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『地のはてから』/乃南アサ

資格試験が終わったので、心持ちが自由である。
かつ、有給休暇の計画的取得という制度により、この木金は休みでうっかり5連休だ。素晴らしい。会社員万歳。

さあ、ここは読書だ。
この半年以上勉強に費やしてきた休日を、ただひたすら私が読みたい本を読むことにあてるのだ。
さあさあ、書物をたもれ。
たもるのは自分だけどな。

『地のはてから』は上下2冊、なかなかのボリュームである。しかも小説を読むのは久しぶりだ。
だがしかし、どんとこい、なってったって5連休の初日だ。怖いものなど何もない。

夜の8時ごろから読み始めて、この章でやめよう、この章まで、と思いながら読み進め、下巻に突入した頃合いで腹をくくって最後まで読んだら深夜2時であった。6時間ぶっ続けで小説を読んだのなんていつぶりだろうか。

本は、北海道を開拓する人のはなし。
主人公が福島の出で、方言がそのままひらがなになっているので最初は若干読みづらかったのだが、そのうちイントネーションも込みで聞こえ、情景も浮かぶようになった。
まあ、こちらも岩手の出ですし、東北の田舎には想像を巡らせられますよね。

深夜2時まで小説を読んだわー、という満足感で昨晩は寝落ちしたのだが、
今日改めて思った。
今、自分がいるのは先人のおかげなのだと。

いやまじで、スイッチ一つで煌々と明かりがついて、蛇口を上げれば水が出るとか、まじすげえ。
なに生産性の向上とか言っちゃってんの、昔の人が死ぬ思いで木を切って耕した土地につるっと住んでてなに偉そうなこと言っちゃってんの、みたいな。

あらやだ。うっかりヤンキーがチラ見えしてしまったな。
本は、ここから一歩も動かなくても違う世界に連れて行ってくれる。
そしてまだまだ手元には本がある。
よい休日だ。

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