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「幼稚園は子ども同士が遊ぶ場を提供する場所である」 実習10、11、12、13、14日目 デュッセルドルフ森の幼稚園 20230925~20230929


以前、BFDの先輩であるカピバラさんとお話させて頂いて、

「ドイツ流の働き方に慣れて、自分の健康を守っていくことが大事!」

という素敵なアドバイスをいただきました。

個人的には実習日誌を毎日書くのはちょっと頑張り過ぎかなと思ったので(現在Ausbildungされているカピバラさんのブログを拝見すると毎日更新ではないし、学校での勉強量が半端ないことを教えて頂いたので、ブログ書く時間も限られるなと感じた)、今週はまとめて書こうと考えてました。

まとめて書くのは個人的には良いかなと思ってます。

まずは、カピバラさんに「Erzieherkanal - Wissen, Theorien & Infos」というYouTubeチャンネルを教えて頂いて、それを見てまとめていきたいなと思っていました。

カピバラさんにお勧めのYouTubeチャンネルを質問させて頂いた時に教えてもらったのですが、このチャンネルのことを実習先の上司であるフローリアンに伝えると、

「このサイトは先生のAusbildungをやりたい人にとってはベストの動画だよ!絶対に見た方が良いよ!」

と太鼓判を押してもらったので、現在239本ある動画を一から全部見通したいと考えています。



その動画を見る時間を、ブログをまとめて書くことによって確保することが出来るので良いと思います。

あとは、土日は実習が休みで基本的に何もすることが無いので、その時間を利用してブログを書くのは効率が良いかなと思います。

ブログを平日に書く時間が無くなったことで、それを睡眠時間に充てられるのも大きなメリットです。

ちゃんと寝れれば気分が良くなって、子ども達とも気分良く接することが出来るので、好循環を作り出すことが出来ます。


<今週の出来事>


・子ども達って、自分よりドイツ語ペラペラしゃべれるし、自分が知らない単語とかを話してる時があるのに、曜日の把握とか数を数えるってのが出来ないこともあるんだなってのが、メチャクチャ不思議!

まあ、子どもと大人で脳の発達の違いとかがあるんだろうけど、あれだけドイツ語を話せるのに、今日が何曜日なのか分かってないのは、自分からしたら結構な衝撃であり、不思議な出来事でもある。

「キーくん、お昼ご飯何持ってきたの?」って子どもに聞かれて、「いつものように、ジャムを塗ったパンを持ってきた」って答えたら、「なんでいつもそれなん?」って子どもが言うから、「günstig(安い)から」って答えて、そこで他の先生が「günstigって意味分かる?」ってその子に聞いたら、なんとその子は「分からん」って答えた!

ちょっと衝撃的でしたね。で、その先生が「キーくん、günstigの類語は?」って聞くから、「nicht teuerとかbilligだよね」って答えたら、なんとかその子は理解してくれた。

発達心理学では、

0〜2歳を「感覚運動期」

2〜7歳位を「前操作期」

7〜11歳位を「具体的操作期」

11〜青年期を「形式的操作期」

と、それぞれ呼びます。(J.Piaget)

レッスンを開始する生徒さんは、前操作期か、または具体的操作期初期の場合が多いですね。

この「操作期」という言葉、気になりませんか?

一体何を操作しているの?

と思いますよね。

これは、「表象操作」の事です。

「表象」というのが、またまた分かりにくい言葉ですよね(^_^;)

「表象」とは、心の中の世界で、抽象的な概念や、心に思い浮かべる外的対象の事です。

抽象的な概念とは「愛」とか「勇気」など。

心に思い浮かべる外的対象とは「母親と離れた場所にいても母親は存在していると認識出来る事」、のように、目の前にないけれど心の中にある物です。

「見えないけれど存在する物事」位の理解でオッケーです(^^)

すなわち、前操作期とは、表象操作が出来るようになる前の段階という事です。

表象操作が出来ないという事は、目の前に見えている物事しか理解出来ないという事です。

幼稚園位の子供が、母親と離れる時に「お母さんがいなくなる」と感じてしまって不安で大泣きしてしまったり、

「離れて暮らすおじいちゃんが死んじゃった」と聞かされても、ピンと来なくてあまり悲しまなかったりするのはこのためです。

内発的達成動機(やりがい、達成感など)が理解出来ないのも、抽象的な概念が理解出来ないためです。

なので、

「表象操作が出来ない」→「見通しが立てられない」→「視覚からなら理解出来る」→「イラストを活用する」となるわけです。

イラストは抽象的な概念を可視化してくれるというワケです(^^)

