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【詩】命よび

うつくしの木の下で
埋められたぼくの先祖が
はつかの夜に 霊になり
ぼくは中古車の座席を倒し
遠く夜空の 星に見違う

枯れた花弁の奥深く
生まれた種の 事情を知らず
ぼくはそのまま 口に入れ
あら、と皿に 吐き出した
ただ命の素などと ひとつも頭に上らずに
もうこれ食事の邪魔なだけ
種はそのまま 燃やされた

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