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ソロアーティスト(大塚絵美、alcea is sleepy、岡本悠利)座談会

七月末、大阪市内のカフェにて

- まず各々自己紹介からお願いします。

(大塚)大塚絵美です。奈良で活動しています。月に一回ぐらいのペースで弾き語りをしています。あとpalpurpleというバンドのベースボーカルもしています。

(alcea)大阪を中心に活動しているalcea is sleepy.です。最近は一人のライブはやったりやらなかったりで、主に旅団カーバンクルっていう13、4人いる民族音楽のバンドでよくライブをしていたり、今はほぼ活動休止中やけどROSSVILLAGEっていうエモっぽいバンドでボーカルをやっています。

(岡本)京都で活動している岡本悠利です。今は活動休止中だけど奈良のFragileっていうバンドのギターボーカルもしています。よろしくお願いします。

- まずそれぞれソロ活動を始めたきっかけ等あれば、音楽遍歴も含めて。

(大塚)弾き語りをしてない状態でまずバンドをやっていて一人暮らしを始めた時に、その一人暮らしの生活が悲しすぎて。で、当時ネットで色々動画を見てた時にJen Wood(※1 っていうアーティストの曲でずっと同じコード進行で最後まで進む曲があって。それを聴いた時に「自分でもできるかも」と思って、その当時抱えてた悲しい想いを同じコード進行でギターを弾いてみて歌を載せたら曲ができた(から弾き語りを始めた)みたいな。

(※1 https://www.youtube.com/watch?v=B7RZDPBIBX8 (当時インスピレーションを受けた曲とは異なる)

(alcea)私はもともとはちゃんとバンドをやりたかったんですけど、なんか続かへんかったり一緒にやってくれる人がいなかったりで。ギターもほんまは別に弾きたくないから誰か弾いてくれる人がおったら一緒にやれるんやけど、誰もおらんから一人でやるみたいなところから一人で弾き語りを始めたのがきっかけやったと思います。あと、当時バイトしてたところがちょっと昭和っぽいお店やったんで、そこで昭和歌謡とかフォークソングばっかりのライブをやってみいひん?って言われて定期的にコピーライブをしてて。それがあったから今もなんとなく一人でも続けてやってるのかなって感じですね。正直弾き語りに関しては(大塚)絵美さんみたいに影響されたアーティストとかはいなくて、その時々の縁とかタイミングでやらせてもらえたからライブをやってちょっとお小遣いを稼いでたっていう(笑)

(岡本)私の場合は大学に入って一、二回生の時ぐらいまで3prayerっていうバンドで活動してたんですけど、それが確か二回生の秋ぐらいかな?メンバーの就職とか留学とかの関係で活動休止期間が長くなってた時期にちょうど軽音サークルも折り合いがつかなくて辞めてしまって、ギターを弾ける場所がない時期がしばらく続いたんですよね。もともとはずっと歌わずにリードギター専門でいきたいと思ってたんですけど、ギターを弾く場所がないっていうのがめちゃくちゃキツくて。で、その後しばらくギターを弾かせてもらえるバンドを探しながら色々ライブハウスに足を運んで、縁があって「青く」っていう京都のシューゲイザーバンドのサポートを2014年くらいにやってたんですけど、まあやっぱりリードギターだけじゃなくて他にもソロでも活動できる手段があった方が自分の音楽的にもいいだろうし、それにサポートしてたバンドでもコーラスを頼まれてたので、純粋に歌えるようになった方が今後どこかでギター弾くにおいても何かとやれることが増えるかなと思って弾き語りを始めて。で、その後ぐらいに偶然Fragileにもこんぼいさんに声かけてもらってスタジオ入ってから加入して本格的にバンドでも歌うようになったりっていう感じで。もともとはギター専門で弾いてたけどちょっと色々思うところがあって歌も歌うようになったという感じです。

(alcea)みんな全然ベクトル違ってて面白いですね(笑)

(大塚)うん、全然違う。

- 一人暮らしが寂しくて、かたや昭和歌謡を歌い、ギター専門の人やったという。特に悠利ちゃんの場合は歌が後からだったっていうのは意外。

(岡本)(自分でも)あんまりないパターンだと思います。

- もともとみんなは学生時代軽音部に入ってバンドをやってたりだとか、昔から身近で音楽に触れる環境にいたわけではないの?