市販の楽譜やテキストをご想像ください。

幼稚園児を想定したテキストはイラストがすごく多いですよね。これが、小学生向けになると、イラストの分量が減ってきます。

これは、イラストがなくても音楽の表現を想像出来るようになってきていると仮定された発達心理学に基く作り方だと思います。

前操作期の特徴は他にも色々ありますが、また機会がありましたらご紹介しますね。

発達心理学の応用レッスン♪

・最近は6時30分に目覚めた時に外がまだ真っ暗で、まだ夜中かと勘違いしてしまう。やっぱり、外が暗いと気分も少し何だか暗くなるってのが理解できた。

最初はちょっぴり憂鬱だけど、不思議なもんで、森の幼稚園が始まればそんなの吹っ飛んじゃいます。

・最近の気温は10時くらいまでが15度前後で肌寒いけど、それ以降は20度前後になって暖かくなるって感じのパターン。

・いつも乗る電車はこれみたいに繋がってるパターンなのだが、個人的なポリシーとして、必ず前の電車に乗るようにしている。なぜなら、何かの事故でその連結が外れた時に、前の電車だったら進むことが出来るから。後ろの電車は、運転席が進行方向とは反対側に着いているので、対応できない。



それは2017年に実習してる時から同じ考えでやってて、個人的には、「それぐらい気を使ってやってます!」って感じのちょっとした誇りでもある。笑

・なんか分からんけど、いつも乗る電車が9時まで走らないという日があって、メチャクチャ焦った。


下の段にその情報が流れてくる


「代わりにバスが出ます」って案内が流れてたけど、バス停で待ってても一向にバスが来ねえ。



しびれを切らして、途中の駅まで別の電車で行って、そこから歩いて実習先へ向かう事にした。歩いていると、走ってないハズの電車が2,3駅先の駅から出ていたので、その駅からは電車で実習先の最寄り駅まで向かった。

マジで意味が分からん、しっかりしろ、ドイツの交通!怒



ドイツの嫌いな部分第一位やな…

なんとか8時25分頃に着いた。朝の会が大体8時40分から始まるので、まあまあギリギリだった。

・今週は「日本週間」だったので、毎回朝の会で日本について紹介した!



結果としては、

①月曜日に「1,2,3」を日本語で教える
②火曜日に「1,2,3」をもう一度教える
③水曜日に動物の絵を見せながら、「1,2,3」と絡めてクイズを出す

④木曜日はある先生が遅れるので、それを待つ為に、グループ合同で朝の会を行うことになったので、日本は無し。
⑤金曜日は先生5人に対して子ども13人だったので、グループ合同で朝の会を行い、音楽をやったので、日本は無し。

という感じで、3日間、日本についてプレゼンしました!

最初の月曜日はただスライドを見せながら話すだけみたいな感じだった。そこでフローリアンがフィードバックをくれて、

「1,2,3のリズに合わせて、片足跳びをするとか、皆でゆっくり言うとかみたいに、身体を使って、一緒に出来るように進行した方が良い」

というアドバイスを頂いたので、次の火曜日に実行した。

火曜日のプレゼンで嬉しかったのは、ラファエルとエマが立ち上がって、一緒に片足跳びしたり、足踏みしたりしてくれたこと!

水曜日は動物の絵を見せて、最初に「何の動物が分かる?」みたいなオープンクエスチョンで子ども達の意識を集めて、動物の名前を言った子どもに対して、「目は何個ある?」とかを質問して、そこで「1,2,3」を日本語で言ってもらうような流れにした。

他にも、「どこに住んでる?」とか「何色?」って質問して、動物の知識を深めるような方向性で進めた。

・今週はラファエルとの距離がメチャクチャ縮まったと思う。月曜日は朝の会の時に「隣に座りたい!」って言ってきてくれたし、火曜日も隣に座った。それきっかけで、水曜日と木曜日は他の先生の隣に座っていたので良かったと思う(普段は一人でポツンと座っているので)。

ラファエルのお決まりの挨拶は、手の指で、人差し指、中指、薬指をくっつけて、親指と小指を離して、その手の形を見せてくるっていうやり方なんですけど、自分と互いにそれをやり合うようになった!

