ナンバーレスクレジットカード
楽天カードがナンバーレスを始めたというので、2枚目の楽天カードをナンバーレスで作ってみました。
ナンバーレスはまだ珍しく、未対応のイシュア(クレカ発行会社)の方が多い状況なので、それ何?どうやって使うの?という人もいると思いますが、用途によっては便利なので、機会があれば作ってみてくださいね。
なお、楽天カードは1枚目にナンバーレスを選択することはできないので要注意。1枚目にナンバーレスカードがほしい場合は、後述するメルカードなどが作りやすいと思います。
楽天カード(ナンバーレス)発行開始
表面は名前(英字)が印字されているのみ。冒頭の引用画像(公式サイトから引用)はEdy付きなので裏面にEdy番号も印刷されていますが、筆者はEdy無しで作ったので、裏面には発行日とポイントカード番号・バーコードしかありません。シンプルでいいですね!
初日(2024年7月29日)に申し込んで、即日(即時?)審査が通り、簡易書留郵便で8月2日に到着。実質3営業日くらいで発行されています。2枚目なので各種登録も本人確認もすっ飛ばして、審査もほぼ素通りだったことが大きいのでしょうが、早いですねー
ただし、ナンバーレスカードなのでオンラインで使う場合はカード番号等を楽天カードアプリで見る必要がありますが、カードが届いてからe-Naviに登録されるまでに数日かかるため、それまでオンラインでは使えません(^^;。
(オンライン決済に必要なCVV(CVC)は、e-Naviに登録されるまで確認できません。暗証番号は申込時に指定しているので、店舗や券売機・改札機等のICカード利用に限れば、たぶん届いた時点で使えると思います。)
楽天カードといえば2011年に旧KCカードと別れて今の形になりましたが、それから破竹の勢いで伸びて、2023年12月にはカード発行枚数が3,000万枚を超えたそうです。年間取扱高も20兆円を超え、国内クレジットカードのシェアNo.1です。
でも楽天カードは2枚目のカードを作れ作れとせっせと宣伝しているので、1人で2枚持っている人もけっこういそうです。
筆者は「VIEW Suica」がメインカードで、通信料金などの支払いはこちらにまとめていますが、紛失等があると厄介なので、街中で使う際は他の(ナンバーレスな)カードを使っています。
楽天カードだけでそういう需要を満たすには2枚発行が便利なのかもしれませんが、いわゆる楽天経済圏にどっぷり浸っている人以外は、普通に他社のカードを併用していると思います。
ナンバーレスクレジットカード
ナンバーレスカードいろいろ
筆者の手元にあるナンバーレスなクレジットカードは、PayPayカード、メルカード、Nudge、そして今回の楽天で4枚目です。
(Kyashは表面には無記載ですが、裏面に印刷されているので、正確にはナンバーレスではありません。)
5枚も作って何に使うんだ?と思いますよね…まあ使いませんよね(^^;。
KyashとNudgeはちょっと特殊な位置づけですが、この5枚の中で一番使っているのはメルカードですね。もとい、他3枚はもう使っていません(^^;。
Kyashは表面には無記載ですが、裏面にカード番号からCVVまで全ての情報が揃っているので、かえって良くないように思います。どうしてこうなった…
PayPayカードはナンバーレスですが、裏面に署名欄があるのでダメですね。ICカードは署名なんてしないのに、規約の改正などが間に合わなかったんですかね?
これらは持ち歩く気がしないので、財布にすら入れず自宅放置です:)
元々PayPayカードは「Yahoo!JAPANカード」(一般的なエンボスカードだった)が強制的に交換されて届いただけなので、Yahoo!ショッピングくらいでしか使っておらず、今後も使わないと思います。
NudgeはJCBで、タッチ決済もできますから、「stera transit」で使っていました。
Nudgeはコンセプトこそ面白かったですが、2024年春以降に相次いで条件改悪され、ちょっと酷いなと思ったので、残高を使い切りました。もう使わないと思います。
メルカードもJCBのタッチ決済対応なので、今はメルカードの出番が多いです。
そんな折にちょうど今回の楽天カードVISAナンバーレスが出てきたので、今後「stera transit」にはこちらを使う予定です。
ナンバーレスクレジットカードとは
その名の通り、券面にカード番号(会員番号)が印刷も刻印もされていません。
今は全て機械処理ですから、店頭ではIC端子または非接触で、改札機等ではタッチ決済で使うので、カードに会員番号が表示されている必要はなくなりました。そんな時代の変化を反映した新しい形です。
ただし、オンライン取引ではカード番号(会員番号)と有効期限、CVVが必要になりますが、これらはアプリで見るようになっています。要はスマートフォンの普及を前提にしたナンバーレスです。
初期のナンバーレスカードは三井住友カードが2021年2月から、PayPayカードが2021年12月から発行していますが、署名欄が残っているのが残念です。筆者は署名欄を真っ先に廃止してほしかったので、これではメリットが少なくデメリットが大きい感じです。
国内では割賦販売法により2020年4月以降はICカード対応が事実上必須になっており、ICカードでは署名に代えて暗証番号を入力するので、もう署名欄は要らないはずなのですが、海外での利用に配慮したのか、または約款等の修正が追いつかなかったのか、署名欄が残ったままになっています。これではせっかくのナンバーレスも台無しで、アプリを使う手間だけ増えてしまった感があります。
