私の仕事、転職エージェント
最近先輩が独立したり同期の転職話を聞くので、自分を奮い立たせるためにも文字化。
早いもので、転職エージェントとして働き始めてから丸3年になる。
経験年数で言えば若手と中堅の間、気づけば社内ではそこそこアドバイスを求められる立場。
なんとか続けられているのは、主に飽きている暇のない仕事と刺激の量、ちょっとは辞めると言い出せない性分、のおかげ。
面談した人数は合計すると700人近く、営業に行った先は上場企業を中心に400社近い(概算)。
これだけ多様な知識を得られる環境はなかなか得難いと思って続けていられる。
業界の知識はもちろん面白いなぁと思って吸収するが、1番おもしろいのはニンゲンだなぁ、という感想が日々増している。
バカにしているわけではなく、自分と違う考え方に触れるのはおもしろい。
エージェント業の真髄、といった感がある。
現職が衰退産業と理解していながら、転職活動に踏み出せず時間を浪費している人。
周囲の勢いに呑まれてベンチャーに転職したものの水が合わず、元いたような落ち着いた環境に戻りたいと反省している人。
やりがいが大事と何度も繰り返しながら、最終的には提示年収で決断する人。
(個別事例でなくフィクションです)
プラトンは人間の魂を「理知」「気概」「欲望」に三分割していたが、それからおよそ2500年経った今も人間の本質は変わらないまま、全く同じ項目で分類できる。
理知的だが気概がない人、欲望オンリーの人、などなど…
何を優先するのか、何を避けるのか、人生の進路決めに立ち会えるおもしろさを感じる。
無限に変数が絡んでくる。年収、勤務地、家族の意見、上司の圧、会社の業績などなど…
良い悪いではなく、個別の生き方に100%共感はできない。別の生き物なので。
だが、できる限り寄り添い、自分だったらとトレースし、最適だと思う方針を提示することはできる。
場合によっては転職しないことを勧めるケースもあるし、その考え方は違うと思う、と敢えて投げかけるケースもある。
予想外の話をするとびっくりしたり、不機嫌になったり、これも人それぞれ。
伝え方は気を使うけど、やっぱり後味が悪い面談になることはある。
いい話ばかりすれば気分良く終われるよなぁ、と思いながら、バカ正直に話す。
常に誠実でありたいし、そこにストレートに向き合って議論して、合意したうえで動き始めないと良いサポートはできないと確信している。
もちろん、人対人なので、合う合わないは絶対にある。面談した全員に頼ってもらいたいが、なかなかそうはいかない。
その中でも共鳴する人の役に立ちたい、そのためには真正面から知識と自分なりの見立て、僭越ながらアドバイスを伝えることしかない。
面談が数字としての成果にならないことはあるだろうけども、この先もスタンスは変えたくない、と思っている。
おもしろい仕事だ、転職エージェント。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?