あと、その手を作りながら「バイバイ」って言ってくれた時は感動しましたね。

自分がセミナーで休んでる時に、ラファエルを観察する為に心理学者が森の幼稚園に来るくらい、結構厳しい状態だったので…

なんか自分が休憩終わって森の幼稚園に向かってる時にたまたまラファエルがお迎えされて、親の車のところでなんかしてるところに出くわしたのだが、親とは普通にしゃべってるんですよね。親とは話せるけど、森の幼稚園の生活では、小声だったり、1人で過ごしたりってのが多いんですよね。

まぁ、でも、火曜日のボール遊びは、ラファエルがめちゃくちゃイキイキしてましたね!投げるのにハマったみたいで、他の子どもが投げてどっかに行ったボールを「僕が拾う!」って言って、我先に拾いに行ってましたから。

・エマとはもう良い関係です。「キーくんと遊びたい!」って言ってくれるようになりました。色々な意見も自分に言ってくれるようになってきたし、他の子どもと遊んでいる時も自分の気持ちを伝えられる場面が増えてきました。自分がエマといる時はエマの言い分を補強する感じで援護して、他の子ども達とコミュニケーションできるようにサポートしてます。

・ここにきて、最近問題なのがルイスなんですよね。ルイスは他の子どもと上手く遊べないのです。他の子どもと遊ばずに、いつも自分やたまに来る先生の側にいようとします。そうじゃない時は一人でボーとしているって感じがほとんど。

最初はルイスと関係性が持てて良かったなと思っていたけど、フローリアンから、「ルイスがべったりとくっ付いているから、これからは距離を置くように。それか、他の子ども達と遊べるように仲介役として橋渡しするように」という指令を貰っています。

フローリアンと話していて納得したのは、「幼稚園は子どもと子どもが遊ぶ機会を提供する場である」という事です。それが、家庭ではできない、幼稚園ならではの強みです。

その機会を与えているのに、ルイスが自分とかとしか遊ぼうとしないのが問題なんですよね。子ども同士で交流することによって社会的能力を高めていけるわけであって、大人と子どもという関係だったら、それらが学べません。

ルイスの成長の為にも、ここは心を鬼にして、一緒にいる時間をあまり作らないようにしています。

個人的に思うのは、自分は何でも「ハイハイ」って言う事を聞くタイプだから、ルイスに好かれてるんだろうなと思ってます。なぜなら、ルイスは命令したがりのタイプだから。自分の命令通りに動いてくれるのが嬉しいんでしょうね。

で、他の子どもと遊ぶ時は、衝突するわけですよ。その子どもはなりふり構わずに自分の意見を言いますから。

その結果として、子ども達と遊ぶのは避けて、聞き分けのよい自分の所に来るというのが、今のルイスの状態かなと見ています。

あと、甘えたがりって部分もありますね。凄くスキンシップを取ってくるんですよね。そこら辺の自立の部分も関係してるのかなと思う。

あと、結構失敗を恐れてるというか、プライドが高いのかなって感じもする。木登りは絶対にしないし、「自分は木登り出来ない!」って言い張るんですよね。「そんなことないよ!」みたいにフォローするんですけど、頑なに拒みます。

楽器の演奏もしないんだよな。朝の会で楽器を使う時も、楽器を持ちたがらない。

走りでは「勝った負けた」をかなり意識してるし…

まぁ、でも、こう書いてますけど、もちろん、ずっと自分の側にいるわけでもないし、他の子ども達とまったく遊んでないわけではないのです。ただ、割合として多すぎる(70%~80%)から、徐々に減らしていった方が良いなという感じなのです。

やっぱり、ルイスが他の子どもと遊ぶってなっても、そこには大人が必ず入っていて、純粋に子ども達同士ってのが滅多にないので困ったもんですね。

大人がその場を上手くまとめているからルイスは他の子ども達と上手く遊べてるんです。そうじゃなくて、ルイスと他の子ども達同士で上手く遊ばないといけないんですけどね…

ある日、遠目からルイスを見ていて、遊んでる子ども達の方に行ったんですよ。「おお、良いね!そのまま遊ぶか?」って思って見てたら、遊んでる子ども達の1mくらい前で止まって、振り返って、また元の位置に戻ったんですよ…笑

「うっそ~ん、マジかよ…」って遠目で見ていて思いました…笑
「一緒に遊んでいい?」って質問せずに帰ってしまったのがつらい所…

自分はルイスの遊びパートナーではないし、ルイスの遊びパートナーは他の子ども達なので、そこをしっかりと線引きしていかなければならない。

あと、発音も気になるところ。ルイスは何故か「L」を「や行」で発音している。例えば、「blau(青色)」という単語は「ブラウ(英語で言うところの『ブルー』)」と発音するのだが、ルイスは「ブリャウ」と言っている。また、Lasse(ラッセ)という名前の子どもがいるのだが、彼の名前の呼び方は「リャッセ」である。

わざとやってるのかどうかは分からないが、今度の実習の時に先生と話してみようと思う。

まあ、悪いところって目につきやすいけど、そこばっかり見るんじゃなくて、ルイスが出来てるところにもフォーカスしたいなと思う。

他の子と遊んでたら、「一緒に遊んでたね、凄いわ~!」って誉めたり、教えるのが好きだから、教えてくれた時には「説明するの上手やな!ありがとう!」みたいな感じで言ってます。

「ルイスは走るのが速いから、きっと木登りも上手に出来るよ!楽器も上手く出来るよ!」って今度言ってみよ!