その後に登場したNudge(2021年夏~、番号印刷付きカードもあり)やメルカード(2022年11月~、ナンバーレスのみ)などは署名欄も廃止されています。
今回の楽天カードVISAナンバーレスも、署名欄はありません。今後はこれが標準になってゆくのではと思います。
ナンバーレスカードのメリット・デメリット
でも素直に考えると、アプリで見るだなんて回りくどいことをしなくても、カードに番号が表示されている方が便利なような気がしますよね。
まあそうなのですが、近頃はスマートフォンは手元にあっても財布はカバンの奥にあったりします。オンライン決済するときにわざわざ財布を出すよりも、アプリを立ち上げる方が早い、という人もいると思います。
筆者は特急券のオンライン購入の際によく使います。電車やバスに乗りながら、次に乗る特急列車の指定席を確保できて便利ですが、出先で財布を出すのは面倒なので、スマートフォン1台で済む方が便利です。
筆者個人的にはもうひとつの理由、カード番号や署名欄が他人の目に触れるのはあまり好ましくないと思っています。
特に、近頃は鉄道やバスに乗る時にも使えるようになってきました。改札機や料金機にタッチする時に盗み見られるリスクはさほどでもないと思いますが、頻繁に出し入れすることになるので紛失が心配です。
カード券面に会員番号と有効期限、署名にCVVが載っている従来のカードは、紛失すると簡単に悪用されるおそれがあります。実際、ネット通販などでよく見かける3Dセキュアは、紛失・盗難カードの悪用を防ぐための措置でもあります。
Suica・PASMOならば(オートチャージにしていなければ)最悪でもチャージ残高を失って終わりですが、クレジットカードは青天井に悪用されかねません。その点、ナンバーレスならば少しはマシかな、と思います。
磁気ストライプは付いている
筆者が見た範囲では、今のところナンバーレスカードにも全て磁気ストライプ(MSR)が付いています。
磁気ストライプは2024年から10年かけて廃止予定(Mastercardの場合)だそうですが、海外で使うことに配慮すると、まだ外せないのでしょうね。
ナンバーレスカードであっても、磁気ストライプ付きの場合は、カード読取器があれば会員番号と有効期限は抜き出せてしまいます。磁気カードは社員証などのIDカードでも使われているので、MSRは市販されていて入手は容易。CVVは磁気ストライプに入っていないのである程度紛失リスクが緩和されますが、悪い人に拾われたら悪用されるので、もし紛失した場合はすぐにカード会社に連絡することをお忘れなく。
紛失・盗難で届け出る際は会員番号(カード番号)が必要になるので、ナンバーレスカードであっても会員番号を確認して控えておきましょう(カードが届いたときの台紙に印刷されていると思います)。
エンボスレスカード
近頃はエンボスカードを見たことがないという人もいるかもしれませんね。
今ではエンボスレスカードもよく見るようになりましたが、一昔前まではエンボスレスも珍しい存在でした。筆者が初めて手にしたエンボスレスカードは「VIEW Suica」カード(2003年~)でした。
クレジットカードの磁気ストライプとエンボス、IC端子の位置は国際規格 ISO 7811(および JIS X 6302)で定められていて、特段の理由がなければ規格に則って会員番号(カード番号)等はエンボス加工されています。
VIEW Suica の場合は、FeliCaアンテナを内蔵している都合でエンボスレスになりましたが、世界初のエンボスレスカードだったため当初は国内専用で、2004年から海外でも使えるようになったものの、一部加盟店で使えない旨が注記されていました。
VIEW Suica が普及した後、他社からもエンボスレスカードが登場していますが、会員番号が刻印されているクレジットカードは今でも多くがエンボス加工されています。筆者が見た範囲では、各社PASMO一体型のほか、銀行系デビットカードとau WALLET(※)、デザイン重視のNudgeなどがエンボスレスです。(もちろんナンバーレスカードはエンボスレスです。)
※デビットカード類は即時残高を引き落とす必要があって電子決済専用なので、インプリンターを使えなくする目的でエンボスレスになっているようです。
今では見ることもなくなりましたが、インプリンターと手書き伝票による決済が、当時はまだ地方の個人商店などで細々と使われていたので、そんな当時としては思い切った仕様でした。
今ではインプリンターはおろか、MSR(磁気ストライプ)も偽造対策で使われなくなって、2020年4月からは原則ICカード処理が必須になったので、手書きのサインをすることもほぼなくなりました(その代わり暗証番号の入力が必要)。ここ数年で、ずいぶん変わったなと思います。
スマートフォンのタッチ決済
クレジットカードが少額決済にも使われるようになって出番が増えた昨今、ナンバーレスカードと同様にセキュリティ面のメリットが大きい、スマートフォンのクレカタッチ決済が普及しつつあります。次回はその話をしたいと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?