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SHIZUKUインタビュー

三月某日、大阪市内の喫茶店にて

- まず自己紹介からお願いします。

(ドスコイ)SHIZUKUのベースのドスコイです。

(キムラ)SHIZUKUのギターボーカルのキムラユウトです。宜しくお願いします。

- 結成の経緯などお願いします。

(キムラ)寝屋川ビンテージっていうライブハウスが大阪にありまして、各々みんなそこで活動していて、それぞれが同じようなタイミングでバンドが解散したり。で、地元が同じで仲のいい先輩後輩みたいな関係だったので、たまにご飯行ったり飲みに行ったりはしてて。ちなみに正規メンバーは僕とドスコイとドラムの龍太朗なんですけど、ドスコイと龍太朗はもともと知り合いではなくて、僕がそれぞれと知り合いって感じで、まあ今は仕事をしてて昔と形は違うけれどもまたバンドやってみいひん?って言って互いを紹介したのがきっかけです。で、あと一人ギターもいました。

(ドスコイ)そう、一本だけライブに出たオリジナルのギターがいて。

(キムラ)それが結成の経緯です。

- もともとは全員が寝屋川を拠点に活動してたバンドマンだったってこと?

(ドスコイ)っていうわけではなくて。キムがやってたminorearもそうですけど、僕の場合は京都で二か所やるか、もしくは寝屋川ビンテージの三か所でしかライブをやってなくて。で、ビンテージでライブした時に(minorearと)初めて会って仲良くなって。なんか大阪で唯一仲が良かったバンドがminorearでしたね。

(キムラ)まあ、簡単に言えば全員よく遊びに行ったりライブしたりホームにしてたのが寝屋川ビンテージでしたね。

- なるほど。だからおのずと新しいバンドを始める時も寝屋川で。

(キムラ)あとは職場から近くてライブしやすいし、ある程度時間の融通も利かせてもらってるので、すごい助かってますね。

- まあ、だから生活との兼ね合いも込みでっていうのも理由の一つだと。

(キムラ)それもありますけど、僕の場合は高校生の時から通ってたライブハウスなんで特別な想いがありますね。

(ドスコイ)まあ、メンバーみんな各々にビンテージにちゃんと思い入れがあって、だからおのずと活動するなら寝屋川で、ビンテージでやりたいよねって最初の頃から言ってた気がします。

- では、次にメンバーそれぞれ仕事や生活を抱えてる中で活動するにあたってある程度決めていることや方針、場所へのこだわりみたいなのはある?

(キムラ)ライブに関しては、誘ってもらったものに関しては出れるなら絶対出てますね。出れないライブは出れないですけど…

(ドスコイ)誘ってもらったらタイミングが合えば出演しますし、基本的に断る理由は仕事のタイミングだとかが合わなくて出れないだけです。

(キムラ)出れるライブは全部出るって感じですね。

- そこに対しては気持ちはけっこう前向きというか、精力的にやっていこうという姿勢で。

(ドスコイ)結局仕事のタイミングでいけるいけへんってだけですね。

(キムラ)場所も特に…僕らそれこそ出れたら出るっていう方針が結果に表れてるなって思うのが、僕らがライブしたことある都道府県なんですけど、大阪、京都、奈良、岡山、香川、沖縄なんですよ。それは全部(タイミングが合って)出れたからなんですよね。だから沖縄行くんやったらやっぱり四日間でライブ二本とか三本して時間を無駄にしないっていうのも大事なんでしょうけど、別に呼ばれたら単発でもどこでも行きます!っていうスタンスです。

(ドスコイ)実際沖縄単発やったしね。

(キムラ)狙ってそうやってるわけじゃないんですけど、やってたらそうなったみたいな感じです。

- なるほど、ちなみに活動し始めて今で三年目?

