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キスム(アフリカ最大のビクトリア湖に面するケニア第3の都市)

KiliMOL代表の大山です。
先々週はケニア西部の都市キスムに行ってきました。朝7時のナイロビのウィルソン空港(Wilson Airport)発のフライトで、8時にはキスム国際空港に到着。キスムはナイロビと比べてだいぶ暑いと思っていましたが、到着時はまだ朝早かったせいか爽やかな気温で温かい歓迎を受けたように感じました。

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キスム(Kisumu)について

キスムは、ケニア西部の人口61万人(2019年)、ケニア第3の都市です。標高1,170mにあり、ナイロビと比べると暖かく、ルオ族が多く住んでいます。キスムの語源はルオ族の言葉「交易(スモ)する場」とのこと。

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(出所:Google Map)

ビクトリア湖(後述)の北東部に面し、1901年にケニアの港湾都市モンバサと結ぶウガンダ鉄道が開通し、それに伴いビクトリア湖にPort Florence(フローレンス港)ができました。それが現在のキスム港です。

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ビクトリア湖

ビクトリア湖は、ケニア、ウガンダ、タンザニアに囲まれていて、面積は68,800km2、アフリカ最大、世界第3位の湖です。南北は最大で337km、東西は最大で250kmであります。この大きさは、琵琶湖の面積(670km²)の100倍以上です。100倍と言われてもピンとこないかもしれないので、九州(36,782km²)の2倍弱と言えばもう少しわかりやすいかもしれません。とにかくデカいですね。メルカトル図法だと、ビクトリア湖はそれほど大きく見えないですが、実はかなり大きいのです。

(話は脱線しますが、滋賀県のほとんどの部分は琵琶湖が占めていると勘違いされている方もいらっしゃるかもしれませんが、琵琶湖は滋賀県(4,017㎢)の6分の1の面積しかありません!先日、ナイロビの日本人の大先輩から指摘され私も初めて知りました!)

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(出所:Google Map)

話を戻すと、ビクトリア湖はナイル川の主流の1つ、白ナイル川の源流となっていて、湖の中には北部に浮かぶウガンダのセセ諸島 (Ssese Islands) や南部に浮かぶタンザニアのウケレウェ島(Ukerewe、530㎢)をはじめとする約3,000の島々があります。
あと、ビクトリア湖で有名なのは、ナイルパーチによる「ビクトリア湖の悲劇」。ヴィクトリア湖はもともと「ダーウィンの箱庭」と呼ばれ、400種の固有種がいる生物多様性の宝庫として知られていました。しかし、乱獲により湖に生息する淡水魚が激減してしまったため、英国植民地時代の1954年にナイルパーチという外来魚が放流されました。この魚は、体長2m、重さ100キロの巨大な肉食魚で、放流後一気に繁殖して漁獲量は飛躍的に伸び、欧州や日本など海外へ輸出され、大成功したかに思えましたが、それと同時に多くの固有種を駆逐し、400種いた固有種が200種に減少、湖の生態系に壊滅的な被害を与えたと言われています。この問題を題材にした話が2004年にドキュメンタリー映画「ダーウィンの悪魔」として公開されましたが、駐日タンザニア大使から「事実に基づいていない」という抗議があったようです。

ナイルパーチの大きさについてはこのサイトが参考になりました。デカい!

POLE LINE:https://jp.poleandline.com/products/eques/report/nileperch/

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(KARIBUはスワヒリ語で「ようこそ」の意味)

さて、キスムで3日間過ごして感じたキスムの特徴を書いてみます。

コンパクトで快適な街

まずは街がコンパクト。ナイロビと比べると小さい都市なので、空港から街の中心地まで車で10分ほどと近く、非常に交通の便が良いです。人口61万人は、私の育った宇都宮市(50万人)よりやや大きいくらいということもあり何となく親近感も持ちました。60万人あたりの大きさの都市は、日本では船橋市、川口市、鹿児島市などがあります。CBD(Central Business District)と言われるエリアも小さく車での移動がとてもスムーズです。ナイロビでは渋滞にハマって時間をロスすることが多かったので、このスムーズな交通事情は本当に気持ちの良いものでした。

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湖に面した広々した街

次に、何といっても巨大なビクトリア湖に面しているため広々した感じがします。坂を車で走っていると遠くにビクトリア湖が見えて、函館のように思えたりします(言い過ぎか…)。

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また現時点ではビクトリア湖周辺の開発はあまり進んでいませんが、湖を使った船での輸送や観光など非常に高いポテンシャルを感じました。2022年5月には第9回Africities Summit(https://unhabitat.org/events/9th-africities-summit)が開かれ、1万人がキスムを訪れると言われています。観光地としても今後栄えると思います。

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温かい人たち

3つ目は人の温かさ。ケニア人に聞くと一般的に西のエリアの人たちは優しく温かい傾向があるようです。たしかにそんな印象を受けました。そして、今回キスムでお会いした方々はキスム周辺の出身者が多く、皆さん心からキスムやビクトリア湖が好きでこのエリアのポテンシャルを強く信じています。これは今後のこのエリアの発展に大変大きな力になると感じました。

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広がる稲作灌漑エリア

最後は農業面について。国家灌漑庁(National Irrigation Authority)は、ムエア灌漑スキームはすでにほぼ完成形に近づいたと認識しており、現在は水資源にも恵まれたキスム周辺のエリアでの灌漑スキーム拡大に注力しています。これはKiliMOLにとっても大きなビジネスチャンスとなるでしょう。機械化はムエアと比べても遅れていますし、KiliMOLの貢献できる部分は非常に大きいと感じています。

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とても充実したキスム訪問となりました。もしキスムにご興味を持たれた方がいらっしゃいましたらぜひお気軽にお声掛けください。

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