(大塚)めっちゃ音楽やりたいのに周りに同じような音楽を好きな人が全然いなくて。で、mixiで出会ったのがFragileで。当時はめっちゃメン募サイトで調べまくっていろんな人、それこそ何十人も会って。

(岡本)うさんくさい人とかいたりしますよね(笑)

(alcea)18、19の時私も同じようなことしてましたよ、with9とかmixiとかで。なんかよう分からん変なおっさんと会ったり(笑)

(大塚)そうそう(笑)なんかカラオケ?みたいな感じで終わる時があったり。ただカラオケ行っただけで終わるみたいなのを経て。今考えたらできないですけどね、怖くて。

(alcea)よういきなり会いに行ってたよなって思いますね(笑)

(大塚)高校の授業が終わったら大阪に向かうみたいな。

-(alceaさんは)高校時代軽音部やったよね?

(alcea)軽音部です。わたしがいたところはけっこう真面目な軽音部で部員が100人近くいて、毎年10バンドずつぐらいは演奏できたんです。(全国)大会にも出たり。

- 確か後輩にSHISHAMOのメンバーがいるとか。

(alcea)ベースが後輩ですね。あと同期ですごく近いところにいるのがKANA-BOON。友達の友達ぐらいの関係。

(大塚)へー、すごーい!

(岡本)私とか高校が(兵庫県)高砂市っていう姫路の近くのところにある高校で。もちろん軽音部もないし、めちゃくちゃ真面目な学校でエレキギター禁止っていう謎の決まりがあって、文化祭なんかではピアノ、ベース、ドラムっていうのはOKなんだけどエレキギターはダメみたいな。なので軽音部もあるはずがなく高校時代は「無」で(笑)家でアコギ弾いてました。

(大塚)いつ(アコギを)始めたんですか?

(岡本)アコギは高校一年生ぐらいの時に買って、PLAYTECHのめちゃめちゃ安いやつ。で、大学に入ったら軽音サークルに入ろうと思ってて。ちょうど歳がちょっと上のお姉ちゃんがめちゃめちゃ音楽の趣味が合って、お姉ちゃんが京都の方の大学行ってたんで高一から高三ぐらいまで後に入ることになる軽音サークルにずっと入り浸ってて。何々ちゃんの妹、みたいな。

- みんなライブハウスに行きだしたのはいつぐらいから?

(大塚)私は高三ぐらいからですね。

(alcea)同じく。高二、高三ぐらいからです。ほんまに毎週どっかしらに見に行くみたいな感じでしたね。the band apartとかBRAHMANとか見に行ってましたね。

(岡本)姫路の方はあの、インディーズバンドのツアーの日程がCDの中に入ってるじゃないですか、あれ見ても姫路でやってくれるバンドはほぼいなくて。だいたい神戸で次は岡山みたいな。姫路の人からしたら神戸は遠いんでちょっとな…って。なので大学入って音楽活動を一回生ぐらいの時からしてたんでその頃から。最初は周りで外バンやってる友達のライブを見に行ってて、二回生ぐらいからは自分でやってるバンドの活動を通して親しいバンドとかも増えてきたし、気になるインディーズのバンドのライブを見に行ったり。

- なるほど。次にソロ活動の際に参考にしているアーティストや影響を受けたアーティスト、別に人じゃなくてもモノとかあれば。例えるならインスピレーションの源的な。

(大塚)(影響を受けたのは)Julie Doiron(※2 ですね。インスピレーションの源…

(※2 https://www.youtube.com/watch?v=2NKc1kHJrxQ

- どういう時に音楽が浮かんでくるとか。

(大塚)何かをしてて浮かんでくるというのはないんですが、映画を観た後に作った曲は、その時の情景を歌っていたということがよくあります。その時の自分の心情と、映画の情景が重なるというか。

- 最近ならどの映画を観た時?