(ドスコイ)二年前(2016年)の三月からやからちょうど三年目かな。

(キムラ)初ライブが二年前の三月ですね。

(ドスコイ)具体的にいえばそれより一年か二年前から活動はしてて、でもドラムなかなかおらんよねって言いながら弦楽器隊だけでスタジオ入ったりとかは厳密にいえばちょいちょいはしてましたね。

- ライブし始めて今で丸二年。たしかそのすぐ後ぐらいに俺と出会ったよね。

(キムラ)そうですね。ちなみにざっくりとバンドの歴史を話すと、三月に寝屋川ビンテージでライブをして、直後にオリジナルメンバーのギターが音信不通になりまして、その次のライブが六月だったんですけどそこからサポートメンバーを入れて活動しています。ちなみにその三月のライブが終わってオリジナルメンバーが音信不通になった二週間後ぐらいに音源のジャケットを頼んでた人も失踪するという(笑)

(ドスコイ)そう、デザインを頼んでた人も連絡が取れなくなって。

- 活動早々出鼻を挫かれるという…

(ドスコイ)前途多難系バンドです(笑)

(キムラ)そこからサポートの人たちに手伝ってもらいながらって感じです。

- 初めて俺がライブを見させてもらったのが二年前の七月の西院ガタカ。

(ドスコイ)あの時のサポートはUnblockのダイちゃんでしたね。

(キムラ)で、その頃から寝屋川ビンテージとSHIZUKUで降臨GIGっていうイベントをやってます。けっこう活動の軸はそこにあるかなと思っています。

(ドスコイ)降臨ギグに関してはこのバンドをやり始めた当初から、こういう活動をしていくならこういう感じのことはしたいよねっていうのは最初から話してた気はします。(自分たちが)遠征とかなかなかできないから年一、年二ぐらいで自分たちがビンテージで企画を打つことでライブをやっていくような活動になるなら最初からやっていきたいよねと。

(キムラ)分かりやすく言うと(僕らは)呼ばれてもなかなか遠くへ行くことができないので僕たちが友達のバンドを呼ぼうっていうことです。

- 個人的には降臨ギグは毎回発表されるメンツを見るたびにすごくバランスがいいなと。ちゃんと遠方からカッコいいバンドも呼びつつ、SHIZUKUが軸となって寝屋川の兄貴分として若手をフックアップして。若い子たちにもいい刺激にもなるし、お互いにとってもいいイベントなんじゃないかなと。

(キムラ)そうですね、もちろん地元の高校生とかにこういう音楽もあるんだよっていうのを知ってもらえるのも狙いというか目的の一つなんですけど。普段なかなか見れない都心部や遠方で活動しているバンドさんを寝屋川に呼ぶことで若い子たちがそれを見て刺激を受けて、またそこで交流を深めてもらうことによってお互い次に繋げていければなと。そういう意味での入り口の一つとして。僕自身生活をメインにバンドをするのってアリやなっと思ったのが昔やってたバンドで横須賀のweaveと対バンした時かな?初めて一緒にやった時はドラムの松田さんとか確か仕事終わってから飛行機で来たみたいな、イベントのオープンの時間ぐらいに。でもライブはめちゃくちゃカッコ良くて、打ち上げとかもめちゃワイワイしてこの人らめっちゃカッコいいなって思って。んで、今年の一月に京都でweaveと一緒にやって、そういう姿を見てきて今みたいな活動方法にをしたいと思って活動してて。

https://www.youtube.com/watch?v=38WCZuoUavo

(キムラ)こう、どうしても十代の時って音楽イコールCDリリースしてセールスでご飯食べていくっていう道しか見えない、僕はそれしか見えなかったんですけど、weaveとかいっぱいいますけど仕事もガッツリやるし音楽もブチかます、そういうバンドもいっぱい寝屋川に呼んだりして、いろんなやり方があるんだよっていうのを(若い子たちに)伝えれたらなっていう感じです。ちなみにその京都でweaveと一緒やった時にその想いはボーカルの小高豪氏には伝えときました(笑)次会う時があって、その時対バン出来たらその時に言おうとずっと思ってて。今のバンドで念願の対バンができたんで(笑)

-まあ、でも考えてみたら周りに音楽だけに集中してる人なんかいないよね?だいたいみんな働きながらバンドやってる。

(ドスコイ)逆にこのバンド始めてから知り合うようになった気はするけど。昔はあんまりいなかったような気がする。

(キムラ)類は友を呼ぶのか分からないですけど、SHIZUKU始めてからそういう人たちとめちゃくちゃ出会うようになりましたね。

- なるほど、言われてみれば確かに昔に比べたらみんなバンド活動に対する接し方や向き合い方が変わってきたのかもね。ところで話は変わるけど、今度リリースされる新譜についてちょっと聞かせてもらってもいい?できれば一曲一曲説明も込みで、何かバックグラウンドみたいなものがあれば。特にこのバンドはキム君が日本語でメッセージ性の強い歌詞を載せて歌ってるから、曲ごとに何かしら想いもあると思うし。

