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ドキュメンタリー作品の字幕で紐解く アジアの今

私は2020年から「アジアンドキュメンタリーズ」の作品を数多く字幕翻訳してきました。どれも、アジアの国々で今起きていること、知られざる人々の暮らしや生き方、文化、紛争などについて深く考えさせられるいい作品ばかりでした。

ただ、この動画配信サービスはもちろん有料です。ドキュメンタリーが好きでないとなかなかお金を出してまで観る人は多くないかもしれませんし、このサービス自体を知らない方も多いと思います。日本とアジアのことを考えるいい作品が多いのに、ただ埋もれてしまうのはもったいないと常々考えていました。

それで、少なくとも私が関わった作品の英文と字幕を紹介することによって、その作品のコンセプトや大切なことを知っていただけるだろうということ、また、アジアのことを学びながら英語や字幕の勉強にもなるのではないかと思い、noteに書かせて頂くことにしました。

引用が多くなりますが、できるだけ7つの塊に分け、1日1つの塊を音読したり、訳を考えたりしながら1週間かけて読み進めていただいたら、ちょうどよいのではないかという分量にしていきます。できるだけ週末にがんばって1つずつ記事をアップできればと考えています。(仕事の関係で滞ることがあるかもしれません)

構成は以下のような形になります。

1.作品紹介
製作年、国、作品時間、監督名、受賞歴などと共に、その作品について読める「アジアンドキュメンタリーズ」HPのURLを貼ります。そこでは作品の詳しい紹介と予告編が無料で見られますので、興味があれば覗いてください。

2.作品の構成
作品によっては、監督が自らカメラで撮影しナレーションをつけているものもあれば、インタビュー中心のものもあります。英語で話しているもの、監督の母語で話しているもの、現地語だけのものなど、作品の原語もさまざまなので、そのあたりの紹介もしていきます。

3.Key words and phrases
このあとで出てくる英文を読む際に、いちいち辞書を引かなくてもいいように重要な単語やフレーズの意味を書きます。この一覧を見るだけでも、その作品が言わんとしている全体像やイメージがつかめますし、時事英語の重要語も身につけられます。なお、ターゲットは英語の中上級者レベルを考え、厳選してカギとなる語句のみ出します。

4.英文と日本語訳(Day1~Day7)
英文は頂いたスクリプトです。元の原語と同じ場合もあれば、原語からの英語翻訳の場合もあります。著作権は制作会社にありますが、英語学習のために引用させていただきます。引用とわかるように、noteの引用符をつけて色が変わるように設定してあります。
日本語訳は私の字幕訳が土台です。字幕は字数制限があるので、すべてを訳出できません。多少端折っていますが、ドキュメンタリーなのでかなり訳せています。読みやすいように句読点を入れてありますが、字幕であることを意識して読んでみてください。

5.まとめ
作品全体の言わんとすること、翻訳者本人の感想などを書きます。

目的別にいろいろな読み方ができると思います。

①その作品で取り上げている国のことを知りたい:
日本語の部分(訳&まとめ)だけを読んでください。

②英語の勉強をしたい、時事英語を学びたい:
英文の部分を読んで、ご自分なりの訳をつけるなり音読して味わうなり
してみてください。字幕訳を読んでだいたいの意味をつかんだら、さらに日本語の意味から英文を再生したり、自分なりの英文を作ってみたりするのも
ライティングのいい勉強になります。

③字幕ではどう訳されいるか知りたい、字幕の勉強をしたい:
ご自分の訳と字幕訳を比べてみてください。字幕訳と同じである必要は全くありません。意味がわかったら、音読して元の英文を味わってみてください。

ドキュメンタリーなので、少し堅めの内容ですし、時に読むのが苦しくなるようなものもあるかもしれません。でも、実際に起きたことであり、実際に経験した人たちの言葉です。

どうぞ、味わいながら考えながら、読んでみてください。もし作品に興味がありましたら、先ほどの「アジドキュ」のページから1本495円で観られますし、お得な月額見放題が990円ですので、ぜひ鑑賞してみてください。


2024年2月25日
映像字幕翻訳者 kim こと 浦田貴美枝
Blog:アラカンからのチャレンジ (ameblo.jp)
著書:『夢を叶える字幕翻訳者の翻訳ノート』https://x.gd/ySA4m

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