(大塚)宣伝になりますけど「bird」っていうアルバムの一曲目に入っている「きみのうた」なんかは「この世界の片隅に」(※3 、あと「petal」っていう曲は蒼井優とオダギリジョーが出てる「オーバーフェンス」(※4 を観た後になんとなく曲を作りたくなって、作って歌詞載せていったらだいたいこの映画で思ったことやったみたいな感じですね、結果的に。

(※3 https://www.youtube.com/watch?v=kczb7IJJg0g

(※4 https://www.youtube.com/watch?v=IHeM3tkqnY0

-「オーバーフェンス」はいい映画よね、職業訓練校が舞台で、出てくる登場人物が皆何かしら事情を抱えてて。

(大塚)正直変わった映画やったんですけど、観てちょっとしんどいぐらいで。でも良かったですね、生きる希望みたいなのをもらえて。あと、本もですね、小説も。ちなみにpalpurpleの「apartment」っていう曲は(群ようこの)「れんげ荘」っていう本があるんですけど、そこから付けました。

(alcea)私はどっちかというとけっこうオタク寄りなんで音楽的なアレは…ま、一人で音楽作る時はほんまになんかあの、イライラしてる時とか生活に困ってる時の方が歌詞がバーッて書けるというか、そういう時じゃないと書けなくて。で、19から22、3ぐらいの時にめっちゃ曲いっぱい作ってて、めっちゃ根暗なんばっかりの。(今振り返れば当時は)イライラしてたんでしょうねえ(笑)

(大塚)わかる!私も曲のタイトルが「窓」とか「カーテン」とか、一人で家の中にいてそこから見える景色を歌のタイトルにしたりして(笑)

- 外に出ていきたいとかいう前向きな気持ちじゃなくて、部屋の中にこもってる時の鬱々とした感情を歌にしてたんだ(笑)

(alcea)昔はそういうのが多かったんですけど、最近でいうとある時から普通にライブするんじゃなくてストーリーを作って一つのアルバムを作るとか、ゲームのサントラみたいなことがしたくなって。で、ライブするより打ち込み作ってみたりとかが多くなっていったって感じですね。ICO(※5 っていうゲームがあるんですけど、塔に女の子が囚われててそれを助ける半分人間半分怪物みたいな男の子が女の子の手を引っ張っていくっていう、すごく操作性の悪いゲームなんですけど(笑)それの音楽(※6 がめちゃめちゃ良くて、大島ミチルって人が全編作ってて。なんかアンビエントっぽい感じの、その時はそんなん知らんと聴いてましたけど、初めて聴いたのは小学生の時とかで。そこから物語のあるものを作りたいってなってくると、M3っていう音楽系の即売会、コミケの音楽版みたいなのを覗きに行ったりとかしだして、だんだん方向性変わってきたかなと。

(※5 https://ja.wikipedia.org/wiki/ICO_(ゲーム)

(※6 https://www.youtube.com/watch?v=XWVij6r4QBw

- 一曲ずつ単体で考えるよりも、ある程度作品のコンセプトだとかストーリー性を重視するようになっていったってこと?

(alcea)っていう風にした方が面白んじゃないかって考えた時に、普通のライブハウスでライブしてもただ浮いてる人になっちゃうんですよ。なんか、それっぽいことを言ってる浮いてる人に。

(大塚)作品それ自体の再現ライブとかはしないんですか?

(alcea)いや、やるにしても普通のライブハウスじゃなくてある程度雰囲気のあるところでやらないと(成立しない)普通の曲とストーリーのある曲を一緒にやるとすごいちぐはぐになってしまって、一時期はほんまどうしよって悩んでましたね。

(大塚)でもいろんな(雰囲気の)曲があった方が面白いですよね。私が作ると全部同じになるし(笑)

- 逆に(alceaさんを)知らない初見の人からしたらいろんなことができる人っていう感じで幅の広さを見せることが出来て好意的な受け止め方をしてもらえる気もするけど。

(alcea)最近は開き直っていろんな時期の曲を持っていってやってますけど(笑)とにかくまあ、そんな感じでまとめると影響を受けたのはゲーム音楽です。バンドももちろん好きですけど。