(キムラ)一曲目が「ツバサ」っていうタイトルなんですけど、一応僕が今まで作った歌詞の中で一番分かりやすい言葉が多いと思います。僕の作る曲って一貫してちょっと悲しい気持ちとか、人と友達と出会って別れていく、恋人と出会って別れていく、みたいなのがテーマになっていて。別にテーマにしてるつもりはないんですけど(結果的に)そうなってます。曲調に関しては、僕たちは音楽性的にはエモとか言われるんですけど、メロコアとかメロディックパンクが好きなんで、そういうめちゃめちゃ速くはないけど8ビートで押していけるメロディックパンクのバンドの曲みたいなのにしようと思いました。

- 確かに今までのSHIZUKUの曲の中で一番アップテンポというか疾走感がある、イントロもいきなりブラスト調だし。今までになかった曲やね。

(キムラ)なのでUseless IDとかNO USE FOR A NAMEとか、そういうバンドから受けた影響を出せたらいいなと思ってああいう曲調になりました。

- なるほど。

(キムラ)二曲目が「約束」って曲で、これは活動初期からやってる曲です。僕らの曲で印象的な部分って歌のメロディーとシンガロングパートがあるところだと思っていて、そこは意識してそういう曲調にしてます。この曲も会えなくなった友達とかそういう人たちのことを思って書きました。

- この曲はSHIZUKUの中ではかなりゆったりめというか(全体的に)スローテンポで、最後にシンガロングパートがあって。個人的には大げさな言い方になるけど大河の流れのようというか、雄大で壮大なイメージを持つ曲。

(ドスコイ)たぶんこの曲はバンド活動初期からやってる曲やから、みんな一番エモとか聞いてた時期じゃない?それこそnimとか。あの辺りのエモとかすごい聴いてた時期やと思うんで。

(キムラ)そうですね。たぶんこの曲作った時はnimの「not too late」って曲をひたすら聴いてた気がします。

https://www.youtube.com/watch?v=dIhzL3HhtyM

(キムラ)今思い出せばnimの「not too late」は僕がすごい好きな曲で、なんか景色が想像できるというか想像させられる、例えば電車に乗ってるとか、電車に乗ってて景色が変わっていく様とかすごい感じるし。で、そういう曲が作りたくて(「約束」を)作ったはずです。

- ほうほう。そうやったんやね。

(キムラ)三曲目が「片隅」っていう曲なんですけど。

- これは確かまだライブでもやってない曲。完全未発表。

(キムラ)新曲です。これはですね、寝屋川ビンテージに名物PAと言われていたスミさんという男性がいまして、スミさんがビンテージを辞めちゃうということでまあ、仕方のない理由もあるんでしょうけど、スミさんが地元に帰っちゃうんでスミさんの曲を書こうと思って、タイトルを「片隅」にしました。

- タイトルに名前入れちゃった(笑)ちなみにこの曲は先に聴かせてもらった音源でしか知らないけど、最初にキム君の長い弾き語りがあって途中アルペジオパートを挟んでから後半からバーンって盛り上がって。あと展開も多いし、個人的にはアンセム感があるというか。

(キムラ)この曲は歌詞がいいと自分では思っているので、歌詞カードを見ながら聴いていただきたいですね。寝屋川ビンテージa.k.a僕らの事故物件、前任PAスミユウキ氏へのレクイエム…亡くなってないですけどね(笑)

(ドスコイ)この曲はキムのボーカルラインが今までと全然違うから、初めて聴いた時の衝撃がすごかったですね。確かボーカルラインをしっかり決めずにレコーディング迎えたんよね?

