原価率はお商売には大事ですが、お客様の立場でかんげるのは無粋というお話
昨夜は久しぶりに懐かしい大好きなお客様がお店に来てくださいました。その方は、県外にもかかわらずいつも気にかけてくださり、「菊乃ちゃんとこ大変な時期やったら行ってあげないと…」などとお越しくださいました。
すごく楽しいお酒と時間をお店側にもかかわらずお客様から頂けるのはとても、この仕事の素晴らしい事だなと思いました。
そんな会話の中、の一コマ。最近は特に、コスパなんて言う言葉を老若男女問わず使われるのを耳にします。うちの店で現在、来月に「オーパスワンや他のワインをセレクトさせていただき、小規模ですが、小さなワインを楽しむ会をさせていただこうと考えておりました。なかなか、そういった機会でもなければ高級ワインを抜くこともないですし、それなら、踊りや、三味線、そして美味しいおつまみとワインの宴のような企画を!6名様まででお一人25000円前後でと考えております。
それならかなりリーズナブルにお客様もおいしいワインを楽しめると思います。と
そうお話した際に、そのお客様がおっしゃった一言が、
「けして、リーズナブルにしなくていいんだよ。ぼったくっちゃだめだけど、普通の価格でしないといけない」
そして、それは、全ての事に共通するお話なんだなと考えさせられました。最近は、よそのお店にお邪魔してワインを抜くときなど、平気でそのお店でスマホのアプリを使いそのワインの値段を調べる光景を目にします。うちは、
「みっともないな~。無粋やな~」
と感じます。お店さんとまず信頼関係を作り、そして、そのお店にお任せすることができればきっとそんな事をする必要がないと思います。
それに、「このワイン、楽天で○○円だよ~、○○円のせてるわ」などと。当たり前の事です。右から左ではそのお店は潰れてしまいます。
うちの例で上げると、うちは、ワインやお酒はその出た年に仕入れます。ほとんどが。それは、その時の定価で仕入れれるからです。そして5年~10年近くたった時にお客様に提供します。それは、ワインや洋酒は日々価格が高騰します。ですから、できる限りお客様に負担が少なく利益を確保する為です。
そしてそれを、定価の2倍程度で販売いたします。お家で飲むこと考えたらすごい高いと思うかもしれません。ですが、そのお酒を飲んでいただくために、数千万の内装費をかけて作った空間。バカラやリーデルなどのカトラリー、そして人件費考えれば、その利益率はけして高くないことがわかると思います。それを、利益を出さずに提供しろというのが難しい話だと思います。
ですから、どちらのお店にお邪魔しても、そのお店の判断は好きか?嫌いか?でいいんじゃないでしょうか?
そこを、あえてその場で調べるような無粋な事はやめましょう。かっこ悪いからというお話でした。