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書きなぐりのーと

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いわゆるエッセイみたいな雑文です。思いついたこと、気になっていること、昔から考えていること、あったこと、なかったこと、「どうでも話だけど誰かに聞いてほしい話」を書きなぐってます。
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#人生

人生を3等分したらギターを習い始めることになった話

その昔、就職した会社の最初の上司がこんな話をしてくれました。 「1日は24時間。  8時間は睡眠、8時間は仕事。  残りの8時間をどう過ごすかで、人生が決まる」 まあ、この歳になってみるとどうということもない話なんだけど、その時のぼくは「そ、そっか・・・24時間って8時間で3等分できるんだな」と、とても新鮮な驚きを感じたんですよね。そんなあたりまえのことに驚けるとは、おめでたいバカさ加減です。 数か月前にふとこの話を思い出してぼんやりと考えていたら、自分の人生も3等分で

いきなりバトルマスターLv.1にはなれません、という話

ロールプレイングゲームには、たいてい上級職というものがある。 たとえば、パラディン。回復魔法を使う僧侶を一定レベルまで育てた後に、戦士に転職(クラスチェンジなどと言いますね)して再び一定レベルまで育てる。そうすると、回復魔法も使えて戦闘力もそこそこ高い上級職、パラディンに転職が可能になるというわけ。 ほかにもゲームによってさまざまなだけど、バトルマスター(戦士×武闘家)、賢者(魔法使い×僧侶)、モンク(武闘家×僧侶)・・・といったあたりが一般的だと思う。上級職にしか使えない技

タクシーの運転手さんに「がんばって」と言われた話

会社勤めを辞めて、独立して今年で13年目になる。 フリーランスになってからいろいろと変わったことはあるが、そのうちのひとつが「タクシーに乗る機会が増えた」ことだと思う。 決して贅沢をしているわけでもなければ、ましてやセレブぶっているわけでもなく、単純に時間節約が最大の理由だ。大阪は縦横に地下鉄が走り、JR環状線がぐるっと周りを取り囲んでいるものの、意外とアクセスの悪いポイントがある。東京に比べて小さな街なので、そういうところに行くにはタクシーに乗るのが一番手っ取り早い。会社員

最後に手をつないだ日の話

最後に娘と一緒に風呂に入ったのは、いつだっただろうか。おそらく彼女が小学4年生になった頃だったように思う。振り返ってみても、「これが最後だ」と感じた記憶はない。でも、最後に手をつないだ日のことははっきりと覚えている。 うちの娘は、幼稚園から中学卒業までピアノ教室に通っていた。家では泣きながらイヤイヤ練習しているようにしか見えなかったが、本人はそれなりに楽しんで通っていたらしい。教室は大阪・梅田のど真ん中にあったので、小さい子どもを一人で通わせるわけにもいかず、週一回のレッス