点で

悲しい気持ちとは違う感情

悲しいというよりも〝焦り〟の感情が

頭を支配しちゃってるんですよね。

なので矛盾して聞こえるかもしれないですけど

泣く演技をする上でまず大事なのは

泣こうとしないことです。

それじゃあどうすればいいのかというと

なぜこの役はこのシーンで泣いているのかを

事前にしっかりと掘り下げることです。

つまり、その役が置かれてる状況を深く理解して

その役の気持ちを想像してみることです。

ちょっと抽象的なので分かりやすく言うと

例えば

【恋人を亡くして涙を流す】

というシーンがある役だったとしたら

この役にとってその恋人はどういう存在だったんだろう

その恋人との出会いはどんな出会いで

その恋人は今までどんなことをその役にしてきてくれたんだろう

楽しかった思い出は何かとか

逆にどんなことでぶつかってきたのかとか

そうやっていろんな時間を共有してきたその恋人が

死んでしまったということ

もう二度と会えなくなってしまったということ

それがその役にとってどれだけ悲しいのかを

まるで自分のことのように感じられるまで

深く思いを馳せてみることが大事です。

そう聞くと

いやいやそんなたくさんのことを短い本番の中で感じられないよ…!

と思う人もいるかもしれませんが

そうなんです

その通りで

本番で急にその役の泣きたくなる気持ちに急になろうと思っても

それは無理な話です。

なので、これは役作り全般に言えることではあるんですけど

泣きの演技は特にその演技の本番の日までに

どれだけその役の気持ちを落とし込む準備をしてこれたか

ということがすごく大事です。

そうやって役の気持ちを深く理解する時間をとればとるほど

本番で自然と泣きたくなってくる感情になれると思います。

なので逆に本番で涙が流せないとしたら

それは役作りが、役を理解しようとする時間や気持ちが

足りなかったということです。

よく役の気持ちじゃなくて

自分が実際に悲しかったことを思い出して泣こうとする人もいて

それはそれで自分の感受性を豊かにするっていう意味では

すごく大事な訓練方法の一つではあると思うんですけど

俳優自身の体験から泣こうとすると

それはその役としての涙とは言えなくなってしまうので

あくまで役としての涙が流れてくる状態に持っていかなきゃいけません。

監督さんにも

「あ、なんかこの子は別のことを想像して泣こうとしてるな…」って

なんだかんだバレちゃうものですからね…汗

ここからはちょっと違う視点の話をしていこうと思うんですけど

俳優の竹野内豊さんが

以前インタビューでこんなことをおっしゃっていて

「僕は泣きの芝居では

〝泣こう!泣こう!〟とは思わないで

逆に〝泣かないぞ!〟と思うようにしていて

〝泣かないぞ!〟と思うほど泣けてくるんです」

というお話をされていて

すごく興味深いお話だと思ったんですが

たしかに僕ら人間って

普段感情を隠す生き物だと思うんです。

泣くっていうことひとつとっても

普段自分が涙を流しているところって

本来人から見られたくないものじゃないですか?

ちっちゃい子のように

お父さんお母さんに何かを訴えかけて

人前であっても泣くちっちゃい子はいますが

基本的に人は大人になるにつれて

理性というものが備わってくるので

人前で泣こうとはしないわけです。

これが演技とどう関係があるのかっていう話なんですけど

普通の日常では人は恥ずかしい感情を隠しがちなのに

芝居になると

特にまだ芝居を始めたての人は

自分の感情を見せよう見せようとしがちで

自分は今悲しいんですとか

自分は今怒っているんですみたいな

言ってしまうとすごくあからさまで

わかりやすい演技をしてしまいがちだと思うんです。

なので自分が演じる役が

もう理性も備わってるであろう大人の年齢の役だったとしたら

泣きの演技であっても

自分は悲しんでいるということを

見ている人に伝えよう伝えようとするような

そういうオーバーな泣き方はNGです。

悲しんでいることを表現しようとしちゃってる時点で

本来悲しんでいるその役の気持ちになれていないということだからです。

だって僕らが例えば何か映画だったりドラマを観て涙を流す時って

泣こう泣こうとして泣いてるわけじゃないですよね。

なので最初の話に戻りますが

無理に泣こうとするアプローチは

そもそも大人の人間の理性的に不自然ということですね。

でもその役の気持ちというものがちゃんと深く理解できていれば

泣こう泣こうと思わなくても、自然と涙が溢れてくるものです。

涙は流すものじゃなくて結果として流れてきてしまうもの

ということです。

なので泣きの演技をするために一番大事なことは

この役が涙を流してしまった理由は何だったのかという

その役の感情を深く理解することが一番大事です。

要はその役の感情が自分の感情かのように思えるぐらいに

本番までに役作りを積んでいくということですね。

ふと思い返してみてもらえたらと思うんですが

僕らが普段感動系の映画やドラマを見ていて涙を流す時って

その役の背景を見てきて

その役に深く感情移入したからだと思うんです。

役者さんが涙を流すシーンを、そのシーン単体だけ見せられても

自分まで感動して涙を流すってことはないですよね。

でもドラマや映画を頭から見てきて

その役のこれまでの経緯を知っているからこそ

その役が涙を流すシーンで

その〝涙の理由〟がよくわかるからこそ

役の気持ちに深く共感できて

涙が出るんだと思います。

なので自分が演じる役に涙を流すシーンがあったとしたら

そのシーンを演じる日までに

その役がそのシーンを迎えるまでにあった色んなことを

一つ一つ丁寧に振り返ってみてもらえたらと思います。

そうすればきっとその役の気持ちが自分の気持ちとシンクロして

泣こう泣こうなんて思わなくても

涙が出てくると思います。

涙というのは

その役に、そのシチュエーションに没入することで初めて流れるものなんですよね。

なかなか口で言うのは簡単で

実際にやろうと思ったら難しいことではあるんですけど

泣くシーンがある役をやることになったら

ぜひこのアプローチを思い出して試してみてもらえたらと思います。

あと本番中ですね

たとえどうしても涙が流れてこずだったとしても

焦る必要はないです。

というか本番までにやるべきことやったらですね

本番は泣けるか泣けないかとか考えなくていいです。

涙が流れたらOKで、流れなかったらNGとか

そういうものでもないですからね。

たとえ涙は流れていなくても、すごく切なさが伝わってきて感動するシーンもあれば

涙は流れてるけどどこか嘘っぽくて、感動しないシーンもあるわけで

涙が流れるか流れないかが全てというわけではありません。

大事なのはあくまで

その役に、そのシーンに没入することです。

それ以外は考えなくていいです。

そういうシーンを演じる機会がありましたら

そこだけに集中して取り組んでみてください。

きっと自然と涙が流れてくるはずです。

というわけで

今回はこの辺にしようと思います。

これを読んで下さってる皆さんが

役者としてさらに活躍していってもらえることを

祈っています。

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記事を最後まで読んで下さり

どうもありがとうございました!

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