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好きな 映画のはなし

昔、新卒で 入った会社を
(心身の都合により、中略イタシマス www)
辞めるって 間際

パテーションを隔てた 隣の部署の 
年の離れた社員さん(以降、『先輩』)と
映画を 観に行った。

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 その人と 観たのは 
 『ラストサムライ』
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その人は、映画館の近くの家に 住んでいて、
よく 映画を観に行くんだって 言っていた。

映画を観るには、いつもの型が あって
予告編をやってる間、
「お酒」をのむのだ という。

つまり、映画が始まる前に、
自分の今いる 世界の縁を 緩めて
その世界観に すうって 入れるようにするんだ
とのこと

わたしは あまり、
お酒が 飲める方じゃなかったんだけど

そういうものなのか。 そう 思って
500mlの モスコミュールみたいな
ちょっと 苦めのお酒を カウンターでオーダーした。


彼女は ラガービール と『おつまみセット』で
ピーナッツの入った柿ピーを。
私は ビーフジャーキーを チョイスした。

映画館が 暗くなり、
わたしたちは 話すのをやめた

そういえば、映画館で映画なんて、久しぶりだなって 思いながら
徐々に映画の世界に入っていく。

トム・クルーズ演じる オールグレンは、敵方にとらえられた軍司役のようだ。
先の時代に、自国が領土というか 経済的な勢力を得るために、送り込んできた「先鋒」となる 立ち位置。

きっと、そんな世界線もあったんだなって 思いながら映画を観ている。

だんだん、自分がまるで  その場の空気に とけこんで
すぐそこで みている様な 気になって来る。

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■映画のあらすじ■

オールグレンは、ある事があって、酒におぼれている。じぶんの中の、何かを「まひ」させる為に。
自分が自分の立ち位置で 生きていけるように。

彼は、彼の部隊が攻撃し 滅ぼしたの部族の遺品を大事に持っている。そうしたくて、そうしたわけじゃない。そんな風に思っているのか。自分が戦う事の中に、正義をさがしている。

一方、ふだんは都を離れ、山奥の郷で暮らしている、以前 天皇に直近としてつかえていた 渡辺謙演じる勝元は、ある部族の長である。

あるとき、彼の軍勢と、オールグレンの指揮する軍勢が戦い、味方は散っていき、オールグレンは とうとう
一人となり、 追い込まれてしまう。

彼に とどめを刺そうと、 多くの敵が周りを囲んだが、彼は最後まで 闘う事をあきらめない。ついに力もつきかけ、 とどめを刺そうとしてきた相手に、逆に一撃をみまう。その姿を 勝元は見ており、何かを彼の中に見出し、彼の郷へと連れ帰る。

徐々に、最初は 理解しがたく思っていた、そこでの暮らしの中に、そこで暮らす人々の「あり方」を見る。

時は経ち、廃刀令がしかれる。 西洋的な軍事色が、徐々に 濃くなっていく時代の中で、彼らは侍として
生きようとするが、、、

という内容。

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■この映画が、好きな理由■

とても 美しく 郷の風景が ひろがる。
そこで 生きている人たちの 豊かさや強さや、そういうものがフィルムに残っている。

時代は変わっていっても、きっと変わらない物もあるはずだ。それは形を変えて、今も生き続けているのかもしれない。そんな風に思える映画。

私は、この映画が  好きである。

この映画は 文句なくすばらしい。
この映画をこえる映画を、まだ 観たことがないのだ。

しかし、超大作なのである。
重厚な世界観の縁で、
私は ある限界を おぼえはじめる。

ストーリーはだんだんと、佳境に入っていく。
是が非でも観ていたい。

しかし、通路側の席に さそってくれた先輩がいる。
その夜 映画館はとても混んでいた。

だんだん、額から汗が噴き出してきた。
よし、このまま汗として 水分を 出し切れば 大丈夫そんなことを 考え始めるまえに、いろんな感情の波が押し寄せて わたしは号泣していた。

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■感想とか■

「ね?いい映画だったでしょ?」
何度も観に来ているという 先輩の問いに、
無言で 何度もうなずく私。荷物をかき集め、足早に通路の階段をおりていく。

もう、ラストでは、みんな感動しすぎて 席から動けずにいた。エンドロールも、ひとりのこらず、最後までみていた。
わたしも、その映画に関わった人全員に拍手を送りたくて そうした。
貯水率も、感動も 最高に盛り上がった 映画だった☆

それ以来、私はアルコールを映画館で飲むことはない。
先輩の言うように、とても何かがふるえる映画だった。だから、最初からアルコールなんて、必要なかったのだ。

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この間、テレビで再放送をみていた。
たかは 美しかった。哀しかったのは、戦いの場面よりも、髷を切られてしまうシーン。見ていて、とても心が痛かった。

時代が変わってゆくとき、変化が訪れる。
そのスピードは とても速い。

愛すべき時代や価値観に、別れを告げなくてはならない事もある。

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 未来に向かって歩くという事は、
 過去の上に「いま」を 
 すこしずつ 積み重ねていく事だ。
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変化が訪れて、時代が変わる。

わたしは、慣れ親しんだ 過去から離れて、
次の時代に 行かなくてはならない。

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