見出し画像

第30弾「食品は、人の健康と命を支えているもの」

みなさん、今回も吾輩のnoteに来てくださり、ありがとうございますにゃ♪ 前回の第29弾「身近なものほど基礎知識が不足!?」は読んでいただけたかにゃ? 吾輩的には、家庭科の教科書に載せたらいいのにと思っちゃうレベルだったにゃ。食に関する基礎知識は、まだまだ奥が深そうだにゃ…。で、今回第30弾の先代社長の「食」日記は、2001年の弊社ビジョンにゃ。良かったら、のぞいてみてくださいにゃ! 第29弾の現代玉子の基礎知識に関する続きは、第31弾で紹介予定だから、こちらも楽しみにしててにゃ♪

従業員各位
年頭に当たり当社の基本的考え方

フレンドフーズ(有)代表取締役 藤田 勝

不況とはお客様が商品を吟味するようになることであり、価格と同レベルまたはそれ以上の満足感を得られる商品しか売れなくなることです。

それは、価格がいくら安くとも満足感の得られない商品や、お客様の価値観からかけ離れた商品は売れないということで、その商品に求める基本的機能を第一優先とし、価格がそれに対して適切かどうかで商品価値・ブランド評価・ストアロイヤリティーが判断できるほどお客様の選択眼が成長したということです。

この変化に対して、売り手側は「低価格=ディスカウント」でなければ売れないと言う錯覚に陥り、価格にプライオリティーをおいた商品政策や販売計画で対応しているのが現状であるといえます。

機能だけの使用品を コモディテイー商品といいます。たとえば醤油を例にとれば、ソースでなく酢でもなくケチャップでもない、消去法の結果の醤油。他の何者でもなくただ醤油という機能だけの価値しか持たない醤油のことです。言葉を変えると、A 醤油でもB醤油でもよく、代替えのきく商品がコモディテイー商品です。

誰しも同等の品質、同じ商品なら少しでも安く買えるのに越したことはありません。しかし売り手市場から買い手市場へと バラダイムが変化し、お客様は売り手側のコスト構造に疑問を感じこれまでの仕組みを認めない時代、これまで消費者と呼ばれたお客様が生活者としての自己実現を要求する時代にあってなお、売り手側の対応は今もなおコモディティー商品の競争志向型の価格競争に流れています。それが一番安易で、他の戦術など考える能力がないかやる気がないからかもしれません。

こと食品の技術革新・技術開発の目指してきたものは、例外なく「早く・安く・大量に」で、大量のコモディティー商品を生み出してきました。
それはもつぱら作り手側の都合からであり、時代が下っては売り手側の勝手な都合でなされ、今では日本人の味覚のスタンダードはキッコーマンの醤油であり、ミツカン酢であり、タカラ本みりんであり、雪印北海道牛乳であるといえます。

作り手も売り手も行政も、これらが本物ではないと知りつつ、あるいは怠慢にも知らずにこれまでお客様を欺いてきました。一部では他店との差別化として戦略的に高級品・高価格品を集める店も出てきましたが、その大部分は失敗に終わっています。

それはお客様の選択眼に対して売り手のそれが不勉強でお粗末であることに原因しています。この場合、「差別化」とは同業他社に対しての布石であつてお客様の存在は二次的にしか考えていない場合が多いのです。

売り手の提供する商品は無限にあり、お客様はありとあらゆる単品の組み合わせの中での暮らし、場面を作り出しています。それを「生活シーン」といい、お客さんの買い方、使われ方、食べ方などの生活シーンから、自分のお客様だけを見つめてその価値観と勝負していくしか店舗の差別化というものはあり得ません。

お客様は店の規模や価格より、それぞれのポリシーやメッセージに対してロイヤリティーを求めているのです。たとえば、競合店が扱っていないからと低温殺菌牛乳を置いてみても、その一方で大手メーカーの超高温殺菌牛乳を特売していては低温殺菌牛乳は売れないでしょう。

ポーズとしてではなく、お客様の健康な生活のためには牛乳は低温殺菌でなければならないとしたら、いかに売れ筋であっても超高温殺菌牛乳は扱うべきではなく、その決断なしではお客様の信頼・ロイヤリティーは得られません。

「超高温殺菌牛乳は売れているのだから、従って多くのお客様の支持を受けている」というのは言い訳でしかなく説得力に欠けます。
自店のお客様にどのような食生活・食卓を提案できるかは不断の勉強・研究が必要で、何を売るべきかではなく、何を売ってはならないかを判断する能力をつけることが最も肝心なことだと思います。

少なくとも、食品は餌ではなく人の健康と命を支えているもので、その食品をお客様に替わって選別し販売することは重大な責任を帯びているのだというを認識して下さい。

言葉の上で「高級店」「こだわりの店」「ハイグレード店」など呼ばれても、それは相対的なもので、絶対的店舗レベルがそれほど高くなくとも回りの店のレベルが低ければそう呼ばれるだけなのですから。

呼称はともかくとして、弊社の基本戦略は絶対的な差別化店、独自の商品とサービスの基準を持ち、そのレベルを維持する店を目指すことです。

そのような商店には競合はもちろん限定された商圏などなく、お客様は万難を廃してでも来店し、全京都が商圏となり繁栄し得ると確信します。それがためには、皆様方の毎日の作業・行動にだらしな
さや不親切、不注意、無礼不作法があってはならず、店の基本的理念の実現に高い意識を持ち仕事にあたって下さい。

2001/1/1 先代社長「食」日記

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?