(岡本)私は、たぶん音楽的にというか、人間的に影響を受けてる人が京都にいて、you,any(※7 っていうバンドでボーカルやってるみつきゃすたーって人なんですけど。同じ大学の同回生で、その頃三年間ぐらい家が隣同士で、全然ギター弾けない頃からギターについて音作りとか色々教えてもらったり。なんか存在が不思議な子でなんていうのかな、自分の身の回りに本気で音楽やるっていう人が大学一回生の頃いなくて、でも彼女は十代の頃からずっと音楽活動を(地元の)沖縄でしてるような子だったからもうオーラが違って。彼女に会ってなかったら音楽もこんなに続けてないだろうなと。で、曲もすごい好きなんで私はみつきゃすたーとかyou,anyの曲は全部カバーできるし、コード感も影響を受けてると思います。

(※7 https://www.youtube.com/watch?v=1epcRuqa9dA

- 確かに彼女は歌めちゃくちゃ上手いもんね。

(岡本)他の誰にも似てないというか、表現しづらい人ですね。生活面でもいろいろ支えてもらったし(笑)

- なるほど。では今回のメインテーマでもある各々の生活の中での音楽の位置づけ、関わり方について。今ハマっているものだとか生活の中で大きな比重を占めているもの、仕事だったりだとかが自分の音楽活動にどのような影響を与えているかについて教えてもらえたらなと。例えば仕事なんかは生活の中で大きな時間を占めているだろうし、趣味に費やしたり没頭したりする時間の方が音楽活動に費やす時間よりも長いだろうから、そういったところから音楽へのインスピレーションが生まれたりすると思うしね。

(大塚)弾き語りの方が(バンドに比べて)もっとラフな感じですね。バンドだと期限を決めて色々集中して毎日作業したり、アルバム作ろうっていう時はそんな感じやったんですけど、そういうのがないとやりたい時にやるしやりたくなかったらやらないみたいな感じですね。バンドはもうずっとやるみたいな感じなんですけど、みんなでやってるんで。スタジオも絶対入るって決まってるんですけど、弾き語りはもうほんまにやりたくなかったらやらへんし、曲ができた時はいっぱいやるしみたいな。

- 弾き語りは自分のペースでできるもんね。

(大塚)そうですね。

- 例えば仕事してる時とか家事してる最中に「あっ」みたいな感じで曲が降りてくることはないの?

(大塚)私はぶっちゃけあんまりインスピレーションとか降りてこないんですよね(笑)ギターを適当に弾いてたら(途中から)楽しくなってきて曲ができるか、いや楽しくないなと思ってギターを置くかの差みたいな感じで、最初はなんとなくやろうみたいな感じでやってギターを持った時にできた曲がたまたまその時観た映画とかが関わってくるっていう感じで。本を読んだから「あ、曲生まれた」っていうことはほんまにないですね。あと、好きなアーティストとかの曲を聴いてて自分もこういう曲作ってみたいなと思って(自分の中で)音楽楽しい!ってなってる時によし、ギター弾こうって思ってギターを手に取ったらバーッてできるって感じです。あと、(alcea氏が)さっき言ってたフラストレーションが溜まってる時の方が曲ができるのかもしれないです。なんか仕事でいらんことあった時とか。昔よりかはネガティブじゃなくなってますけど、自分をもうちょっと遠くから俯瞰した形で見れるようにはなってるとは思いますけど。

- 昔に比べたら今は自分を少なからず客観視できるようになったと。

(大塚)昔はもう直なんで(笑)そのまま曲を書くみたいな、しんどいしんどいみたいなのをそのまま書いて。

- 感情をオブラートに包まずにそのままダイレクトに曲に。

(大塚)そうですそうです、だから聴く人はめっちゃしんどかったんじゃないかと。あ、あとあれですね、姪とか甥とかとけっこう話すようになってこの子たちにも(曲を)届けたいって思うようになってちょっと変わりましたね、この子たちが聴いても良いって思ってもらえるように曲を作れたらいいなって。そういう風に思うようになってからちょっと作り方が変わりました。

- 昔は分かってくれる人だけ分かってくれればいいっていう感じだったと。

(大塚)昔は届く人にだけ届けばいいって感じでしたね。しかも音楽もやらなあかんっていう(義務感に囚われて)ちょっとおかしくなってて音楽やらないと死ぬ、みたいな感じやったんですけど、今は楽しいからやってるっていうのがデカいですね。

(alcea)私の場合、どんな時に音楽を聴くかっていうと、一番多いのが周りを一旦閉じようっていう時で。というのも基本的に思考がうるさいんですよ、なんか頭の中にいろんな自分がいてずっと考え事しちゃうんですよね、もう次から次へと頭の中で会話するぐらいの感じで。ただ、音楽を聴いてる時は集中力が上がるから、ほんとは仕事中も音楽聞いてたらめちゃ作業進むのになって、ダメやから聴かないですけど。そういう時が多いです。

- 感覚が研ぎ澄まされるというか、音楽聴いてる方が集中できるってこと?

