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25話: 日本ではあまり知られていないSpeech easyの機械について

こんばんわ!ニッチな吃音の情報を発信する医師の菊池です。

3/22に日本医事新報社とのコラボ
『保護者からの質問に自信を持って答える!吃音Q&A』
note連載 第5回:小学校・中学校・高校で困る場面
が更新
されました。良かったら、ご覧いただき、♡をクリックしていただけるととてもうれしいです。

また、note連載 第6回:電話ピラミッド,吃音軽減法
も、更新しました。

記事に書いていない話で、日本にはない機械のDAFのことを少し解説したいと思います。20年前、日本でも遅延聴覚フィードバックの機械を吃音者に試す〇〇協会がありました。今はないですが。

海外では、Speech easy という会社が有名です。以下、見ていただくと「補聴器?」と思うかもしれませんが、吃音者向けの機械です。耳掛け型や、外から見えない形まで色んな種類があります。価格は、$2500から$4500すると書いています。高いのだと、45万円くらいでしょうか?

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10年前のSpeech easyを使った動画があります。劇的に変わる場面が見られます。

ただ、吃音者がすべてこの程度の重度ではありません

このSpeech easyは、朗読には良いが、一般的な会話で効果がないことを、2009年のPollardらが証明しています。成人吃音者の多くは、特に電話が困っている方がいますが、なかなか、電話でも使いづらいかと思います。

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では、このDAF(遅延聴覚フィードバック)の一種であるSpeech easyが、なぜ電話で使えないのでしょうか?

Speech easyのメカニズムがHPに記載してあります。

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Choral effect=2人読み、ということです。
つまり、自分の話した声を、少しだけ遅らせて聞いてから、それに合わせて話すと、1人2役のChoral effectが発生します。多くの成人吃音者は、最初の声が出ない難発で困っているために、Speech easyを使っても、なかなかうまくいかないことがあります。

ただ、私も多くの吃音者と会っていて、重度の吃音者には良いのではないかと思うことはあります。

以前のSpeech easyは海外のどこの国で購入できます、と世界地図で記していましたが、現在はそのサイトがなくなっているので、規模が縮小したでしょうか?

Speech easyについてYoutubeで話題にしている動画を見ましたが、最初は効果があるけど、徐々に効果が薄れてくるとのことでした。
この動画の吃音者は、言語聴覚士を目指しているとのこと。皆さんは誤った認識をしている。吃音者はいつもどもっている訳ではないと。

では、明日がより良い一日でありますように

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