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目の前で見たことが心を動かし、目線を変える

以前は全く知りたいと思わなかったのに、昨年くらいから相撲に興味を持ち始め、場所中は相撲中継やニュースを欠かさずチェックするようになった。この春には、ついに大相撲の観戦に行った。

それ以前も、相撲がどういうものかは当然知っていたし、人気力士の活躍や、スポーツバラエティ番組に出演する姿を何度となく目にしてはいた。子供の頃、大相撲ブームがあったことも知っている。しかし、なんとなく相撲はおじいちゃんが見るものというイメージがあり(祖父が相撲中継をよく見ていたため)、自分が見るようになるなんて全く思っていなかった。

きっかけは、田子の浦部屋の公開稽古を見に行ったことだった。私の住んでいる県に土俵のある神社があるのだが、そこで合宿が行われ、稽古の様子が公開されるという情報を耳にした。

相撲に対して特別深い興味あるわけではなかったが、相撲のチケットが割と値の張るものであることは豆知識的に知っていたので、こういう機会でもないと一生相撲をみることは無いかもしれないと、足を運ぶことにした。

初めて見た相撲の稽古は、本当にすごい迫力だった。テレビで見ていて、全力でぶつかっているのだろうともちろん想像していたが、目の前でみるのとは全く違う。本当に頭から全力で突っ込んでいるのである。ゴツッ!!と頭のぶつかる音が聞こえる。うっかり柱に頭をぶつけてもあれだけ痛いのに、こんな勢いでお互い突っ込んでぶつけるなんて・・・

力士の体の大きさにも驚かされた。身長、体重がどれくらいか調べることはもちろんできるが、自分と同じ空間にいるとなると印象は全く別物である。オーラがあるというのか、実際よりもさらに大きく感じる。力士に頭をなでられた赤ちゃんは元気に育つとか、そういう気持ちになるのもわかる。

相撲が好きな人には信じられないような話かもしれないが、私はその日初めて、稀勢の里関と高安関を知った。帰るころにはすっかりファンになってしまい、家についたらすぐに両力士について、田子の浦部屋について調べまくった。

情報はいくらでも出てきた。ニュースや公式フェイスブック、相撲ファンのブログ。能町みね子さんのツィッターもフォローした。今まで相撲について、全然知らなかった。手の届くところに、こんなに情報があったのに。

調べれば、だいたいのことはわかる時代。でも、その情報を取りに行くかどうかは、本人のモチベーションが決める。そして、そのモチベーションは、何かに心を動かされたときに湧いてくるのだ。
実際に知っていることでも、目の前で見ることで心を動かされることがある。言い尽くされてきたことだけど、本当にその通りだと思う。

今年に入り、稀勢の里関が横綱に、そしてつい先日、高安関が大関に昇進した。昨年稽古を見に行っていなければ、全く自分には関係の無いニュースとしてスルーしてしまっていただろう。ファンになった私には、重大ニュースである。会見のニュースを、稀勢の里関と高安関が満面の笑みで握手する映像を、何回も何回も、繰り返し見た。本当におめでとうございます。

早く来場所が始まらないかな・・・

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