立憲民主党・斎藤敦子氏の離党に関する考察
○はじめに
以下の文章は群馬県連所属で昨夏の参院選で選挙区候補であった斎藤敦子さんが立憲民主党を離党した理由についての、個人的な考察です。
① 斎藤敦子氏にハラスメントを行った人物は?
まず、斎藤さんの離党報告に関する文章で気になった点が2箇所ある。
「そもそもの問題は、私が昨年2月に参院選の候補者に決まった直後から始まりました。
その問題を指摘したところ、私はある県連幹部からハラスメントを受けるようになりました。選挙前から選挙中、選挙後の現在に渡ってハラスメントは続き、私は相当追い詰められました。」
「衆院選の立憲民主党公認予定候補として、ハラスメントやもみ消しを行ってきた張本人の方々が県内の選挙区に名を連ねていること自体、実のある党内民主主義もジェンダー平等もハラスメント対応もなかったことを示しています。」
斉藤あつこ Official Web Site離党 声明全文 より引用
上に示した文章から、斎藤さんが何らかの問題を提起したことを契機に県連幹部からハラスメントを受けていたことがわかる。
何より重要なのはこのハラスメントを行った県連幹部が衆院の公認予定候補だということ。この時点で、可能性があるのは長谷川嘉一(3区)、堀越啓仁(2区)、角倉邦良(4区)の誰かに絞られる。
この3人のうち、長谷川議員と堀越議員は国会議員であるため地元に居ないことも多い。普段から地元群馬に張り付いていられるのは県議を務める角倉氏位のものだ。国会議員ではなく「公認候補予定者」という表現を敢えて斎藤氏が使ったのは、ハラスメントを行ったのが角倉県議である可能性を示唆する為だと思われる。
さてその角倉県議だが、以前前橋育英の甲子園県大会4連覇を安倍政権になぞらえて揶揄して猛批判を浴びている。
立憲群馬県連幹事長「進撃止めねば」ツイート謝罪 甲子園代表と安倍政権を同列に批判 より引用
以上の理由から、今回の斎藤氏に対するハラスメント加害者の可能性が最も高いのは角倉県議と推測している。
② 角倉県議を野放しにした”ドン”の存在
ところで、斎藤氏の公式サイトの離党報告だが、次のように述べられてもいる。
「更においうちをかけたのは、他の県連幹部や執行部に相談しても、訴えた本人の受け取り方がネガティブなだけ、ということにされました。」
斎藤氏は県連幹部にハラスメントを訴えたが聞き入れられなかったという趣旨の文章を綴っている。
しかし、3期務めた1県議に過ぎない角倉県議のハラスメント疑惑を他の県連幹部が野放しにするとは到底思えない。その裏にあるのは立憲民主党群馬県連で最高顧問を務める角田義一元参院副議長だと私は見ている。
角田氏は以前毎日新聞のインタビューに対して次のように答えている。
「民主党政権時代、群馬県議会では角倉邦良議員(現・立憲民主)の働きかけで、入込客数の減少が続く川原湯温泉の支援策として、宿泊助成制度が導入されることが決まりました。川原湯温泉のリピーター等の宿泊費を3000円割り引く宿泊助成制度は、自民党政権になった今も維持されています。」
元参院副議長・角田義一さんのインタビュー記事 ”八ッ場ダム、建設迷走”(毎日新聞群馬版)より引用
上記のように角田氏は角倉県議を肯定的に評価している。角田氏を後ろ盾に持つ角倉県議には他の県連幹部も逆らえないというわけだ。
③ 角田氏の権力基盤は
角田元副議長が県内でそこまでの権力を維持できている理由だが、それは民主系最大の支援組織である労働組合「連合」にあるのではないかと考えている。
県内の労働組合である連合群馬はかつては社会党を支援していた総評系の労組が強力で、社会党出身の角田氏は彼らとのパイプが強いと推察できる。
簡単に言ってしまえば、角田氏に逆らうと選挙で当選できなくなるので他の県連幹部も角田氏が目を掛けている角倉県議を擁護した可能性があるということだ。
パワハラの第1被疑者の角倉県議自身が、かつては社会党出身の金田誠一衆院議員の秘書をしていた人物であり、角田氏との関係が良好なのも頷ける。
④ まとめ
ここで情報をまとめておこう。
⒈角田義一元参院副議長と角倉邦良県議は社会党という共通項があり、関係が良好だった。
⒉何らかの問題を提起した斎藤敦子氏に対して、角倉県議がハラスメント行為を行った。
⒊角倉県議を追及すれば、労組に強い影響力を持つ角田氏によって自らの選挙が危うくなる、と感じた他の立憲民主党の県連幹部達は、斎藤氏の意見を黙殺した。
⒋その状況に嫌気がさした斎藤氏は立憲民主党に離党届を提出した。
これらが事の顛末だというのが、個人的な推察になります。ただの推察ですのでどうか参考程度に思って頂ければと思います。
※追記
斎藤敦子氏の離党届提出と、角倉邦良県議の公認予定の決定の時期が重なっているとの情報を頂きました。情報を提供してくださりありがとうございました。
角倉氏の公認予定が決まったのが1月14日、斎藤氏の離党届提出が1月17日ですから、ハラスメントを行ったのは角倉県議である可能性は更に高まったと言えるでしょう。
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