(キムラ)正確には曲が全然できてない段階でレコーディング当日になってしまいました。

(ドスコイ)だから練習の段階でどんなのになるんかなって。サビしか組み上がってなくて、で当日フタ開けたらすごいなあって。これは…

- 俺も初めて聴いた時鳥肌立ったからね。で最後の四曲目、SHIZUKUと言えばこの曲。

(キムラ)おなじみ「My home town」っていう歌で、これはバンドとしての寝屋川ビンテージの周りの環境のことを歌ってる歌なんですけど。

- この曲は最初のデモにも入ってる。

(キムラ)ただ英詞を、歌詞を考え直したいっていうのと違う音質で録り直したいっていうのがあって、今回は「約束」の英詞もそうなんですけどnimのベースの隼人さんに歌詞を手直ししてもらった上で録り直してます。

- 改めて聴き比べてみたら歌詞も全然違うしテンポも若干アップしてる。この曲に関しては音圧的にもそうだし力強さを増して、あとだいぶ長いことライブでもやってるからバンドとしての成長を垣間見れる曲かなと。

(ドスコイ)この曲と「約束」はずっと長いことやってきてるので。

(キムラ)この「My home town」っていう曲のメロディーに関しては、昔からの知り合いで自分の曲を知ってくれてる人からはよくキムらしいメロディーだなって言ってもらえることが多いです。

- けど歌はどんどん上手くなってるよね。参考までにキム君が前やってたminorearの映像をyoutubeで見て、荒々しくて声質的にも衝動性に溢れた歌い方をしてた昔に比べたら、今SHIZUKUで歌ってるキム君の声は歌い方も含めてなんというか、艶っぽいというか。たぶん年齢と経験を重ねて確実に上手くなってるっていうのに加えて歌い方を変えてるっていうのもあるだろうけど、自分の中の繊細さとかをちゃんと表現できてるなと思う。

(キムラ)それもすごいよく言われますね、はい。

- そういう意味での成長、人としての成長が歌声に反映されてるのかなと。やっぱり昔に比べて歌に対する考え方とか向き合い方は変わった?

(キムラ)そうですね、たぶん僕の人間性自体が丸くなったというか、そのことをよく人から言われるんですけど。そういう部分が大きいのかなと。

(どすこい)昔は別に礼儀知らずやったとかそんなわけではなくて礼儀はしっかりしてたけど、どことなく刺々しさはあったかなと。

(キムラ)あとはそうですね、バンドを一度やめてSHIZUKUをやり始めるまでに期間が二年弱ぐらいあったのかな。その間にいろんなことと向き合う時間があって。

- そこで人間的にいろいろ変わっていく中で音楽との向き合い方も変わっていった。

(キムラ)そうですね。あとけっこうライブとかで歌う時ってお客さんが百人いたとしたら僕らステージの上に立ってるの四人なんですけど、その場合四人VS百人みたいになると思うんですけど、(感覚的に)殴りに行くじゃないですけど、そういうスタンスのバンドってすごく多いと思うんですよ。どっちかっていうと僕らの場合、百人お客さんいたら僕ら四人なら百四対ゼロにしたいというか、ぶつかり合わない。どっちかっていうと肩組んどきたいみたいな感じです、歌に関しては。そうなってくれたらって思いながら歌ってますね。

-(空間を)共有したいっていう感じ?

(キムラ)そうですね、(お客さんと)同じ側に立っときたいなと。

- なんというか…いわゆる観客参加型バンドっていうか。シンガロングパートがあったり。

(キムラ)そうであれば嬉しいですね。

- なるほど。そういう姿勢なら見てる側も共感しやすいしね。ところで、さっきの話とも重複する部分があると思うけど、自分たちの歌にもするぐらいだから相当な思い入れやこだわりを持って寝屋川っていう街と向き合ってるんだと思うし、改めて活動拠点の寝屋川について何か想いがあれば。

(キムラ)そうですね…寝屋川ビンテージって、いい歳した大人が毎日キャッキャキャッキャケラケラ笑ってるすごいいかれてるライブハウスなんですけど(笑)みんなだいたいいつも変なことばっか言って笑ってるし。ちなみに「片隅」のスミさん、ビンテージは三階建ての建物になってて、二階は中二階構造でPA卓と照明だけがあって。そこからライブとか出演者を見ることが可能なんですけど、スミさんはその中二階から一度フロアに飛び降りたことがあって両足骨折したりとか。

(ドスコイ)今まで変なことや奇跡がいっぱい起きてきたライブハウスですね(笑)その奇跡必要?っていう奇跡がいっぱい起きてて。

- いろいろとカオスな光景しか想像できない(笑)

(キムラ)あと、店長の中道さんをはじめとしたスタッフの方々もいつもふざけて笑ってますけど、遊びに来てくれる高校生の子たちの事とか真剣に考えてて…門限ある子とかもいるので。それに、たぶん寝屋川ビンテージでコンスタントにライブやり続けるっていうのは商業的な部分というか、お金の面でバンドにあんまりメリットはないんですよね。でもやりたい!って思わせてくれる不思議なところですね。

