感覚は、正しい


朝、起き抜けに そう 頭にうかんだ。

まるで、
眠る前に、何かの問いを 投げていて
眠っている間に それを 考えたかのように


ただ、
特に 意識して そうしたわけじゃ なかったのだ


今まで、
こうだ! と 思っていた事で、
予定していた事が、

あれこれ あって、
その時期に 来てみたら

「なんか 違うかも」 

そう 思えて


感覚が 示す方へと
舵をきってみた 


それが、 気になっていて

いつもは、 あたまで 考えるから
『思考』が 正しいと思う事を 選択してきた


『正しい』に、向かっているはず だったのに
どんどん 『自分の感覚』と 離れてきている事に
うすうす 感づいてきて
そのことに 混乱していたのだ


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感覚を 優先するようになると、
なぜか、思考が 静かになる
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頭の中が しーんとして
明るいけど、朝もやの中にいるような

たぶん 見えているのは、湖

水面が 静かなのだ 穏やかで 
見ようとした 像だけをむすぶ


私は、自分の手に 負えない事があると、
よく その湖に行ったのだ

ボートで こぎだして

足元にある 石を 落としていく


岸にいるときに、積み込んだつもりはない
ボートで 湖にこぎ出すと 現れてくるものだ

わたしの イメージの中の 投影である
やり場のなかった 感情たちだ


触ると ごつごつしていて
見た目どおりの 重さがあって
その質感を 感じる


オールを置いて、水面をのぞく  

石から 手がはなれる
投げ込む というよりも、
水面に そっと 置くような感じ


指先を緩めると 石が水面におちて
音をたてる

ゆらゆらと しずんでいき、やがて みえなくなる


水音を 立てて 沈んでいく
深い水の色に 溶けていく

石の姿が 見えなくなっても
気が済むまで 見ている

姿が見えなくなっても 見つめる
私が石にうつした 思いが 見えなくなる
離れていく


そうやって、
気持ちを 湖に ほおりこんでは
手放してきた。 


なんとなく、ある時期から 始めたことだ
特に 思いあたる きっかけはなかった

いや、あった かな。
たぶん、
じぶんが これ以上 思いを抱え込まないための儀式



心のなかの 湖で、
他には だれもいない


持っている 石は 気持ちの投影
実際のもの じゃない 


でも、そうやって 頭の中で映像化して
船底にころがる石を 湖に 石を落とす


そうやって にぎりしめていた思いを 
手放してきた


感情をみつづけると、思考が動き出して
たくさんの 解釈をして
情報量が苦しくなって 持てなくなる

それを こじらせる前に 石にする
石の形に 封印すると、もう 熱がない

湖に 帰す


もしかすると、
ひとりでに 気持ちを 抑え込んで 
封印してきた かも しれない


そうやって、気持ちを 石に逃がして
石という 圧縮した形にして
湖にほおりこむのだ


きっと その わたしが 今まで 
水面に落とした石は、 どこかにたまっていったのかも
しれない 底はみえない湖だったから


ゆらゆら しながら 沈んでいって
やがて わたしからは 見えなくなった

きっと そうやって 気持ちを 押し込めてきた
感情を見なくて すむように


でも

感情は、こころの感覚だ


そうやって

心の湖に、戻そうとして
手放さなくっても、

いつも そこにいる


いつも 共にいてくれるのだ

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これからは、
感覚が 示してくれる
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