(alcea)外部の音にめっちゃ気が散る方なんですよ。例えばデザイン系のパソコンでずっと何かを作らないといけない仕事で気乗りしない時ってほんまに作業が進まなくて。でも適当にPerfumeのアルバムを一枚聴いとけば(作業が)終わるまで大丈夫みたいな。

- なるほど。

(alcea)あと、大人数バンド(旅団カーバンクル)の方では割と当たり障りのない曲っていったら言い方悪いけど、覚えてもらいやすい曲をわざと作ろうと思ってて、ノリやすくて歌いやすい曲を。今までは「絶対初見ではノラせたらへんぞ」みたいな曲ばっかり作ってて。「リズムとられへんやろ?」みたいな(笑)

(一同)ドS(笑)

(alcea)今は一緒に歌って踊ってもらえるような曲を意識して作ってます(笑)

-「みんなのうた」的な。

(大塚)うん、「みんなのうた」的なの作りたいですよね。

(alcea)結局そういうなんの方がいいんですよね。前のも嫌いじゃないけど。

(大塚)私も周りから(昔に比べて)曲が明るくなったって客観的に言われるようになりました。

(alcea)ただ、正直優しくなればなるほど面白いものが作れなくなるんじゃないかっていうのがいまだにあって。今までバンドを精力的にやれてたわけじゃないから、今でも同じようなジャンルのすごいカッコいいバンドとか見たら「あー、私はこのバンドみたいなんをやることはもうないんやろうなあ」と思って。一歩引いたところで寂しくなったりはします。

(岡本)私はどっちかというと大学行くのもこのサークルに入りたいからっていうので決めたし、あと就職する時も音楽活動と並行してできるのを前提に探してたので。どっちかというと生活に音楽ありきで他のことを決めてる部分はあるかなという感じはします。(バンドで)リードギターで演奏してる時はどっちかっていうと自分ではない者になりたいっていう気持ちが大きいんですけど、好きなギタリストもけっこう男らしいパワー系の人とかが好きなんで。弾き語りの方はもともと自分探し的な感じで始めたところもあるんで、自分自身のチューニング的な。自分の音楽、生活、精神的なチューニングというかバランサーといった感じですかね。特に最近は音楽に対する考え方も変わってきてる時期で、どう変わるか変わった先を見ないと分からないんですけど感じ方が若干変わってきてるなと。

- どんな風に変わってきたと思う?

(岡本)うーん、難しいですけど今は変わってきてる最中やからあんまり客観的に分からないけど…感じ方が違うけどこれは何だろう?みたいな。

(大塚)なんか違和感を感じるみたいな?

(岡本)自分で曲を作ってても今までと曲の聞こえ方とか感じ方が変わってきてて。一つ違う段階にきてる時期なのかなと。漠然としてますけど。あと、今社会人になって三年目ぐらいなんですけどワークライフバランスについてすごく考えてて。人生における身の振り方を延々と考えてます。今は結婚とかは全然視野に入ってないですけど、とりあえず絶対に30代で犬を飼いたいとは思ってます(笑)まあ、音楽もそうですけど生活について色々と考える時期にはきていますね。

- なるほど。では最後に各々今後の展望や予定、告知的なものがあれば。

(大塚)生活の延長線上に音楽があって、みんなにとってもそうであってほしいっていうのと、プラス自分がご飯を作るのが好きなので今度8/26に「音楽とごはん」っていうイベントを奈良でやります。ご飯を食べながら気軽に音楽を聴いてもらうっていうイベントです。

