複業・副業を認める経営って?

私は、頭の固い人間で、副業・複業を認める経営、経営者ってどうなの?という人間です。

また米国の真似か、と思ってしまいます。米国に在って日本にないものがあれば、それを政策として日本にも導入しようとする。しかし、それは大抵失敗する。ロースクール、裁判員制度、アカウンティングスクール、大学院大学構想などなど。

副業を認めるという制度は、おそらく米国流の個人主義ベースの市場経済的な志向と関係しているのだろう。米国企業の場合、企業は株主主権なので、経営者にとって、従業員や労働者の優先順位が低い。企業が危機になれば、株主利益を守るために、経営者は労働者を解雇しようとする。それゆえ、労働者は、常に危機に備えておく必要がある。そして、そのために、副業をもっておくことは合理的であろう。

ところが、日本の場合には、経営者にとって従業員や労働者の優先順位は低くない。経営者は彼等を守ろうとするだろう。このような観点からすると、従業員に副業を認めることは、ある意味で経営の放棄である。そのような経営者のもとでは、従業員や労働者は危機を共有できない。危険な場合、別の会社へと転職するだろう。そのような組織は、ヴェーバー的にいえば、魂のないモザイクなのような組織である。

このような発想は、労働経済学ではなく、経営学的な考えである。人間はモノではない。感情があり、好きか嫌いか価値判断もする。そのような人間集団が組織なのである。それは、単なる個の総和以上のものである。

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