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甘露さん出版の新しい本が出ました。
甘露との出会いは結構古く、向井さんに「コミュニティに中核になるようなお店がやりたい」と言われたのは何年前だったか。その後、オープンした甘露がそのころはまだ空いていて、書斎代わりにほぼ毎日伺い、羊本の執筆をしていたのは懐かしい思い出。その本を書きに通っていたお店が本を出して献本いただく事になるとは!改めて向井さんおめでとうございます。
■ 内容は心がざわつく本
ただのレシピ本ではなく、お茶やお菓子紹介うんちく本でもなく、都市のガイド本でもないでもない。それらがちょうどいいバランスで、都市ごとに分かれて解説されているのだ。
しかも、そのバランスがちょうどいい。
特に、お茶文化をはぐくんだ茶館を都市ごとに解説している出だしが良いですね。茶館好きにはこの導入最高です。
今までのお茶の本って「俺は中国茶に詳しいんだぞ!」「どうだ!この知識!」的な本が多かったのですが、内容はそんな本より圧倒的なのに、そう感じさせないのが向井さんらしくて非常に良いですね。
そして、読んでいて非常に心がざわざわする。
北京時代、女友達と飲み会を抜け出して夜に行った三味書屋で中国音楽を聴きながらお茶を飲んだ思い出や、蘇州の双塔寺で暑い暑いと言いながら4時間野外のテーブルで将来を話しながらお茶を飲んだこと、台湾の裏路地のお茶屋を巡った日の事や、成都の茶館でぬるい緑茶をすすりながら雨を眺めていたことなど。今までのお茶体験がぶわーーーーっとあふれてきて、お茶やお菓子やお店の本なのに、昔を思い出して心がざわつきました。つまり、人をそんな気にさせる良書。
特にお茶にあまり興味がなくても、中国に興味がなくても、パラパラと飛ばし読みしても、じっくりよんでも楽しめる本だと思います。
今本作ってるんだけど、こんなのかかれたらすげープレッシャーです。
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