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おすすめの絵本「みずたまのたび」SDGs

先日、図書館で絵本、アンヌ クロザ の「みずたまのたび」を見かけました。何かとよく耳にするSDGs(エスディージーズ)、この絵本、おすすめです。

この本は、2016年の「青少年読書感想文全国コンクール」の課題図書にもなったものです。

内容としては、一粒の「みずたま」が姿を変え水蒸気になり、雲になり、雪、雨になり、川や海を旅するというものです。

実際、どのくらいの間、「みずたま」は旅をしたのでしょうか。

「みずたま」の旅の時間スケール

理科年表や国土交通省の地球上の水の量の値を計算しやすいように整えたものが下のものです。

地球の海の水の量は150000万km^3
大気中の水蒸気量は15000km^3
雨の量は年50万(1日1500km^3)

海の水は、3000年後(150000万÷50万)に雨になり、10日後(15000÷1500)には海へ帰ります。もちろん、全ての水分子が3000年かかるという訳ではありません。地面に降った水分子がすぐに大気に戻ることもあれば、海溝に迷い込んだ水分子は、何万年も大気に出られるないこともあるでしょう。平均的に見たときに3000年ということになります。また、水が大気を漂うことができる時間も同様です。

鍋をしたときに出た水蒸気が、換気扇から家の外に出たとします。その水蒸気は、平均的に見て、約10日間、大空を旅します。そして、海の上でしょうか。凝結して雲になり、雨として海へ落ちます。そして、海の中で約3000年の旅をして、また大空に戻ってくるといった感じでしょうか。もちろん、中には、別れた水蒸気が陸地に落下すると、植物の根から吸われ、何かの実になり、動物に食べられるものもいるでしょう。私たちの体の中にある水も、旅を続ける「みずたま」が入っているとも言えます。

水の循環を実感あるものへ

小学生は、水分子を知らないだろうし、水の循環は学習したとしても、それはどこか遠い世界の実感のないものなのではないでしょうか。

この絵本では「みずたま」に目鼻口をつけた擬人化まではしていませんが、「みずたま」をずっと追っています。この絵本をきっかけに、子どもに「みずたま」がどんな旅をするのか、自分なりの絵本を作ってみよう」と声を掛けてみるのもいかがでしょうか。水を擬人化して物語を作ることをきっかけに、水が姿を変えること、長い旅をすること、そして元の姿に戻ることを意識させることができるのではないでしょうか。また、水が循環していることを意識させることで、持続可能な社会がつくられていることを感じさせることができるのではないでしょうか。

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