ピグマリオン効果狙いです…笑

期待してあげると、それが現実になる

人は期待された通りの結果を出そうとする傾向にあるのです。この心理法則を「ピグマリオン効果」と言います。

ドイツ語以外でも上手くコミュニケーション出来るように、196個の「心理術」をかじってみた!笑


ラファエルやエマについては、「まず話すことを練習するのが大切なので、どんどん遊んでやってくれ」ってフローリアンから言われてる…笑

個人的にもラファエルやエマが話しかけてきた時には、他のことをやっていても最優先として話を聞くことにしている。

「関係作りのモンスター」と呼ばれた私ですが、今週は鬼ごっこやかくれんぼはしてないです。意識したのは、先生との会話に積極的に入ることですね。そうすることで、自分がセミナーで不在の時に、ラファエルを見に心理学者が来たことを知れたし、別のグループの先生とガッツリ話して良い関係を気付けたりなどの成果がありました。

先生同士が話していることって、自分が参加した範囲だと、「子ども達のドキュメンテーション」が50%で、残りの50%が「休暇の話、給料の話、勤務日の話、世間話、今後の計画の話、近況報告、趣味の話」みたいな感じですね。

で、木曜日は輪投げの遊び道具を使ったのですが、フローリアンとモナが大人二人で楽しんでました…笑

自分はそういった先生同士の会話に入ろうとするし、次の準備(朝食前なら、手洗い場の設置)だったり、帰る準備(道具の片づけなど)だったりなど、自分が出来ることをやってました。あとは、ルールを破ろうとしてる子ども(遊べる範囲外の所に行こうとしたり、他の子を叩いたりしてる)の所に行って、ちゃんと説明をしてました。

あとは、遠くで遊んでる子どもがいれば自分が近くに行って見守ったり、子ども達のトイレに付き添ったりしました。絵本の読み聞かせもしたし、子ども達の話し相手にもなりました。時間通りに事を進めたいタイプなので、「そろそろ10時だから朝ご飯にする?」みたいな感じで、話しに夢中になっている先生に対してタイマーの役割も担いました。

子ども達に加えて先生達の様子を見て、「今自分はどこにいるべきか」を考えながら仕事をしてました。そんな感じで、今週は体を使うよりも、頭を使って仕事する時間がほとんどでしたね。

子どもと遊ぶといっても、例えばエマが「遊ぼう」って言ってきたら、一緒に遊んで、それを見ていた他の子ども達が「一緒に遊んでいい?」って聞いてきて、それで一緒に遊んでグループになったら、自分は身を引いて姿を消してましたね。「あとは子ども達同士でごゆっくり~」みたいな感じです。

あとは、地面に丸をいくつも書いて、そこをケンケンパさせるみたいに、子どもの遊びを作るみたいなこともしました。先端がYの字になっている木の棒に別の木の棒を乗っけてバランスを取る遊びを開発したりもしました。

ご飯を食べてる最中も、遊んでたり、大声で話してる子どもがいれば注意したり、飲み物を全部飲んでたら「飲み物は要る?」と質問したり、ふたを開けるのを手伝ったり、片づけを手伝ったり…

遊び場所によっては、木に登れるのが子ども3人までだったり、茂みの中に行けるのが子ども3人だったりするので、子どもが「木に登っていい?」って聞いてきた時には、人数を把握して返答してました。


今週は精神的に結構疲れましたね。子ども達や先生達との会話量がこれまでよりも格段に増えたので、それが結構疲れる原因でしたね。笑

今週、夢を見た時は、ドイツ語を喋ってました…笑

まぁ、ドイツ語はこれから慣れていけると思うし、他の先生が使ってる言葉をパクって、自分も同じように言っていきたいと思う(効率的かつ実践的)。

脳みそ使って疲れたので、「子ども達の遊び相手」として身体的に疲れるという今までよりも、「先生らしい仕事」が出来たのではないかと思う。


まぁ、この調子でひとまずは頑張っていきたい!



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