見出し画像

イタリア人からの質問:「ありがとう」の返事に何て答える?

みなさんだったら何と教えますか?
私は教科書通りの答え「どういたしまして」を教えたんですけどね。
そのイタリア人のお友達が「ありがとう」「どういたしまして」って何回か口に出して練習しているのを隣で聞いていて、果たしてこの友達が「どういたしまして」っていうタイミングはいつなんだ?って思ったんですよ。
だって「どういたしまして」ってここ最近言ったことある人います?
それで、ふと「でもあんまり日本人はどういたしましてって使わないけどね〜」って言っちゃったんですよね。
そして当然の如く「じゃあ何て返すの?」という質問をされて、少し困ってしまったんです。

時と場合による日本人の返事

例えば店員さんに「ありがとう(ございました)」って言われた場合、「どうも」とか「ありがとう(ございました)」とこちらも返すか、返事をせずに会釈だけで済ます場合もあります。
例えば仕事上で「ありがとう(ございます)」って言われた場合、「全然です」とか「またよろしくお願いします」とか言います。
例えば目上の方に「ありがとう」って言われた場合、「お気になさらずです」とかが「いえいえ、そんなそんな」とかいう気がします。
例えば友達に「ありがとう」って言われた場合、「全然いいよ」「全然だよー」とか言いますね。
例えば知らない人を助けたり何かサポートして「ありがとう」と言われた場合、「気にしないでください」とか「いえいえ」とか言います。
お世話になっている人に形式上「ありがとう(ございます)」と言われた場合、「こちらこそです」とか「いつもお世話になっております」とか言う気がします。

「どういたしまして」って何か恩着せがましいんですよ

「どういたしまして」ってどこで使うんだ?っていう話なんですよね。
何となく感覚的に偉そうじゃないですか?
「どういたしまして」の言葉の裏に(そうだ私はありがとうと言われるようなことをしたのだ!どうだ!)って感じがするんですよ。
私的には。

イタリア人の「Grazie(ありがとう)」への返事

もちろん万国共通「ありがとう」は大事な言葉なのでイタリアに来て最もよく使う言葉の1つです。
そして「Grazie(ありがとう)」と言ったら大体8割の返事は「Prego(どういたしまして)」の気がしてます。
あとはあんまり聞かないけど「Figurati(とんでもない)」とか結構使うのは「Niente(気にしないで)」とか。
「Grazie a te(こちらこそ)」とかも聞きますね。
もしどこかで「Grazie(ありがとう)」と言われる機会があれば、「Prego(どういたしまして)」と言っておけば十中八九間違いありません。
この「Prego(どういたしまして)」に当たる言葉が日本にはない気がするんです。
イタリア人は本当にそれはそれはとてもナチュラルに全く恩着せがましくなく「Prego」と返事をするのです。
とても便利な言葉だなぁとつくづく思います。
関係性とか知り合いか知り合いじゃないかとか、敬語とか、丁寧語とか、そんなことは関係なく。
誰に対しても、どんな時でも使える「Prego」
シンプルで本当に好きな言葉です。

結論「ありがとう」への返事は?

もう一回考えてみましたけど、やっぱりわかりません。
「ありがとう」へのシンプルな返事が日本には存在しないと思うんです。
その回りくどさが日本語の素晴らしさでもあるのでしょうけど。
これを日本人以外に伝えるのはとても厄介です。
あと、ここまで書いてて思ったんですけどね。
体感イタリア人の方が遥かに「Grazie(ありがとう)」を使うんですよ。
本当に本当に毎日よく聞きます。
こんなところでも「Grazie(ありがとう)」を使うのか•••と日々感心することが多いんです。
・少し狭い道ですれ違うのに譲ってもらった時。
・学校の授業が終わった時。
・学校でプリントを配られた時。
・店員さんにレシートをもらう時。
・掃除のおばちゃんに。
などなどなど。。。
日本人は感謝の心、おもてなしの文化なんて言葉でよく表現されますが、本当にその心が私にあったのかと思い返すきっかけになりました。
心の中ではありがとうって思ってるんですけどね、口に出すことが少ないんです多分。
なのでもっとGrazie(ありがとう)という言葉を積極的に使っていこうと最近思っています。
しっかりと伝える、そのシンプルなことが私は(日本人はという括りにしたら怒られそう)そもそも苦手な気がします。
シンプルなGrazie精神を教えてくれたイタリア、ありがとう!Grazie!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?