8/26(日)「音楽とごはん vol.1」
奈良さくらバーガー2F ホ・スセリ
open 17:00 /start 17:30
ticket ¥1500(1drink+1プレートごはん付)

酒井裕介
Orry Katz
emi otsuka

(alcea)私は真逆で音楽をいかに非日常の状態で楽しんでもらうかっていう活動をやっているので「LIFE is FANTASIA」っていうイベントをやってまして。次回はドワーフの住む国へ行こうっていうテーマでやります。私たちは旅人(という設定)なので、旅人のキャラクター名が付いている旅人としてたまたま立ち寄ってライブするから酒場でお前らも聴いてけよ、っていう。だから(絵美さんとは)真逆なんですよ、非日常を楽しみに来てねっていうイベントがまたありますんで、興味のある方はぜひチェックしてみてください。

http://fantasyguild-bahamut.jp/

(岡本)私は今後もライブをやっていきます。告知は主にtwitterやブログでしているので気になる方はチェックしてみてください。ちなみに8/18にtiny script endingsの企画でまた北浜の雲州堂でライブをするのでよかったら遊びに来てください。お願いします。

2018/08/18(土)
tiny script endings presents「Songs in the Air #2
@北浜雲州堂
open/18:00 start/18:30
charge:¥2,000(with 1drink¥500)

猫田ねたこ(heliotrope)
野口恵
アベフミヒコ(SIRMO STAD)
岡本悠利
ogu.(fog)

- 皆さんこれからも頑張ってください。ありがとうございました。

座談会を終えて:今回は6月のアコースティック企画に出演いただいた大塚絵美、alcea is sleepy、岡本悠利の御三方をお迎えし、それぞれの現在に至るまでの歩みと生活における音楽との関わり方を主なテーマにお話を伺いました。結果的に音楽性やバックボーン、音楽に対する向き合い方等々、同じソロアーティストながら三者三様にそれぞれ異なる価値観や方向性に基づいて活動されていることをうかがい知ることができ非常に興味深い印象を抱きつつ、またその時々の生活環境や周りの状況、嗜好によって音楽性や方向性も変化していくといった部分において個人の作家性が楽曲により強く反映されるのはソロならではだな、といった思いを強く感じました。ともに仕事と生活を抱えながらその中で音楽をどのように位置づけ、向き合うかという意味でそれぞれが異なる楽しみ方、関わり方をされており、ソロで音楽活動をする方々にとって「音楽と共に歩んでいく」という行為が形は違えど個々人の精神の安定やバランスを取る大きな役割を果たしているのかなと、そんな気がしました。彼女たちのことを知っている人も知らない人も今回のテキストを通して各々の音楽や人間性に興味を持たれた方は、ぜひライブ会場に足を運んでいただき彼女たちの音楽に耳を傾けてください。これまでとは違った聞こえ方、受け止め方ができることでしょう。

大塚絵美:奈良県出身。1989年4月19日生まれ。
バンド、palpurpleのベースボーカルを担当。
2010年頃より、ゆったりと活動を開始。
これまでに3枚のデモ音源をリリースし、3度の自主企画「Tsumiki」を行う。
2017年11月12日、1st ALBUM 「bird」を発売。
タワーレコード京都店にてインストアライブを行う。
ライブハウスやカフェ等、場所を問わずマイペースに活動中。
twitter:@palpurple_
HP:https://emincoooooo.jimdo.com

Alcea is sleepy.
旅団カーバンクル Gt/Harp/vp
Ross village vo(休止中)
関西で歌ったりデザインしたりしています。
"タチアオイは眠いのだ"
https://soundcloud.com/alcea_is_sleepy/

岡本悠利:1994年3月23日生まれ。
和歌山・兵庫・京都で人生を三分の一ずつ過ごし、現在は京都市在住。
趣味はラーメン屋巡り。モルモット2匹と幸せに暮らす。
バンドでは3prayer gt、Fragile gt/vo担当だがともに現在活動休止中。
gtを弾ける場所を探しています。
2014年春頃、弾き語りの活動を開始。2015年11月「nagisa.e.p.」、2017年2月「February.e.p.」リリース。年内には新しい音源をリリースできたらと思っております。
twitter : @ls9mk
blog : https://ameblo.jp/ls9mk

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