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贅沢に味わい尽くす

私は以前、スイーツは同性の友達と食べるのが良いって言ったことがある。

今夜、それが叶ったわけだ。
ココスで包み焼きハンバーグを食べた時、私たちは仕事終わりで化粧なんてほとんど取れていた。
仕事の愚痴を言い、お互い作る気もない彼氏を、欲しいと言ってみたり。
メニューのタピオカドリンクのカロリーが、パフェと対して変わらないのを見て笑い、毒舌ツイッタラーの呟きを見て笑った。

ハンバーグが消えてもなくならない話題のお供に、私たちはパフェを選んだ。

チョコレートとバニラのアイスが溶けて絡まるスプーンは、度々止まる。
手を叩いて笑っている間に、ほとんど液体みたいになっていた。
それをすくって口に入れると、グラノーラがあったりしてびっくりする。
噛み砕いて、飲み込んで。


私たちはお互い、あまり目を見て話さない。


私は人の目を見て話すのが本当はとても苦手だし、たぶん彼女もそうなのだ。
それでいいんだと、気がつけば知っていた。

何があっても仲良しだよね、みたいなことは確認しない。
でも、「あんたとこうやって食べるパフェは美味しい」とは、伝えた。
こっそりと、くだらない話題に混ぜて。


帰りに寄ったコンビニで、だらだらと1時間近く話した。
私たちは何かとても高い目標があるわけでもなく、ただ27歳というものを時間をかけて味わっているだけだった。
お酒も飲まず、ただ、吸った息を全て、音に変えて吐き出すだけ。

私は久しぶりに、「話した」という満足感と、食べすぎた罪悪感と一緒に家路を歩いた。

こういう時間は贅沢だ。
贅沢だということを私は知ってる。
知っているということもまた、贅沢だと思った。


スイーツは同性の友達と食べた方がいいと思った、という話はこちらから。
(https://cheerz.cz/p/790222 )

お前はもっとできると、教えてください。