- 行ったら必ず何かハプニングが起きる、ワクワクさせられる場所というか。

(キムラ)事故物件ですね(笑)何かが起きます。

- みんなの遊び場的な。

(ドスコイ)SHIZUKUを始めてビンテージに帰ってきた時にちゃんとみんなの遊び場になってて、昔はどっちかっていうとバンドマンにとっての遊び場に過ぎなかったから。行ったらその日の出演者じゃないバンドマンが遊びに来ててっていう光景が常にあったけど、今は高校生の子たちがしっかり遊んでたり。なので若い子らの遊び場になってるのはいいことやなと思います。(地元に)根付いてるというか。そのあたりに関してはその辺のライブハウスよりかはすごいと思う。

- 確かにそんな風に地元の高校生とかが普段から遊びに来る場所として機能してるっていうのはライブハウスとしてはすごく理想的やなと。やっぱり若い子たちからしたらライブハウスってどうしても怖いとか大人の遊び場っていうイメージを持たれがちやと思うし。特に寝屋川っていう郊外の街で若い子たちの遊べる場所ってどうしても限られてしまうと思うけど、そんな中でライブハウスが遊び場として存在してるのはすごく貴重やと思う。ある意味親世代も安心というか。健全な遊び場として機能してる気がする。

(ドスコイ)降臨ギグ開始当初、高校生の子たちが出た時に保護者の人たちが見に来てたりしてて。「悪い遊びはしてないので安心してください」ってMCで言ったのをめちゃめちゃ覚えてる(笑)

(キムラ)お父さんとかお母さんが物販席に座っているのは多々あるんですけど、バンドの皆さんには温かい目で見守ってもらえると助かります(笑)

(ドスコイ)寝屋川ビンテージってホールの一番後ろが物販席になってて椅子がズラーって並んでるんですけど、そこにだいたい保護者の方々が座るっていう(笑)誰やねんって思わずにああ、疲れたはるんやなって思って優しく見守ってあげてください。

- さながら授業参観か運動会みたいな(笑)でも考えたら健全な場所やね。

(キムラ)アメ村とかに比べたら市民的に全く違うんで。

- 普段自分は大阪市内に住んでて思うのは、寝屋川は寝屋川でちゃんとシーンとして成り立ってる気がする。それはビンテージの存在だったり、降臨ギグっていうイベントが一つの柱になっているんじゃないかと。

(キムラ)でもここ二、三年でyonigeとかメジャーデビューしたり、あとDIALUCKとかの寝屋川女子勢が今すごい勢いあるんで。あとDay tripperとかUnblock、あの人たちが寝屋川の名前を知らしめたと思うんで、特に僕らがっていうよりかはSHIZUKUが始まった時にはすでにそういうの(シーン)があったんで。多分他にも地域を活性化させようって頑張ってるバンドは沢山いると思うんですけど、他の場所に比べたら際立ってるかもしれないです。

- なんとなく寝屋川のバンドの人たちの地元に対する愛着?みたいなものはすごく感じる気がする。どこに行っても帰ってくる場所がある、それが寝屋川みたいな。特に自分たちのホームはここだ!って声高に公言してるバンドがいる街としてのイメージが寝屋川は特に強いというか。

(キムラ)僕ら酒飲むのが好きなんで、みんなでよく飲み会みたいなのはしてますね。ビンテージのバンドマンで。そういう連帯感的なものもあるんじゃないですか(笑)単純にみんな仲いいし、対バンしたことないけど知ってる奴とかいたり。

- 郊外の街やから特に言えることやと思うけど、バンドの数がそこまで多くないからジャンル関係なく交流を深めることができる。

(キムラ)そうですね。僕も高校生の頃(ビンテージに)初めて来た時にいろんな先輩と仲良くなって、特に大きかったのがDay tripper、Baby smokerとかとか。もちろん解散したバンドもいるんですけど、その世代のバンドが後輩をめちゃくちゃフックアップする活動をしてたので。今でもしてるバンドもいますし、それが普通というか当たり前。だからイベントやるんだったら地元のバンドは絶対入れるみたいな、その姿勢が染みついてますよね。みんながみんなそうやるから、仲いいしシーンがあるように見えるかもしれないです。

