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フジテレビ「ここにタイトルを入力」(2022/4/11深夜O.A.)の感想

 今週月曜深夜にフジテレビでやっていた「ここにタイトルを入力」の感想を述べる。
 ややネタバレしているため、まだ見ていない方もしくはネタバレが嫌な方はブラウザバック連打でお願いします。

                                            【↓ネタバレ注意↓】

 「エッジの効いた」という形容がふさわしい番組で面白かった。
 フェイクドキュメンタリー(ガッツリ和製英語)という言葉があるが、今回の番組は「フェイクバラエティ」とでも呼ぶべきか。まぁ、ただ単に「コント」の分類に収斂されてしまうものかもしれないが。
 クイズ番組パートではMC役のマヂカルラブリー・村上氏の好演が光った。
 「人当たりが良くてポップな雰囲気だけど、そこはかとなく狂っている」人物を演じさせたら村上氏はピカイチだと常日頃から思っていたので、この度の人選には唸らされた。
 解答者一名の様子が明らかにおかしいにもかかわらず、その違和感を完全に無視して淡々と司会進行すること自体が「サイコボケ」として機能しており、番組の楽しさに一層の深みを与えていた。
 そして言わずもがなの主役、バイきんぐ・小峠氏。
 中堅芸人の最前線を疾走し、キングオブコントでは審査員を務めるなど一歩ずつ確実に権力の階段を歩んでいるにもかかわらず、プレイヤーとして多大なガッツを求められる本企画に真正面からぶつかっていくのは彼がずっと心の奥底で抱えるパンク魂が為せる業(ワザ)だろうか。
 小峠氏の持ちネタとして「正岡子規の横顔」というのがあるが、セット中央の壁にくり抜かれた穴のフォルムがまんま「正岡子規」だったのでなんだか嬉しくなった。
 今回のメインに小峠氏が抜擢されたウラの理由としては鏡でシンメトリーになった時の美しさ・芸術点の高さが収録前から容易に想像できる、というポイントもあったかと思う。彼のスキンヘッドはこの現場でも強力な武器として機能している。
 そして「鏡でシンメトリー」と言えば往年の名番組「志村けんのだいじょうぶだぁ」を想起せずにはいられない。ここに対してのオマージュはまったくの偶然かもしれないが、フジテレビで脈々と受け継がれる「バラエティ」の残留思念のようなものがこの度の「シンメトリー」を引き寄せたに違いない。
 「ボクらの時代」風味のトーク番組パートは(いい意味で)俳優の人選がなんとも言えない微妙なメンツで、キャスティングにかすかな悪意が感じられて良かった。かすかな悪意って、いいよね!
 今回の「ここにタイトルを入力」は6週連続放送の初回。1回目から大ネタを持ってきたという印象だが、次週以降もきっと我々視聴者をカオスの深淵へといざなってくれることだろう。楽しみだ。


【本日のオマケ】
「ビタミンパワーGO!」というまったく知らない炭酸飲料を飲む。
オロナミン系の味で無難においしかったです。

知らなさすぎて怖い


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