【お話08 あの日の事】
あの日、初めて降り立った駅。集合の一時間以上も前に着いた知らない街の中で、葵はひとまず食べたくもないサンドイッチを食べていた。
薄い野菜ジュースを啜る。カフェから外を見ると、いつの間にか外は真っ暗になっていた。
こんな遅い時間に面接が入ってしまったことが、悔しくてならない。こんな時間じゃ、審査員はみんな疲れ切ってるだろう。
アピールタイムに話す内容は考えてきたが、これで本当にいいのか分からない。
服だって、もっとかわいい服があったに違いない。
どうしよう、どうしよう。
少しで