- なるほど、寝屋川いい街やね。

(ドスコイ)ぜひ寝屋川に遊びに来てください(笑)

(キムラ)もう離れられない街って感じですね。特別な魅力があるのかないのかは置いといて。憑き物みたいな(笑)自分にとっては音楽やバンドのうちの一つ。ギター、ベース、ドラム、曲、ビンテージみたいな(笑)

- いろいろ話聞いてたら刺激的な街だっていうことは分かったので、バンドとしての今後の活動展開とか。どんな風に活動していこうとかいうのがあれば。

(キムラ)非常にスタジオもままならない状況でライブもあんまりできてない中で、できてもライブハウスに返事待ってもらったり時間の調整を利かせてもらったり無茶を聞いてもらう感じにはなってしまってるんですけど、音源も作ったんで自分たちのことを知ってくれる人が少しでも増えればいいかなと。

- なるほど。こちらもできる範囲でサポートしていくつもりなので、新しい音源を引っ提げてできる限りライブをやっていってもらいたいなと思ってます。

(キムラ)いろんな人に知ってもらってできる限り応えられるライブは応えさせてもらってって感じで、これから出会ういろんな人、お客さんも演者もよかったらぜひライブ会場で乾杯しましょう!

(ドスコイ)僕も同感です。

(キムラ)誘ってくれたライブ、どこだろうと行けるんやったら僕ら絶対行くんで宜しくお願いします!

- 分かりました、これからも頑張ってください。ありがとうございました。

インタビューを終えて:今回も結成直後からライブを見ているSHIZUKUの二人と雑談形式でインタビューを行い、改めて生活や仕事を抱えながらも前向きに活動をしていこうという真摯かつひたむきで熱い想いを感じ取ることができました。それはメンバーそれぞれが仕事を抱えた状況下でなかなか思うように活動できない中でも周りのバンドからの影響や刺激を受け、それを自らの糧にし前に進んでいこうという積極的な姿勢がベースとなっているからなのだろうと強く実感しました。また会話の節々から寝屋川、特にビンテージへの想いが随所に溢れ、上の世代から下の世代へと脈々と受け継がれ形作られてきた寝屋川シーンへの愛がSHIZUKUの活動をより強固なものにしているのだと思います。このインタビューを読んで興味を持たれた方はぜひSHIZUKUの音源を聴いて、よければぜひ寝屋川へ足を運んでいただければ幸いです。

SHIZUKU
Vocal/guitar Yuto Kimura
Bass/chorus Yoshihiro Kito
Drum/chorus Ryutaro Nakano

2016年3月、1st demo発売と同時にライブ活動開始。
大阪寝屋川を拠点に活動。
京都・奈良・香川・岡山・沖縄でのライブや、Paris In The Making(Singapore)、Chinese Football(China)、NOTHING(Philadelphia,US)、AFTER THE FALL(Newyork,US)のジャパンツアーサポートアクトを行う。

Vo.Gt キムラさん
SHIZUKUの作詞作曲担当。
とにかく酒乱。誰とでも仲良くしたい。
過去に事故で大怪我を負う(前歯数本折れる、上唇8針縫う)
治していないので、歯が欠けている。
最近は寝屋川の高校生達と仲良くしてもらい気持ち良くなっているホモ野郎。寝屋川VINTAGEの近くに住んでいる。たまにお客さんからビンテージスタッフに間違われる。
Ba.cho どすこいさん
SHIZUKUの良心。通称、仏のどすこい。
とにかく優しい。もうめちゃ優しい。基本的に笑っている。
よくCDとレコードを買う。
お酒が大好きで、ほぼ必ず寝る前にはハイボールか酎ハイを飲む。
健康面に不安を感じジム通いを試みるも挫折。
まさかの少食、不動のセンター。
Dr.cho 龍ちゃん
素直で真面目なイケメン。運転担当。
仕事が忙し過ぎて終わらず業務を一時中断しライブをして職場に戻る事もある。だが実は真の酒乱はこの男。
ワンシーズンに1回ずつ行われるシズク飲み会で毎回現れる真の姿、通称”兄さん”と呼ばれる隠された人格を持つ。

2016年6月より寝屋川VINTAGEとの共催企画"降臨GIG"を開催している。

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