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『パンプキン・シザーズ』/岩永亮太郎

架空の「帝国」が舞台のお話。

帝国は共和国と長く戦争をしていたが、3年前に停戦条約を結ぶ。
しかし、その後も国内の混乱は続き、「戦災」が各地で起こっていた。
その解決にあたる戦災復興部隊「パンプキン・シザーズ」を描く。

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めちゃくちゃ"少年マンガ!"って感じだけど、面白いのよー。

隊長 アリス・L・マルヴィン少尉の、闘う公女っぷりがいい。
アツすぎて もはや素っ頓狂なんだけど、言葉が本質を突いている。
例えば。
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彼女は貴族・マルヴィン家の次期当主だが、弟が生まれたことにより、
あと数年のうちに次期当主の地位を剥奪される。

「いずれは弟が当主になると知っていながら
なぜこれまで次期当主として 情熱を保ち続けることができたのか」
と問われ、
「問われている意味がよくわかりませんがー」に続けて曰く

やがて失うものに 意味がないのなら
あなたの 命もまた 無意味でしょう
時か 病か 刃か いずれは奪われる

ならば今すぐ 死にますか?
同じことです

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って、ケロッとした顔でおっしゃいますのよ。
そうきたか!
まあ、たしかに、言われてみればそうですわね。

人生に無駄なことなんてないし、
かつ、 人生はすべて無駄なことだとも思う。

この作品は、登場人物がみんなそれぞれ ものすごくイイ味だしてるので、とてもオススメ。


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